眠いのに眠れないのですが

気になったことがあります。



あんまり外にお出かけすることもなくなってきたのですが、今日は珍しくお仕事で外出。

すると、電車の中で「バイオリンケースを明らかに小物入れとして使っている人」を見つけたのですが、あれは私の見間違いだったんだろうか。



そんな確定申告で超お疲れの私が見た映画。

「つんくタウンFILMS」なるものが関係している映画「生地獄」を見た。

2000年の邦画です。

私がめちゃくちゃな混同をしていて、「嗚呼一軒家プロレス」(こちらはソフトオンデマンドが関わっていたような新しい記憶が出てきた)と同じプロジェクトかと思っていたのですが(理由はソニンが出ていたから)。

全然違いました。「東京★ざんすっ」とかのアレか。全然知らないけど。



要は、新人監督さんにチャンスをあげよう的な企画だったみたいです。



しかし、2000年ってまだ最近じゃーんと思っていたけどもう15年前じゃないか。ギョギョギョ!





画像検索をしないとジャケ画像が出てこなかったのですが、他のよくわからないけど生き地獄と関連した画像がたくさん出てきて泣いた。



あらすじを説明するのも面倒くさいのですが

・スプラッター要素、キチガイ要素満載

・得体のしれない老婆と若い女にいたぶられまくる車いすの青年

・しかし、そこには家族のガイキチな秘密が隠されていて…!?

みたいなノリです。




なんだろ。「悪魔のいけにえ」とか好きな監督だったのか。

全体的に「マーダー・ライド・ショー」をチープにして味噌汁で煮込んだらトンデモナイもんができたみたいな感じか。



気になったところを列挙。



・冒頭

知らん家で知らん夫婦が「物音がするわ」「見に行って来てよ」と夜中に会話。

(明らかに主人公ではないが、じゃあ誰なのかもわからない)

明らかに誰かが危ないことをしているフラグです。



しかし見に行ってみると

まさかの

生の犬食いシーン(もちろん偽物ですが、セントバーナードの喉元をもぐもぐしていた)が登場。

若い女性が犬を食らっています。

さらに、それを目撃した嫁の目に女性がコップをかぶせるのですが、そのなかにいるのはカブトムシ!

躊躇なく女の目を突くカブトムシ。すげえよく調教されてますね。



・時代を感じる服装

脇役の週刊誌記者の男性が、今の時代では「相棒」くらいでしかお目にかかれないようなルックス。

なんというか、グレード義太夫さんみたいな感じ。

でもこの人、演技がお上手なのでこういう感じのスパイシーギャル男みたいなルックスの人をドラマにもっと起用すべきだよな。映画はあるけど。

絵に描いたようなハンサムと美女ばっかりじゃあ胸焼けしますよ。



・侵入

ある家で親戚を預かることになる。

この家にやってくるのが、冒頭で大暴れしていた女子と老婆。

老婆は着物、女子はミニ丈のキャミワンピみたいなものを着ています。

「老婆は痴呆症」「女子はわかんないけど口がきけないみたいよ」というざっくりした説明があって、よくわからないけど納得する面々。



そういや家族構成。

父親:大阪出張中

長兄・ケン:えばりんぼ。体育会系

長女・マミ:しっかり者に見えるが、アホの極み

次男・ヤスヒト:事情があって車いすになったらしい。

みたいな感じ。



さて、唐突ですが老婆と女子はとにかくこの次男・ヤスヒトをいじめ抜きます。

理由を語らず(というか口をきけないという設定だからだけど)、ハードないじめが展開。

しかし、こういうのってスプラッター映画の殺人ショーと同じく、いじめショーのようなものになりがちなのですが、全体的にこの話はぶっとんでいるのでよくわからないうちに見ちゃう。



壮絶ないじめの数々!

・車イスを元気いっぱい押して怖がらせる

・逃げられない次男の膝の上にミミズドバー(しかもザルに入れて持ってくるという謎のお持ち帰りシステム)

・弁当箱を開けたら白米の上にヤスヒトが可愛がっていた鳥がドーン

しかし、飯の上に小鳥ってビジュアル的に鮮烈なのである。日の丸弁当の梅干し部分に鳥が入ってるみたいな感じっす。

・ふすまをドンドン叩くという地味な嫌がらせ

机も急にドン!とか叩く。こういうビックリは嫌いだぞ

・ババアが突然のスタンガン持ちこみ。

ち○こにスタンガンを押し当てるも、私は持ち合わせがないので全然想像できない。

・ごきぶり丼を出される

ババアはごきぶりをパクパク食べながらすすっちゃう



ちなみに長女のマミはババアがスタンガンを持っているのを見て

「あっスタンガンだー。今の時代、保身のためには必要よね☆」とか言い出すあっぱらぱーです。

何があっスタンガンだなんだか。

こいつは次男がいくら訴えても助けず、親切と思ってどんどん追い込むので嫌な気持ちになりました。



それとは別に、冒頭で起きた殺人事件を追いかけている雑誌記者。

実は彼の先輩が長兄。

この長兄は彼の取材に付き合うことになります。



しかし、老婆・千代と少女のゆき(「犬好き」という設定付き。食べるのが好きなのか?)はなぜ、この家に入り込んできたのか?



それを知るために記者は千代のいた精神病院に取材。

この施設から千代は脱走したらしいのですが、精神病院から脱走って大変だよね。



まあこっから要約すると

・千代は高齢出産。ゆきが子ども。

でも、シャム双生児として生まれたはず。

・それ以外にも千代には長男がいた(むっちり)。

・この長男も凶暴で、児童の年齢で看護師の股間に電球を挿入して上からぶんなぐるという昭和のスケバンのようなリンチを行った

・このせいで看護師死亡。取材を受けているエライ教授の婚約者だったのに…



ここで取材に同行していたケン発狂。

そうなんです。千代の長男は、何を隠そうこのケンだったわけです。

子ども時代は肥えてたんだねという感想しか出てこない長男の写真のスライドまで見せられます。



急に言葉遣いがべらんめぇになり、目玉をむきだして喋るようになるこの人。

教授にも暴言吐きまくり!

ただ、記憶がなくしているのかと思いきや、そういうわけでもないみたい。



ただ、ユキはもう死んだはず!という教授の言葉に記者は困惑。

そして先輩であるケンに距離を置くようになります。



その頃、次男ヤスヒトは老婆と女性にダーツの的にされてさされっぱなし。

おまけに歯まで抜かれ、なぜか塩をぶつけられます。

なんつーか、全体的に「定番のいじめ」と「どうしてそれをもってきたかよくわからないいじめ」があるよな。



そこにマミが帰ってきて助けてくれますが「ただのばあさんじゃない。助けを呼びに行ってくるわ」と空気が読めない女・マミはそろそろと立てこもっていた部屋から抜け出し、ソッコーで殺されます。



その頃、教授はケンさんに撲殺されていました。

しかも、ジョークかと思いきやマジメにフライ返しで撲殺されてたんだけど。

ギャグなの??



そしてケンさんは後輩記者を拉致します。




なんじゃかんじゃでヤスヒトが気が付くと

・マミ、死亡

・長いテーブル(どこにあったんだ?)にろうそくがズラリ

・ケンが帰ってくるも、老婆にむしゃぶりつくマザコンぶりを発揮

・後輩記者も気が付く

・そこにお父さん帰宅!

実はお父さんはケンと記者が働く編集部の編集長だったのだ!

縁故採用すぎるだろとは思いましたが、お父さんと老婆のキスシーンがブチュブチュしだします。

すごく薄汚いキスですが、千代を演じている方のプロフィールが立派すぎてなんでこの役をやったのかわからないレベル。

・千代、記者の目玉を生で吸い出す

ズルズル~とスプラッターらしいノリ




実はマミだけはこの家のおかしさをごまかすために養子縁組していた人間だったのだ!

とか

ヤスヒトとゆきが実はシャム双生児でつながっていた!

家族は異常性が強いゆきのほうをかわいがり、ヤスヒトはいらない子だった。

だが、手術の結果、ゆきのほうが死んでしまう。

そのせいでヤスヒトは車いすだったのだ!とか。

とか、後付けでバンバンどうでもいい話が出てきます。



と、ヤスヒト覚醒!

そこにいる全員を皆殺しにします。車イスももう必要ない!

全員をボッコボコに殺しまくり、ダッシュで逃げるババアと屋外で追いかけっこ!

すげえ修羅場だ。

しかし焦ったババアはトラックに轢かれて死んじゃいます。



実は、異常性が強かったのはヤスヒトだったのだ。彼の殺人に理由なんてない。

だって、人を殺す異常な奴が、わざわざ理由なんて考えますか?

とストーリーテラー的な役割の平泉成さんがつぶやきます。




急展開すぎて、頭がおかしいのがヤスヒトなのか映画を見ている側なのか製作側なのかまったくわからなくなってきます。

精神病院に入院させられているヤスヒトは、妄想を見ながら暴れ続けています…。



その枕元にはリンゴ…拘束されているのに誰が食べるんだ。そして誰がむくんだ。

とかどうでもいいことを思った、そんな夜。



意外とパワフルで面白かったのですが、たぶんこの映画をご覧になれる人は少ないんじゃないですかね。

私はディスカスで借りたけど。レンタル店にはなさそうだぜ!



そこまでしてみるべき映画だったのか?

いや、そうだったのかもしれない!

というのも、「回路」とか「リング」とか「らせん」とか、あの時代のホラー映像の感じはどうにもこうにも見ている人間の心をときめかせる。

「輪廻」以来、そういう映画もぐっと減ってきたよねえ。

画質なんてきれいじゃなくていいのにねえ。



話は脱線しましたが、とりあえず笑いの絶えない素敵な一家だったことをお伝え申し上げておきます。