そういやあ、新作が全然良くないので、しばらく旧作ばかりを紹介してきます。

厳密にはホラーじゃないような作品も出てきますが、ごめんなさいです。



2002年の邦画「ドッペルゲンガー」を見ました。

黒沢清監督の映画は久しぶり~。

「ドッペルゲンガーはガチ」という意見を耳にしたので見てみたのですが、やはり面白かったのです。





どうでもいいのですが、役所広司さんのマオカラーは服部先生以来のインパクトです。



研究者の男がある時、自身のドッペルゲンガーに遭遇し戸惑いながらも、私利私欲のために奇妙な関係を築いていく姿を描いたコミカルな異色オカルト・ホラー。

ドッペルゲンガーとは、自分の分身を自ら見てしまう幻覚の一種で、それを見た者は数日中に必ず死ぬといわれている。

監督・脚本は「アカルイミライ」の黒沢清。



早崎道夫は、医療機器メーカー、メディカル・サイテック社のエリート研究者。

彼は10年前に開発した血圧計が大ヒットしたことで、次の開発へ向けて周囲から期待を寄せられている。

だが、今では助手と共に人工人体の開発を続けるもはかどらず、上司からもたびたび進捗状況を問われ、ストレスを募らせていた。

そんなある日、スランプ状態に陥る早崎の前に突然、彼に瓜二つの外見を持つ分身“ドッペルゲンガー”が出現した。

そして、早崎が必死にその存在を否定する中、分身は彼に協力するために現われたと告げるのだった…。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=241941




知らないうちにもう一人の自分が目の前に現れた主人公。

自分と全く違う性格のドッペルゲンガーに生活を引っ掻き回されつつも、徐々に馴染んでいく二人。

しかし、研究が成功したことによって、ドッペルゲンガーと本体の仲はこじれていき…。



登場人物たちがみんな自分勝手で、ギラギラしているのもなかなかに面白い。



研究を完成させることに心を砕いてきた主人公。

それとは反対に、煩悩にまみれつつ、主人公の姿を嘲笑うドッペルゲンガー。

自身の弟にもドッペルゲンガーが出現し、死んでしまった経験のある女(永作博美)。

研究の助手をしつつ、徐々に野心をむき出してくる助手(ユースケ・サンタマリア)。

研究を横取りしようとつきまとう同僚(柄本明)。

などが登場します。



ラスト間際のちょっとしたロードムービーは、死の小旅行という感じ。




ネタバレ

※先に映画をご覧ください



前半はいろいろあるのですが、ちょっと前に記載したとおりです。



機械を納品しに旅に出る主人公、ヒロイン、助手。

主人公は既にドッペルゲンガーを撲殺しており、その死体を隠ぺいしてはいます。

(ドッペルゲンガーも人殺しをしたり、勝手にいろいろやってはいたのですが)

ですが、彼はドッペルゲンガーを殺したことで何かが変わってしまったのか?

「助手ではなくて自分をマネージャーにしてほしい」という助手を、崖の上から突き落としてしまいます。



旅を続ける二人ですが、実は生きていた助手に追いつかれ、主人公は殴られ、車に轢かれてしまいます。

すげぇ回数、ペンチで殴られる役所広司。

意外と堅いのか、死なずにすみました。すごい。

そして置き去りにされるヒロイン。

ですが、そこに通りかかったのは…死んだはずの主人公!

ではなくて、ドッペルゲンガーでした。



彼は助手を制裁します。

どうでもいいけど、このシーンで使われた廃墟はもしや「ギミー・ヘブン」でも使われていた廃墟?とか、どうでもいいことが気になってしまった。

あと、ユースケ・サンタマリアとドッペルゲンガーのほうの役所広司が追っかけっこをするのですが、途中で出てきた、ユースケ・サンタマリアがでっかいミラーボールに追いかけられるシーンとは何だったのだろうか?

なんでインディー・ジョーンズ?とは思いました。



その後にドッペルゲンガーは同僚・柄本明にも再会しますが、ドッペルさんのひょうひょうとした態度に同r朝も目覚めたのか、突然更生します。

彼はドッペルゲンガーの車を降りて去っていきますが、突然トラックにはねられ「プチ」っと死亡。

山道から急に車道に飛び出したら危ないとは思いますが、不注意すぎやしないか。

それともこのトラックは峠を攻めていたのだろうか??

この人を殺した意味はよくわからなかったですね。

ビックリさせたいだけ??



こっからはドッペルの独壇場です。

納品するはずだった機械も「なんかちゃう!」という理由(※こんなざっくりした言い方はしていませんが、ノリはこんな感じ)でそのまま取引先を飛び出し、その機械に“自殺”させるという「まあよくできたお話」感がすごい。

ラストはドッペルゲンガーとヒロインの永作博美が両想いになり、どこかへ去っていきます。



ちなみに、特典映像ではドッペルゲンガーと主人公が入れ替わる(主人公が死亡するのを、ドッペルゲンガーが見届ける)場面も見られます。



ちょっと面白かったのが、役所広司さんの家のベッドカバーかマクラカバーが「陰陽」のマークだったことかな。

メタファーのひとつかとも思いましたが、もしかして単なるインドかぶれなんじゃ…仲屋むげん堂で買ったんじゃないでしょうねという気持ちになりました。