サイゴンスパですっかりリフレッシュした

後、夕ご飯へ。それにしても何て贅沢な

旅行なんだろう。遊んで食べて、飲んで。

今思い返して書いていると、あの時間に

戻りたくなってしまう。


この日の夕食はレモングラスというレスト

ランに行った。スパが長引いたため営業

時間が終わる40分前くらいに着き、急いで

注文をした。特においしかったのは、牛挽

肉にレモングラスの風味をつけて焼いた

ものと、デザートのバインフランというプリン。

気が付いたらお昼のチョロンでは食事らしい

食事を取っていなかったため、短い時間で

かなり食が進んだ。


食後はおとなしくホテルに帰るはずもなく、

再びバーへ繰り出す。カラベルホテルにある

サイゴンサイゴンというバーで、私の持参した

ガイドブックによると“ホーチミンに行ったら

一度は訪れたいバー”らしい。


エレベーターで9階まで上がり、バーの入り口

を入ると、入り口のすぐ左手のところでバンド

の生演奏中だった。(でも少し音量が大き目かも。)


幸運にもテラス席が空いていたのでそこに通して

もらい、ハッピーシクロドライバーというカクテルを

注文した。

カクテルを片手に、真下にはライトアップされた市民

劇場やコンチネンタルホテル、少し先にはサイゴン

教会の塔が見える最高のロケーションで、夜風に

吹かれながら過ごす時間はとても心地よかった。

(ただ、バンドの音量はやっぱり少し大きかった。)


チョロンから一度ホテルに帰り、夕方からは

待ちに待ったスパの時間。


行った先は、サイゴンスパ。ホーチミンの中

心部から車で15分くらいの距離にある、

高級感溢れる洋館の中でスパが体験できる。


私たちは、フラワーバス→ハーバルスチーム

→ソルトスクラブ→オイルマッサージの2時間

コースを選んだ。


フラワーバスは、かなり大きめの円形の浴槽が

バラの花びらで埋め尽くされていて、お姫様

気分に浸ることができた。それにしても花びらを

入れたお風呂って、何か身体に良いことがあるの

だろうか。ただ見た目がきれいなだけ…?


お風呂で充分温まったあと、さらにハーバルスチ

ームへ。要はサウナなんだけど、蒸気の中に

ハーブの香りが漂っている。新陳代謝が高まりそう。

でもこれはかなり暑い。係の人には15分と言われた

ところを、半分くらいの時間で出てきてしまった。


続いてソルトスクラブ。照明を落とした部屋の中は

薄い布地のカーテンで仕切られていて、周りが

気にならないようになっている。施術のお姉さんの

優しい手でしっかりと塩揉みされ、肌がすべすべに

なった。


最後はオイルマッサージ。以前にも海外旅行の時

スパでマッサージを受けたことはあったけれど、

今回のサイゴンスパのマッサージが一番満足度が

高かった。社員の人がきちんとマッサージの勉強を

しているのを感じた。気持ちよさのあまり眠ってしまい

そうになるけど、眠ってしまったら勿体ないと思って

必死にガマン。


開始の時間が夕方5時で、終わって時計を見てみた

ら8時近かった。2時間コースで約3時間。スパを一日

の終わりの時間に持ってきて良かった、と思った。

予定していたより時間は長くなってしまったけれど、

すべすべピカピカのできたてのような肌になって、

それまでの疲れも嘘のようになくなった。


ラーメンを食べ終わり、

あー、満腹満腹。などと思いながら

お店を出る。

(このへんもすでにOLではない・・・)


時間的に少し余裕があったので、

用事を済ませに銀行へ。

その途中で、なんだかとても素敵な

人に見られているような気がしたので

視線のくる方向に目を向けてみると、

確かに、いた。

時々仕事で会う、素敵なリーマンさん

だった。


お互いにこんにちは、といって挨拶を

してすれ違った後、一気に脱力。

ひとりでラーメンすすってる所を

見られなくて、本当によかった~。



いつもは職場の人と一緒に行く

ランチタイム。今日は一緒に行く

人が誰もいなくて、1人のランチ

だった。


お昼の時間が来て、何を食べよう

か少しの間考える。


カレーにしようか。それともラーメン

かな…。


思い浮かぶ選択肢がもうすでに

OLではないなぁと心の中で苦笑

しながら、ラーメンを食べに向かう。


行った先は、職場のすぐ近くのお店。

カウンター席に座って、前から気に

なっていた酢辣湯麺を注文してみた。


出てきた丼の上はとろとろに柔らかい

かき卵で覆われていて、筍、木耳、

海老などの具がたっぷり載せられて

いる。最初にスープをひと口飲んで

みると、確かに酸っぱい!でもおいし

い!


かき卵にとろみがついているせいか、

卵、スープ、細めの麺がうまく絡まる

のが嬉しい。最初酸っぱいと感じた

スープも、慣れてしまえば酢のきつさ

よりまろやかさのほうが際立つように

なった。

ラーメンを食べていると脂が強くて、もた

れてしまうことが時々あるけれど、お酢

のおかげでそんなことも全然なかった。


しばらく食べたところでちょっと味を変え

たくなったのでテーブルの上にあった

辣油に手を伸ばし、隣に座っていた人が

ギョッとするくらいたくさん回しかけてみた。

(もともと辛いものが好きなので。)

もうスープは辣油でオレンジ色になっている。

見るからに辛そうなそれを口に運ぶと、

酸っぱ辛い!でも更においしい!


初酢辣湯麺は予想外のヒット。

ひとりの時においしいお店を見つけると、

なんだか得した気分になる。

今度誰かを連れて行こう♪


私ミシュラン

☆☆☆



母に元気がない時は、

どこか遠くを見ている。

食欲がなくなる。

言葉数が少なくなる。

笑うことも少なくなる。


今は、元気のない時みたい・・・



チョロンでは、とにかく歩いた。

地元の人の生活用品や食料品が

所狭しと並んだビンタイ市場、中国

の海の守り神が奉ってあるという

天后寺、外壁に漢字で「天主堂」と

書いてある、チャタム教会という

キリスト教の教会。


途中で、いかにも中華街といった雰

囲気の漢方薬屋の通りや、布問屋の

通り、路上市場などを通り過ぎた。

ホーチミンの中心部とは違って、私

たちが歩いていても客引きのために

声をかけてくる人はほとんどいない。

そんなふうに街の雑踏の中に埋もれ

てしまうことが、かえって心地良かった。


目の前をフランス人の少女と中国人の

青年が足早に通り過ぎていっても不思

議ではないような・・・。

ラマンの世界に迷いこんだ午後だった。



金曜日、周りにはそれと分からないよう

に、いつもより早めに帰りの支度を終え

て、家とは反対方向の電車に乗った。


到着したその駅から足早に歩いていくと、

自然と、私と同じ方向に向かっていく人の

流れができていることに気が付く。

その人たちが一人、またひとりと吸い込ま

れていく建物の方へ私も足を向けると、

そこには、劇場が。


劇場の入り口に向けてゆるい坂道になって

いるエントランスの両側には等間隔に木が

植えてあり、その下には暖かいオレンジ色の

街灯が灯っている。

その先にある入り口はそんなに大きくはない

けれど、入り口のドアの上の壁には教会の

ステンドグラスを思わせる大きな丸窓が付い

ていて、そこが別の世界の入り口であることを

さりげなく主張しているように思える。


建物の中に入って係の人にチケットを渡し、

赤い絨毯のロビーを通り抜け、チケットの半券

に記された自分の席を目で探すと、隣の席に

先に着いていた友達が振り返って手を振るのが

見えた。


席に着くと開演5分前。


「間に合ったねー」

「電車、一本遅れたら危なかったかも。」


おしゃべりをしていると、開演ベルが鳴った。


一週間の疲れや、いらいらや、しがらみが

全部溶け出していくこの瞬間が、私は大好きだ。

それからのひととき私は、舞台の上で繰り広げ

られる世界の住人になる。

穏やかな週末が、始まる。





ニューランで朝ごはんを済ませた後

1回ホテルに戻り、お昼前にチョロン地区

に向かって出発した。


チョロン地区というのは、私たちのホテル

があるホーチミン市の中心部からは車で

30分くらいのところにある中国人街で、

映画「ラマン」の舞台にもなっている。


チョロンに行くのにはバスを使うことにした。

ホテルのすぐ近くの停留所で複雑な路線

図とにらめっこをしていると、背後から

バイクタクシーのお兄さんに声をかけられる。


「どこにいくのー?」

「バイク乗らない?安いよー。」


ホーチミンではバイクタクシーやシクロの

運転手さんがみんな日本語で客引きを

してくる。しかも、結構しつこく。

ガイドブックには料金トラブルが後を絶たない

と書いてあったので、私たちはなんとなく

バイタク、シクロを避けて移動するようにして

いた。


その時も、声をかけてきたバイタクのお兄さんに

対して、私たちは内心で“また来た”と思っていた。

そこで、


「いい、私たちは乗らない。」

「バスで行くから大丈夫」


と答えはしたものの、ヴェトナム語で書かれた

複雑な路線図はやっぱりよく分からない。

そうこうしているうちに、向こうからバスが一台

やってきた。


「どうする?」

「乗ってみる?でもこのバス、チョロンまで行くかな?」


友達と相談していると、バイタクのお兄さんが

私たちの会話から行き先を察したようで、


「このバス、チョロンには行かないよ」


と教えてくれる。


それでも疑い深い私たちは、お兄さんが私たちを

バイタクに乗せるためにわざとチョロンに行かない

といってくるのかと思い、バスのドアが開いた時に

運転手さんに


「チョロン?」


と聞いて、


「ノー!」


と言われてしまう。どうやら本当に、チョロンには

行かないらしい。


そしてその次に2台続けてバスを見てお兄さんは、


「次のはチョロン行かない。その次がチョロン」


と教えてくれる。今度こそ私たちも彼の言葉を

信じて、3台目のバスに乗った。そして、そのバス

で私たちは、無事にチョロンに着くことができた。


バスに乗って、チケットを買って、座席に座って。

私たちは初めて、あのお兄さんに「ありがとう」

というのを忘れてしまっていたことに気付いた。



今やっている仕事がなかなか面倒なの

ですよ。


要は資料作りなんだけど、紙→パソコン

の打ち込み作業が果てしなく続いている。


長時間同じ姿勢でいるせいか、肩から

首にかけての凝りがひどい。目の疲れ

からくる頭痛もツライ。


これから打ち込まなきゃいけない書類の

山を眺めながら、夏休みの宿題が終わら

ない時の焦りを思い出した。


そういう時に限って、職場の人間関係が

うまくいかず、いらいらいらいらいらいら。


そういうの、なるべく表に出したくないなぁとは

思いつつも、出ちゃってるんだろうなー。

席を立って洗面所の鏡で自分の顔を見たら

眉間の辺りがすごくこわばっていて、慌てて

復元した。


早くこの仕事、終わらせたいなぁ。



3日目の朝。

今日の朝ごはんは、ホテルのレスト

ランではなく街のパン屋さんへ。

ヴェトナム独特の、バインミーという

フランスパンのサンドイッチにチャレン

ジするため。


ニューランという名前のそのお店は、

パン以外にもケーキ、お惣菜など

色々なものが店頭に並び、パン屋

さんというよりは食料品屋さんといった

雰囲気。


出てきたバインミーは、想像を超えた

おいしさで大感激!


フランスパンといっても表面がそんなに

堅いわけではなく、少し大きめのホット

ドックパンみたい。

その間に、レバーペースト、ハム、レタス、

キュウリ、唐辛子、大根の酢漬け等の具

が挟んであって、私はあまり気付かなか

ったけどニョクマムが振りかけてある。

らしい。


もうそれは、アジアとヨーロッパの味の

完璧なハーモニー♪

パンに唐辛子?

パンに酢漬けの野菜?

パンに醤油?

一瞬でもそんな疑問を持った自分を、

深く深く恥じた。

ヴェトナムの懐の深さを垣間見たような

気がした。


そんな大満足のバインミー、10,000ドンなり。

日本円にして、80円弱でこんなにおいしい

ものが食べられるなんて…!

ヴェトナム、恐るべし。