オーケストラ・アンサンブル金沢の東京公演を聴きに行きました。指揮は大好きな名匠ユベール・スダーンさんです!

 

 

オーケストラ・アンサンブル金沢第35回東京定期公演

(サントリーホール)

 

指揮:ユベール・スダーン

ピアノ:リーズ・ドゥ・ラ・サール

 

モーツァルト/歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲

モーツァルト/ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノム」

ベートーベン/交響曲第3番変ホ長調「英雄」

 

 

 

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)を聴くのは今年これでもう3回目。実はN響(6回)と読響(4回)の次に多かったり(笑)。金沢にも昨年夏と今月の2回行ったし、もはやとても親近感を感じるオケになりました。

 

(参考)2019.1.15 フォルクハルト・シュトイデ/OEKのニューイヤー・コンサート2019東京公演

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12433255080.html

 

(参考)2019.3.9 エンリコ・オノフリ/OEKのハイドン&モーツァルト@金沢

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12445664542.html

 

 

 

(写真)今月の金沢旅行で行った兼六園の松。旅行記の時は梅スペシャルでしたが、松も素晴らしかったですよ。特に雪対策の縄が張られていましたが、その張り方がまた美しくて見事。これも芸術作品ですね。

 

(参考)2019.3.9 金沢観光(兼六園の梅&金沢蓄音器館&ひがし茶屋街)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12446097572.html

 

 

 

まずはモーツァルト/「皇帝ティートの慈悲」序曲。この曲をスダーンさんの指揮で聴けるのは大いなる喜びです。というのも2006年のモーツァルト・イヤーの国内の白眉のオペラ公演が、二期会公演の「皇帝ティートの慈悲」、スダーン/東響がピットに入った公演だったからです。ペーター・コンヴィチュニーさんの愉快な演出が話題になりましたが、この公演の大成功はスダーン/東響のモーツァルトの演奏があったからこそ。

 

OEKとの演奏も、さすがはスダーンさんのモーツァルト!キビキビと小気味よい演奏にして、立派で構築感を感じるもの。1曲目から大いに魅了されました!いつもの東響とのモーツァルトとはやはりオケの音色や響きが違いますね。どことなく懐かしい音色に感じました。

 

それにしても、冒頭の旋律の途中で止まって、寸劇が始まるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが(笑)。(コンヴィチュニー演出は最初からそんな感じでした。第2幕でスダーンさんが焼け焦げて出てきたのも◯、笑)

 

 

続いてモーツァルト/ジュノム。ピアノは昨年10月の大野和士/都響とのラヴェルが素晴らしかったリーズ・ドゥ・ラ・サールさんです。モーツァルトは果たしてどうでしょうか?

 

(参考)2018.10.13 大野和士/リーズ・ドゥ・ラ・サール/都響のジャン・フルネ記念コンサート

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12411817852.html

 

リーズ・ドゥ・ラ・サールさんのピアノはキレキレだったラヴェルとは一転、エレガントで繊細なニュアンスに溢れ、素晴らしいモーツァルトでした!珠のようにコロコロと流れるところ、しっとりと歌うところ、随所で魅せられました。こういう素敵なモーツァルトは本当にいいですね。正に至福の時。

 

アンコールのドビュッシー/亜麻色の髪の乙女も、チャーミングさと透明感とうら寂しさが同居した印象的な演奏でした。1音1音の音色やニュアンスが素敵。モーツァルトに魅了された理由もよく分りました。

 

 

 

後半はベートーベンの英雄交響曲。これがまたスダーンさんの見事な指揮!それに応えるOEKの素晴らしい演奏!とにかく活き活きとして弛緩するところの全くない、フレーズの全てにスダーンさんの息のかかった、非常に聴き応えのある英雄でした!

 

細かく言い始めるとキリがなので(笑)まとめると、強弱だったり、緩急だったり、楽器のバランスだったり、フレーズのちょっとした歌い方だったり、繊細なニュアンスをふんだんに入れて、それがとても自然体、曲の魅力が十二分に伝わってくる本当に素敵な演奏です!

 

たまにいつもの英雄とは異なる音が聴こえてきたり、急なフォルテを入れたり、ハッとさせられますが、さりとて不自然さを感じず、曲の本質を伝える素晴らしい出し入れ。OEKも本当によく応えていましたね。長年コンビを組んだ東響とのベートーベンは鉄板で、昨年の田園も見事の一言でしたが、OEKとのベートーベンもとてもいい感じでした。

 

(参考)2018.9.22 ユベール・スダーン/東響のハイドン&モーツァルト&ベートーベン

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12406961697.html

 

 

スダーンさんの場合、毎回そうなのですが、心の底からいい演奏を聴けた、と充実感が半端なかったです。決して派手さはないものの、大いなる喜びを感じる素敵な演奏でした!OEK東京公演の大成功、おめでとうございます!スダーンさんは6月の東響との公演をまた聴きに行きます。めっちゃ楽しみにしています!

 

 

 

(写真)3日前の東響(ショスタコ4番)の時に続いて、帰り道の桜。3日進んで、かなり咲いて来ましたね!この土日は桜を大いに楽しめそう。お天気、持ってくれ~!