今月10月6日(金)~8日(日)にかけて、福井県を観光して周ってきました。

 

 

 

あれっ!?フランツさん、また何で福井県に?

 

はい。私が国内旅行をするきっかけは、昨年GWの広島・岡山旅行、今年GWの山口・島根・鳥取旅行と同じ理由が続いていますが、フライトのマイルの有効期限切れのため。今回も急きょ国内のフライトに振り替えたんです。

 

 

今回はどこに行こうか?と考えましたが、福井県はまだ行ったことがなく、東京からだとあまり馴染みのない県になると思うので、この機会に行ってみました。

 

 

 

 

 

10月6日(金)

 

 

初日はまず柱状節理で有名な景勝地、東尋坊に行きました。奇岩を間近で見ることのできる東尋坊観光遊覧船を楽しみにしていました。

 

しか~し、ツイッターで運行状況を確認すると、「本日は大荒れの日本海で終日欠航」とのこと。ガーン!ただし、東尋坊の高さ23mの崖上に迫るほどの大波なんだそう!逆に期待が膨らみます!

 

 

 

 

 

(写真)東尋坊。いや本当に、びっくりする程の大荒れの海で、至るところで観光客に飛びかからんばかりの大きな波しぶきが発生していました。その迫力たるや、めちゃめちゃ凄い!

 

 

視覚的にもそうですが、「ドドーン!」という波の音のど迫力がまた凄い!そして気付いたのが、波が一部茶色がかっていること。これはこれだけの勢いで波が岩にぶつかって岩を削って、それが浮いて茶色になるからだと考えられます。

 

つまり、火山と地殻変動と波風により形づくられた独特な景観で有名な東尋坊ですが、これを造る作業は現在進行形で続いている、ということなんですね!悠久の時を感じて大いに感動しました!

 

 

 

ところで、「東尋坊」という名前の由来は?私の観光ガイドには、

 

「東尋坊というお坊さんが絶壁の上で酒に酔っていたところ、恋敵の関係にあった真柄覚念と仲間の僧たちにより、海へ突き落とされた、と言い伝えられている(諸説あり)」

 

とありました。

 

 

むむむ?あれれっ?こらー!!!

 

こらー!その1:お坊さんはお酒を飲んではいけません。

こらー!その2:お坊さんは恋をしてはいけません。

こらー!その3:お坊さんかどうかに関わらず、人を海へ突き落としてはいけません。

 

 

 

 

 

 

(写真)東尋坊近くの越前松島。名称は宮城の松島に景観が似ているため。散策路を歩いて景色を楽しみますが、私の歩く道先が大波で大変なことに…。

※良い子は真似をしないようにしましょう。

 

 

 

 

 

(写真)雄島。実はもともと行く予定はなく、他の観光客の方が楽しみにされていたので、急きょ私も行ってみましたが、文句なしに素晴らしかったです!東尋坊に行った際はマストで寄ることをお勧めします!

 

特に島全体が大湊神社の鎮守の森となっていて、正に神宿る島に相応しい静謐な雰囲気がありました。柱状節理や板状節理も近くで見ることができます。

 

 

 

 

 

(写真)東尋坊の後は、三国湊きたまえ通りを散策。写真は三國バーガー。三国産のらっきょうが入っていて美味しかったです。

 

(写真)旧岸名家。材木で材をなした、江戸時代の豪商の町屋です。雰囲気のある建物(奥に長い)や見事な船箪笥に加えて、当主が俳諧に興味を持っていたそうで、俳諧の展示がいろいろありました。

 

 

旧岸名家に伺ったら、まずはこちらへ、とマチノクラという三國湊の歴史を学べる施設に案内していただきました。15分くらいのガイダンス映像がとても良くできていて、北前船により江戸時代に日本海屈指の交易港だった三国湊(全国の港の番付で前頭筆頭)の歴史が良く分りました。

 

 

 

 

 

(写真)この日はあわら温泉の宿に泊まりました。素敵な温泉でほっこり。

 

(写真)あわら温泉のお蕎麦屋さんにて、にしんとつけもの。エビスビールに黒龍の九頭龍。

 

(写真)天ぷら盛り合わせ。黒龍が造る永(とこしえ)の吟醸をいただきました。

 

(写真)おろしそば。有名な越前おろしそばです。福井の名産と銘酒黒龍をいただけて感無量!

 

(写真)宿に戻って和菓子のデザート。だるまやの「どんりん」に浅野耕月堂の「松乃露」。旅行ならではの、てんこ盛りの流れで極楽!

 

 

 

 

 

10月7日(土)

 

 

福井2日目。この日は織田信長に滅ぼされた朝倉氏と、羽柴秀吉に滅ぼされた柴田勝家の遺跡を巡ります。私はNHKの大河ドラマが好きですが、特に戦国時代ものが大好き。そのドラマの現地を訪れるということで、胸が高鳴ります!

 

 

まずはJR福井駅からバスで30分の一乗谷に向かいます。朝倉氏が拠点にした場所です。

 

 

(写真)福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館

 

 

2022年10月にオープンしたばかりのこの博物館。まず15分くらいの映像によるガイダンスがありました。今は田畑のみののどかなこの地にどうして朝倉氏が城や城下町を築いたのか?がよく分りました。①越前の中心に位置、②山に囲まれ守りに強い、③足羽川→九頭竜川と美濃街道と交通の要衝(交易には前日に訪れた三国湊)の3つの理由だそうです。

 

信長に滅ぼされ、まちは焼き払われてしまいましたが…、その後、柴田勝家が北の庄(今の福井市)に城を構えたので遺跡はそのまま残り、一乗谷は田畑が広がる農村に姿を変えました。このため、城下町の跡が奇跡的に良好な状態で残ったものです。「日本のポンペイ」とも言われているそうです。

 

 

 

その後、基本展示室で発掘された遺跡や朝倉氏の歴史、城下町の暮らしぶりの展示を見ましたが、もう圧巻でした!2022年10月にできたばかりの博物館で、整理されていてとても綺麗なこともありますが、遺跡がまるまる残った(何と160万点とのこと!)ということで、質・量ともに非常に見応えがありました!

 

朝倉氏は一乗谷を京のまちにも劣らず雅なところに設えたそうで、宴や歌会も開かれていたそうです。何だか今川氏に似ていますね~。時の将軍足利義昭をもてなしたという朝倉館の原寸再現も雰囲気たっぷり。丸1日ゆっくり見ても楽しめると思います!

 

(なお、蹴鞠伝書もあり、蹴鞠には武士に必要な判断力や精神力が必要、ということでした。北条トキューサ「蹴鞠なら自信あるんだがな~」笑)

 

 

 

朝倉義景というと、大河ドラマでは、信長の朝倉攻めの時に浅井長政が裏切って挟み討ちとなり、そのことを浅井長政に嫁いでいた信長の妹のお市の方が小豆袋で知らせたこと。その後に浅井・朝倉両軍を信長・徳川両軍が姉川の戦いで破ったことがよく取り上げられます。

 

その後に信長が朝倉義景を滅ぼしたことはナレーションで語られる程度ですが、その戦いの名前が「刀根坂の戦い」ということも分りました。あまり身近でなかった朝倉氏のことを知ることができて貴重な体験となりました!

 

 

 

さて、博物館でしっかり勉強したので、近くの浅倉氏の遺跡の現場を巡ります。

 

 

(写真)一乗谷朝倉氏遺跡。こんなのどかな田園地帯に戦国大名の遺跡があるとは本当に驚きです!

 

 

(写真)唐門。豊臣秀吉が朝倉義景の墓前を弔うために寄進したそうです。そばの川には彩り豊かな錦鯉が沢山泳いでいました。

 

(写真)朝倉義景公のお墓。今回訪問することができ、とても親しみが湧きました。

 

(写真)朝倉義景館跡。真ん中の長方形の緑は花壇。何でも日本で初めての花壇で、将軍足利義昭をもてなしたそうです。このほかに、見事な石が発掘された湯殿跡庭園、諏訪館跡庭園などを周りました。

 

 

(写真)復原町並。遺跡を元に、当時のまちなみを復原したエリアです。昔の町人姿の可愛らしい女性からお茶でもどうぞ~と声をかけられ一杯いただきました。東尋坊が大波だった昨日に続いてこの日も風が強い中、ホッと一息付けてありがたかったです。

 

(写真)当時の将棋を指している様子。あれっ!?奥の王将の2つ左に、何だか見慣れない駒が???

 

 

そうなんです。これが「酔象」という駒で、これが加わるのが朝倉将棋の特徴なんだそうです。本将棋の通常の駒組みに加えて、「酔象」が王将の前に置かれますが、「酔象」は真後ろ以外に1コマ動ける金と銀のハイブリッド版。成ると「太子」となり、王将が取られても「太子」が王将の代わりとなり勝負を続けられるそうなんです!

 

フランツ、将棋は結構得意ですが、もし、この「酔象」を加えてハンデをもらったら、先日快挙を達成した藤井聡太八冠とも、もしかしていい勝負になるかも?無理か!笑

 

 

 

 

 

(写真)お昼はJR福井駅に戻って、越前おろしそば大盛りとエビスビール。

 

 

 

 

 

さて、午後はJR福井駅周辺を周わります。まずは柴田勝家の本拠地だった北の庄城址に行きました。駅の近くですが、こんな名所なのに?というほど目立ちませんでした。

 

 

 

(写真)北の庄城址と柴田勝家公の像。勇猛で信長の筆頭家老として名を馳せた勝家公。長槍を携えて大変立派です。北の庄城は何と9層の天守閣を持つ日本最大級の城でしたが、今は後も形もない「幻の名城」なんだそうです。

 

(写真)お市の方の像。美人で有名なお市の方ということで、「美モテ」のキャンペーンをやっていました笑。ちなみに、大河ドラマ「どうする家康」では北川景子さんがお市の方を演じていましたが、凜とした雰囲気が素晴らしかったです。

 

(写真)三姉妹像。左から、茶々、江、初。お市の方が勝家とともに自害したため、この地で秀吉のもとに渡された3姉妹。その後、それぞれ数奇な運命を辿ったのはご存知の通りです。

 

 

柴田神社のお隣の資料館では、絵本太功記の展示があり、大戦(おおいくさ)を前にした勝家と利家と秀吉の、武士の鑑とも言うべき見事なやりとりがとても素敵で、賎ヶ岳の戦いの屏風絵も素晴らしかったです。

 

 

 

次に、徒歩15分くらいの福井城址に行きました。天守閣はありませんが、城壁などが残っています。

 

 

(写真)福井城趾と結城秀康の像。結城秀康が初代福井藩主と聞いて、大いに唸りました!というのは、NHK大河ドラマ「どうする家康」で印象的だったお万の方(松井玲奈さん)と家康との子供(家康の次男)が結城秀康なんです!あの子が!

 

(写真)福の井の井戸。これが「福井」の由来とされていますが、実際は3代藩主の松平忠昌が「北ノ庄」の名は敗北につながるとして「福居」に改名し、それが1700年頃に「福井」になったと考えられているそうです。

 

 

 

(写真)名勝 養浩館庭園。福井城址の近くにある松平家の庭園です。お茶や月見を楽しんだそうで、室内は越前和紙などの工夫がありました。室内から手の届きそうな距離で、池の錦鯉を楽しめるのはいいものですね。また、昔のお風呂場があって、お万の方つながりで何だかドキドキしました。紅葉も少し楽しめました。

 

(写真)福井市立郷土歴史博物館。福井の迷信の展示があって、柴田勝家の亡霊が九十九橋の辺りを馬に乗って出現することや、大阪夏の陣で真田幸村を討ち取って供養のために作られた真田地蔵は、首が取れると付けた者が熱病になる、というものがありました。大阪夏の陣の屏風絵が圧巻!

 

 

 

さて、この日もたっぷり観光しました。JR福井駅周辺の和食で評判のお店に、福井の美味しいものと地酒を楽しみに行きました。合せていただいた地酒は黒龍純米吟醸、黒龍大吟醸、紗利純米大吟醸。もう堪りません!

 

 

(写真)お造り盛り合わせ

 

(写真)甘鯛塩焼き

 

(写真)盛り合わせ天麩羅

 

(写真)焼きさばずし。さばも福井の名産です。地元で食べることができ、めっちゃ嬉しい!

 

 

 

 

 

10月8日(日)

 

 

福井3日目。この日はえちぜん鉄道の勝山永平寺線方向で観光します。まずは福井駅から30分、バスに乗り継いで15分の永平寺に行きました。

 

 

 

 

 

(写真)大本山永平寺。道元禅師の開いた曹洞宗の大本山です。緑色の苔の岩と雰囲気たっぷりの建築のコントラストが極めて美しい!座禅を組んだりお経を読むお堂がいくつかあり、修行僧(雲水と言うそうです)の実際の生活の場を見ることができます。

 

雲水の生活は非常にシンプルで、一畳のみのスペースで座禅に励みます。トイレは全て和式、入浴は何と4と9の日しか入れません(10日で2日)。普段、自分がいかに恵まれた生活をしているのかを痛感するとともに、そんな修行を通じて、それぞれが自分に向き合い悟りを開いていく雲水のみなさまには感動を覚えます。

 

紹介映画も見ましたが、イタリア人の住職が永平寺に感銘を受けて、ミラノから100kmにある「普伝寺」という曹洞宗のお寺を、いずれは永平寺の配置のように作りたいと大いに語られていたのが印象的でした。

 

 

 

(写真)永平寺観光の後は、禅の里で山侊のご利益団子をいただいました。食べる際に串(苦死)の先を切ってくれるという願掛け付きです。

 

(写真)アトリエ菓修のアップルパイ。大人気でしたが、運良くありつけました!ホカホカで美味しかったです。

 

 

(写真)その後の移動では、えちぜん鉄道の列車から九頭竜川が見えて感動!鮎釣りをされている方がいました。

 

なお、えちぜん鉄道は列車の雰囲気といい、車窓からの景色といい、非常に魅了されました。アテンダントの女性の方が同乗して、無人駅の切符を捌いたり、観光アナウンスをしたり、ご高齢の方やお子さんのケアをされたりしていて大活躍。開業20周年おめでとうございます!

 

 

 

 

 

感動の永平寺の後、午後はえちぜん鉄道勝山永平寺線を終点の勝山駅まで行って、そこからバスで15分の恐竜博物館に行きました。福井が誇る世界3大恐竜博物館です!

 

 

 

 

(写真)福井県立恐竜博物館。「全身骨格標本」「福井県の恐竜たち」「地球の化学」「生命の歴史」などのコーナーがあり、大変見応えがありました。

 

 

私は動物が大好きですが、その流れで恐竜も大好き。中でも1970年代にテレビ放送のあった「恐竜探険隊ボーンフリー」を子供の頃に見て大好きで、特にトリケラトプスのファンになりました。逆にティラノサウルスの怖かったこと…。

 

なので、福井県立恐竜博物館で、ティラノサウルス、ブラキオザウルス、アロサウルス、イグアノドン、トリケラトプス、プロトケラトプス、ディメトロドンなどの全身骨格標本を見ることができ、大いに感動しました!

 

 

また、ここはよく出土する福井県で発掘された恐竜も網羅しています。フクイティタン・ニッポネンシス、フクイサウルス、フクイラブトル、フクイベナートル・パラドクサス、コシサウルスの5種類。特にフクイベナートル・パラドクサスは、腕にヒラヒラの羽根のようなものが付いていて、まるでラテンダンサーのよう!マラカスを持ったら、絶対に似合う!笑

 

 

そして、最新の研究成果を得られるのも嬉しい。私が子供の頃は、ブラキオザウルスは身体が重いので、生涯の大半を水中で過ごしたと考えられていて、そういうイラストもよく見ましたが、今は陸上で暮らしていたと修正されているそうです。

 

かつては重すぎて腹を引きずらないと歩けないと考えられていたディプロドクスの面白すぎる想像図(お腹を引きずっている)が展示されていて、大笑いしました!笑

 

 

 

 

(写真)JR福井駅や駅前広場も恐竜を前面に出してアピールしていました。

 

 

(写真)ソースカツ丼と生ビールとヴァルシュタイナー プレミアム・ドゥンケル。夕ご飯は福井のソウルフード、ソースカツ丼の元祖と言われるお店でいただきました。美味しい!

 

 

 

 

 

以上、3日間に渡る福井観光の様子でした!初めて訪れてみて、福井は観光の宝庫だと思いました。来年2024年3月16日には、北陸新幹線が延伸して、東京から福井まで3時間を切って(2時間51分)直行で行けるようになります。まだ行かれたことのない方は、福井にぜひ行かれてみてください!

 

 

(写真)JR福井駅にあった北陸新幹線のPRボード。駅構内には新幹線用のスペースも準備されていました。

 

 

 

 

 

 

 

(追伸)以上、10月6日(金)~8日(日)の3日間、福井観光に行ってきました。あれっ!?10月9日(月・祝)は?まさか東京に帰ったんですか?

 

いやいや、私がそんなもったいないことする訳がありません、笑。9日はまた別の県を観光してきました。果たして福井からどこに行ったのでしょう?次の記事で!(続く)