今治航路と、はまかぜ海道 | 新労社 おりおりの記

今治航路と、はまかぜ海道

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前回のゆめしま海道サイクリングの続きです。

 

しまなみ海道とびしま海道、ゆめしま海道と行きましたが、この瀬戸内には他にも自転車推奨の海道があります。そのうち1つがはまかぜ海道。松山―今治の愛媛県第1と第2の都市を結ぶ海岸線です。ゆめしまを終わって、フネで今治まで、さらに自転車で松山へ帰ろうと決めました。懸念はこの暑さ。令和5年はちょっとレベルの高い暑さです。

 

(さよなら岩城島港)

 

船岩城―今治航路

 

岩城港では自転車について「荷物を下ろせ!」と言われ、4つの荷のうち2つは付けて良いと言い直され、乗せていただきました。人間は運賃がかかりますが、自転車は愛媛県の自転車愛護策で、住所氏名を書いた券を出せば、地元の人間でなければ無料で渡してくれるのです。橋が架かって航路は厳しい状態が続いていますが、地方自治体は産業雇用を保護すべく、政策を打ち出しているのです。

 

 

フネは芸予汽船の49トンの第一ちどり。50トンでないのは税金の問題でしょう。走り出すとモーターボートのような高速に見えます。22ノット程度ですから、旧日本海軍の護衛空母並み。大きさは空母ほどではありませんが、鞆―尾道航路のフネより3倍方大きい気がします。乗客は20人ほど。岩城港の次の港(伯方島)で降りる客も大勢いて、途中の港でも結構乗り降り、荷物の積み下ろしがありました。

 

芸予汽船にはゆめしま4島の他に、とびしま海道でも私はお世話になりました。他に魚島や大崎上島など、海上橋の恩恵の受けられない、あるいは橋が遠回りな港を回って、ヒトやモノを運んでいます。

 

 

橋はクルマで行くには通行料がかかります。フネは岩城島―今治で1,360円(旅客のみ)。一方しまなみ海道は因島南―今治で2,330円。バスだと便があるかですが、もっと安いでしょう。それほど違いはなさそうですが、ドライバーの負荷の点ではフネの方が良いでしょう。

 

(来島大橋を遠望)

 

岩城島港を出ると、次は伯方島の木浦港、さらに大島の友浦港に寄港し、荷物を積み下ろしし、ヒトを乗せてからそんなに停まらず、てきぱきと仕事をしてあっという間に出ていきます。大島からサイクリストが乗ってきました。伊予大島はどこを行っても勾配がきついのです。だから今治側から尾道へ向かうサイクリストが多いのですが、疲れた時にはこういうフネは便利です。

 

 

右側は伯方島、次いで大島、左は広大な燧灘、しばしば貨物船とも競争します。荷物主体の貨物船はスピードでは高速旅客艇にかなわないのですが、かなうようになったら採算が合わなくなるでしょう。エンジンはソコソコに、小さくてもたくさん積めるフネが良い貨物船です。反対に旅客船は大人数ですが強力なエンジンで速い方が良いのです。

 

 

この旅行で会った船舶は、フェリーや観光船の他に、貨物船、自衛艦もいました。瀬戸内海は商船学校からあるバラエティに富んだ「海運の見本市」と言えるでしょうか。

 

今治には岩城島から1時間ほど。来島海峡大橋の支柱が3本4本5本と見えてくると今治港です。郵便や荷物・物資とともに私の自転車も下ろしてもらいました。

 

自転車はまかぜ海道

 

(今治城)

 

さあ今治から再び進撃です。付近の今治城で補給してから、今度は松山までのはまかぜ海道。鉄道では何十回と通っていますが、自転車では中学生の時に行って以来40年ぶりです。しまなみの後は2度にわたって波止浜から輪行して松山行の列車に乗ってましたが、今治から海岸に出ようとすると、丘陵地帯を抜けていくことが必要です。波止浜や波方を経由すると遠回りなのです。海へ早く出たいという気持ちがあります。

 

(便利な道しるべ)

 

愛媛第2の都市、なかなか道の構造が複雑で、山コースと間違いかけました。晴れているし、実家にも近いのですが、今日は40年ぶりの海岸コースです。水を3度も補給(1回1リットル)しましたが、汗は乾かず、両頬ぐっしょりです。丘陵を越えて、大西近辺の平地を行き、海岸に出てくるころには、午後4時くらいでした。

 

(菊間の中央通り)

 

それにしても暑い!背後や頭頂部から照らされるより、傾いた横合いから直接照らされるのが、一番キツイのです。予讃線の列車が通るのも楽しかったし、何といってもブルーの海も良かったのですが、何分にも体の大面積で西日とはいえ受けるのは、体から熱を放出してもしても、しきらず溜まるような気がするのです。

 

それが放出できなくなったら熱中症になるのでしょう。美しい海岸線は西日の方角。カメラを向ける気になりませんでした。そうなるとサイクリングも苦行です。

 

大西、伊予亀岡と過ぎ、菊間の駅で休憩。水をジャブジャブ飲みましたが間に合わない気がします。古い菊間瓦の街並みを見て再び西日に直射される海岸へ。もうこれはいかんということで、次の浅海駅から輪行しようと決めました。ここまでで今治から31㎞。

 

 

浅海は無人駅。きれいに掃除されています。人心地ついてから自転車を折りたたみ、17:18の普通列車が12分ほど遅れてきたのに乗り込みました。日は傾きましたが、西日の直射でまだかんかん照り。わが輪行自転車はJR四国の「自転車を転がしてはならない。キッチリ密封して担いでいけ」の法令は守れます。

 

9つ目の松山までは30㎞弱残っていたので、今治から半分でリタイヤしたことになります。松山からまた組み立てて走り出せたのは、無茶しなかったからだと自分に言い聞かせて実家にたどり着きました。

 

ハナのアタマはじめ、真っ赤っ赤に焼けて、午後7時実家着。両親には大変な容姿で驚かれました。フロは沁みませんでしたけれども、顔だけは焼けたのです。その後熱が出たこともなかったし、どうやら五体満足に帰省旅を終えることができたようです。

 

<完>