「今日は品数多いんだよー」


仕事から帰った私に嬉しそうに、そう言う父。

母が体調を壊してから、平日の夕ご飯は

父が作ってくれている。


食卓に並んだのは、大根おろしとしらすの

和え物、もずくとキュウリの酢の物、エリンギ

とベーコンの炒め物、玉葱がたっぷり入った

味噌汁。


それまで台所に立ったこともなかった父が

ここまでできるようになるなんて、思っても

いなかった。


何十年も勤めた職場を退職したのが2年前

の春。その3ヵ月後に、母は入院した。

やっと自分の好きなことをして過ごせると

楽しみにしていた時間。そのすべてが、母と、

家の事のために費やす時間になった。


父が作ってくれた夕ご飯はとてもおいしい。

そして、とても、切ない。



ロアルド・ダール, 田村 隆一, J.シンデルマン, Roald Dahl
チョコレート工場の秘密

大好きな本だった。小学校の時、学校の図書室で何度も

借りて、貸出カードには私の名前がいくつも並んだ。

今思えば、そんなに好きな本なら買ってもらえばよかった

のだけれど。


映画になるというのを聞いた時、あの時のワクワクした気持

が怒涛のようによみがえってきて、公開を楽しみにしていた。

しかも大好きなジョニーデップの主演で、ティムバートンが

監督だなんて♪


念願かなって見たそれは、期待通り、毒々しさたっぷりのファン

タジーになっていて楽しかった。

原作の雰囲気が、ちゃんと出ていたと思う。


新訳も出ているみたいだし、もう一回読み直してみたいな。

続編も同じコンビで映画にならないかなぁ・・・。



最近巷でブームのジンギスカンに、

見事にはまった。


今日は仕事帰りに友達と待ち合わせて

近くにできたジンギスカン屋さんへ。

子羊を狙う狼の群れが4匹♪


ニオイ、とまではいかないけど、羊独特

の風味がとっても美味しかった。

ジンギスカン以外のメニューも充実して

いて、何度来ても楽しめそう。


難点は、もれなく煙くさくなることかな?

早くシャワー浴びようっと。



私ミシュラン

☆☆*



前回、お医者さんの忠告を聞かずに街に

飛び出した話の続き。


最終日は買物!と前から心に決めていた

とおり、ドンコイ通りに並んでいる雑貨屋

さんや洋服屋さんに片っ端から入って

買物欲を満足させた。きれいな刺繍や、

ビーズのついたバッグ、ヴェトナムのお茶、

などなど。買物のおかげでようやく、余った

ヴェトナムの通貨を必要な分だけ残して

使い切ることができて、一安心。


それでもさすがに外のレストランに食事に

行くのは自粛して、マジェスティックホテルの

中のブッフェ形式のレストランで夕食をとった。

でも量は全く入らなかったし、“食後の薬を

飲むための食事”といった感じで、全然楽しく

なかった。


食事でますますストレスを溜めてしまった私

は、部屋で休んだら?という友達の勧めにも

耳を貸さず、再び、お気に入りのホテルの屋上

のバーに行くことに。

サイゴン川の流れと、ネオンの光で彩られた

街を見下ろしながら、ヴェトナム最後の夜に

別れを惜しんだ。


ところが、驚いたことにそれで終わりではなかった。

部屋に帰ると友達が、昼間に1人で外出している

時に私に内緒で買ってきてくれたデコレーション

ケーキを冷蔵庫の中から取り出してきてくれた。

この日は、私の誕生日だったから。


市場で探してくれたというローソクも、きちんと

ついている。驚きと、嬉しさと、今日一日不安だっ

た気持ちが全部一緒くたになって、私の目の辺りで

激しいスコールが発生。。。

そんな私を友達は、うんうん、大丈夫だよ。って

笑いながら、見ていてくれた。


この旅行が終わったら、見たくない現実にまた

正面から向き合わなきゃいけない。

ひとつ年を重ねて、時間は確実に過ぎていくのに

それでも現状は何にも変わらなくて、自分だけが

取り残されていくような不安にまた、怯え続けなきゃ

いけない。

せめて今日だけは楽しく過ごして、その楽しさを

パワーに日常に帰ろうと思ったのに、こんな大事な

日に体調を壊して、友達にも迷惑をかけて。


そんなぐちゃぐちゃな気持ちを、彼女はぜんぶ

いったん引き受けて、それでも大丈夫だよって、

笑う。だって、こうやって近くにいるから。って。


ヴェトナム最後の夜は、27歳最初の夜。

一歩踏み出す勇気をもらえた。



なんていう歌があったけど、私の場合どん

なに晴れていても月曜日はちょっとユウウツ。


一週間頑張って、せっかく金曜日で「上がり」

にたどり着いたのに、「振り出しに戻る」で一気

にスタート地点に戻されたみたいな、そんな

気分。


でも今日は、そんな気分が紛れるような

ちょっと楽しいことがあった。


職場にきた宅配便などの荷物はたいてい、

玄関の正面に座っている私が受け取ることに

なっている。おかげでうちの地区担当の宅配

便や郵便局の配達員さんとは、ほぼ顔見知

りになった。


今日の午前中も、

「お届けものでーす」

という声と共にドアが開いたので、仕事を止め

て顔を上げると、立っていたのは職場に来る

配達員さんの中では結構若いほうのお兄さん。

前からけっこう髪の毛が長めで、短髪が好き

な私は、“髪の毛切ったらもっとスッキリするの

になぁ”と思っていた。


ところが今日はその長めだった髪の毛が見事な

ドレッドになっていて、認めの印鑑を取りに行こ

うと動きかけた足が一瞬、止まってしまった。

そうか、このために今まで髪の毛伸ばしてたのか。


特にコメントはしなかったものの、私が髪の毛に

目を奪われたことに気付いたのか、お兄さんも

ちょっと照れ笑いを浮かべていて、かわいかった。


たまにはイメージチェンジも、気分が変わって

いいかも♪

私も、美容院に行きたくなった。



それはお昼の準備をしていたときのこと。


ささいなことで父と言い争いになった。


今思い出すと笑っちゃうようなこと。


ご飯をよそう量のこと。


父の前で泣くのは嫌で、急いで2階の自分の

部屋にかけ上がり、ドアを閉めた。


父も大変な思いをしていることは、痛いほど

分かっている。


私が大変な思いをしていることを、父もたぶん

気付いている。


普段は何事もないような顔でやり過ごしている

けれど、ふとしたきっかけで、思いがけない瞬間に、

お互い胸に溜め込んでいることが噴き出してくる。


粟立った気持ちを何とか落ち着かせて階下に

降りていくと、同じように平静を装った父がいた。


こういうところがどうしようもなく、親子なんだよなぁ。



最近料理の本を見なくなった。買い物に行っ

てスーパーの中を歩きながらメニューを考え、

買い物をする。レシピとにらめっこをしながら

几帳面に料理をするのはどうにも苦手…。


今日はロールキャベツコンソメスープ風。

挽肉にナツメグを入れたのが功を奏して、

それなりの味に仕上がった。


それだけじゃちょっと足りないかな?と思い、

鳥モモ肉のソテーも作る。玉葱、しめじも一

緒に炒めて、塩コショウで味付け。

物足りないわけじゃないけどたいしておいしく

もなかった。


味噌汁はロールキャベツを作った時に余った

椎茸を具にする。


目標。来週は何かのレシピを参考に、ちゃんと

した料理を作ります。


最後から2日目の朝、いつもより早い時間

に目が覚めた。でも、何かがおかしい。

爽やかな朝という気が全然しない。

胃の辺りに違和感を感じる。


これは、この嫌な感じはもしかして、


こっちに来る前に見たガイドブックに書いて

あった、

ヴェトナム情報を仕入れたホームページ

にも何度も話題が登場していた、

入国直後に現地のガイドさんに注意された、


あれだ。…つまり、食あたり。


念のため日本から持参していた薬を飲んだ

けれど効いたという実感は感じられず、身体

も重くだるい。


この日はホーチミン市の動物園に行くのを

友達が楽しみにしていたので何とか準備を

して出かけたけれど、本当だったら気分が

晴れ晴れするような動物園日和の中、歩いて

いてもおなかがしくしく痛んできて自然と体勢

が前屈みになってしまう。

上を向いて歩けない。空が見られない。


申し訳ないけれど友達とは別行動にして彼女

には1人で周ってもらい、動物園のベンチで

うずくまるように座って待っていた。

それにしても外国で体調が悪くなるということ

は、なんて心細いんだろう。


タクシーでホテルに戻り、本格的にベッドに

横になった。友達には引き続き1人で行動

してもらい、午後中、寝続ける。

彼女が海外旅行のツワモノで、単独行動を

楽しんでくれるタイプの人だったのは不幸中

の幸いだった。私のせいで実質最終日の午

後を駄目にしてしまったら悲しいもの。


午後4時ごろ、ついに決断した。


もうだめだ、お医者さんに行く!


現地ガイドさんから

「なにかあったら連絡してください」

と渡されていた緊急連絡先の電話番号に電

話して状況を告げると、すぐ行くのでホテルの

ロビーで待機しているようにと指示された。


駆けつけてくれたガイドさんが案内してくれた

のは、“SOSインターナショナル”という、まさに

その時の私にぴったりのネーミングの病院

で、看板を見ただけで妙に安心した。


受付のところで問診表を渡されて記入した後、

しばらくすると名前を呼ばれて診察が始まった。

普段は常駐している日本人のお医者さんは

夏期休暇中ということで、ヴェトナム人のお医者

さんにたどたどしい英語で会話しながら診て

もらった。


抗生物質、整腸剤、痛み止め、解熱剤(熱も38℃

あったので。)を出してもらって病院を後にした。

抗生物質を飲んだらそれまでの苦痛は嘘のように

するするっと消えていって、こんなことなら午前中

のうちに病院に行っておくんだったと、心の底から

後悔した。


ホテルに戻ると夕方6時頃。夕方にはなってしまっ

たけれど、まだ一日が終わったわけではない!

「安静にしているように」

と念を押していたお医者さんに心の中でゴメンナサイ

を言って、夕暮れのドンコイ通りに飛び出した。



今日は実は料理をしなかった。

一日がかりで出かける用事があった

ので、昨日の夜に作りおき。


野菜+牛肉+ルーを使ってビーフ

シチュー。出かける前はカレーとか、

ハヤシライスとか、つい煮込み料理が

多くなる。


たまねぎ、ニンジンをオリーブオイルで

しっかりと炒めて、牛肉も加えて。

水を入れた後、沸騰させて灰汁を取る。

煮崩れするジャガイモは、時間差で投入。


いったん火を止めて、ルーを溶かし入れ

た後、さらに煮込む。


煮込んでいる間に、ちょっとテレビに気を

取られてはっと気付いた時には。

鍋底に見事に焦げ付いたビーフシチュー

の出来上がり。だった…。


そんな失敗もあるさ。

自分で自分を励ましたけど、ちょっと悲しく

なった。