素晴らしかった輪島観光の翌日、金沢に移動して、エンリコ・オノフリさんが客演するオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のコンサートを聴きに行きました。


オーケストラ・アンサンブル金沢
(石川県立音楽堂 コンサートホール)

指揮&ヴァイオリン:エンリコ・オノフリ

ハイドン/ヴァイオリン協奏曲ト長調Hob.Ⅶa
モーツァルト/交響曲第25番ト短調K.183(173dB)
ロッシーニ/歌劇「セビリアの理髪師」序曲
ハイドン/交響曲第70番ニ長調Hob.Ⅰ-70

 

 

(写真)コンサートのポスター

 


そうか!フランツさんが昨日、輪島に行ったのは、今日の金沢での、このコンサートが目当てだったんですね?

その通りです!マイレージを使い切るためとは言え、せっかくなら、タイムリーなコンサートを聴きに行きたいなと思っていたところ、このコンサートを見つけたので、昨年夏に来た金沢を再訪することにしました。そして、空港を小松空港ではなく、能登空港を選んで、まだ行ったことのない石川県の北のまち、輪島を前日に周ったものです。

私がこのコンサートに行きたいと思ったのは、イル・ジャルディーノ・アルモニコでソリストまたはコンマスとして活躍されたエンリコ・オノフリさんの指揮を聴いてみたかったから。そして、ハイドンの70番を聴けることが大きな動機でした。


まずはハイドン/ヴァイオリン協奏曲。晴れ晴れとした長調が心地よい第1楽章、しっとり情感のこもったヴァイオリンに惹かれた第2楽章、キビキビとした音楽が楽しい第3楽章、エンリコ・オノフリさんのヴァイオリン・ソロを楽しめた、活き活きとしたハイドンでした。

続いてモーツァルト/交響曲第25番。第1楽章は冒頭から強調だったり、フレーズの終わりにかけてクレシェンドをかけたり、かなり意欲的な表現、さすがは鬼才とも言われるオノフリさんです。

柔らかい第2楽章、情熱的な第3楽章に続いて、第4楽章はあまりテンポを揺らさず、重厚感や悲劇性を高めた演奏。OEKの構築感のある響きが心に残りました。見事なモーツァルト!


後半はロッシーニ/セビリアの理髪師の序曲。冒頭のジャジャーンにトランペットが大きく鳴らされてビックリ!主題でもチェンバロのチャッチャッチャッチャッの刻みが入って、まるでバロックの曲のようです。しかし、途中にはおなじみのロッシーニ・クレシェンドきた〜!(笑)楽しいロッシーニ!

ラストはいよいよお目当てのハイドン/交響曲第70番です。私はハイドンの104曲の交響曲のうち、半分の50曲くらい実演を聴いていますが(74番以降は全て聴きました)、そうなると、なかなか新しい曲の実演に当たりません。今回、とても貴重な機会だったので、金沢まで来たところです。

第1楽章は飛び跳ねるような旋律が面白い。後半には93番の下降旋律にも似た音楽が出てきて楽しいです。第2楽章は変奏曲風の音楽。どことなく軍隊にも似ている?

第3楽章は雅な雰囲気。第4楽章は勢いよく弾ける音楽。キレキレのOEKの演奏が素晴らしい。最後はダダダダダッと意表を突いたラスト!ハイドンによる楽しい遊び(笑)。


エンリコ・オノフリさんとオーケストラ・アンサンブル金沢のコンサート、素晴らしいハイドンやモーツァルトを聴くことができ、金沢まで聴きに来た甲斐が大いにありました!

オーケストラ・アンサンブル金沢は昨年のドビュッシー/ペレアスとメリザンドは最高のオペラ公演でしたし、今年1月のフォルクハルト・シュトイデさんとの紀尾井ホールでのニューイヤーコンサートも大いに楽しみました。そして今日も聴けて、とても親しみを感じます。さらに嬉しいことに、今月下旬には何とユベール・スダーンさんとの東京公演が!今からめちゃめちゃ楽しみです!