最後から2日目の朝、いつもより早い時間

に目が覚めた。でも、何かがおかしい。

爽やかな朝という気が全然しない。

胃の辺りに違和感を感じる。


これは、この嫌な感じはもしかして、


こっちに来る前に見たガイドブックに書いて

あった、

ヴェトナム情報を仕入れたホームページ

にも何度も話題が登場していた、

入国直後に現地のガイドさんに注意された、


あれだ。…つまり、食あたり。


念のため日本から持参していた薬を飲んだ

けれど効いたという実感は感じられず、身体

も重くだるい。


この日はホーチミン市の動物園に行くのを

友達が楽しみにしていたので何とか準備を

して出かけたけれど、本当だったら気分が

晴れ晴れするような動物園日和の中、歩いて

いてもおなかがしくしく痛んできて自然と体勢

が前屈みになってしまう。

上を向いて歩けない。空が見られない。


申し訳ないけれど友達とは別行動にして彼女

には1人で周ってもらい、動物園のベンチで

うずくまるように座って待っていた。

それにしても外国で体調が悪くなるということ

は、なんて心細いんだろう。


タクシーでホテルに戻り、本格的にベッドに

横になった。友達には引き続き1人で行動

してもらい、午後中、寝続ける。

彼女が海外旅行のツワモノで、単独行動を

楽しんでくれるタイプの人だったのは不幸中

の幸いだった。私のせいで実質最終日の午

後を駄目にしてしまったら悲しいもの。


午後4時ごろ、ついに決断した。


もうだめだ、お医者さんに行く!


現地ガイドさんから

「なにかあったら連絡してください」

と渡されていた緊急連絡先の電話番号に電

話して状況を告げると、すぐ行くのでホテルの

ロビーで待機しているようにと指示された。


駆けつけてくれたガイドさんが案内してくれた

のは、“SOSインターナショナル”という、まさに

その時の私にぴったりのネーミングの病院

で、看板を見ただけで妙に安心した。


受付のところで問診表を渡されて記入した後、

しばらくすると名前を呼ばれて診察が始まった。

普段は常駐している日本人のお医者さんは

夏期休暇中ということで、ヴェトナム人のお医者

さんにたどたどしい英語で会話しながら診て

もらった。


抗生物質、整腸剤、痛み止め、解熱剤(熱も38℃

あったので。)を出してもらって病院を後にした。

抗生物質を飲んだらそれまでの苦痛は嘘のように

するするっと消えていって、こんなことなら午前中

のうちに病院に行っておくんだったと、心の底から

後悔した。


ホテルに戻ると夕方6時頃。夕方にはなってしまっ

たけれど、まだ一日が終わったわけではない!

「安静にしているように」

と念を押していたお医者さんに心の中でゴメンナサイ

を言って、夕暮れのドンコイ通りに飛び出した。