学資保険
子供の教育資金の準備にどんなことをしていますか?
「学資保険」
とお答えになる方はかなりの数に上ると思います。
一昔前は、とりあえず子供が生まれたら貯金のつもりで入るという方の選択として「簡保」あたりがかなりポピュラーだったと思います。
現在は「長期平準定期保険」や「低解約返戻金型終身保険」の短期払いを利用するケースが増えてきました。
払込期間は各社各商品によってまちまちですが、大体15年~というのが多いです。
私もこのパターンの10年払込や15年払込をおススメすることがあります。
特に多少のゆとりがあるなら、月額保険料が少し高くても10年払込というパターンは良いと思ってます。
なぜなら、小学校高学年からは習い事や塾などで学校外教育費が増えていきます。
子供がやりたいという事は出来るだけやらせてあげたいのが親心。
ならばその前にある程度準備が出来ていた方が、後々家計的にも楽になったりすると思うのですがいかがでしょうか?
このパターンで貯蓄をするメリットを考えると
払込満了後の解約返戻金が払込保険料を上回る事。
高校(中学)進学時には払込が終了しているので、教育費の負担が増えていくところで保険料負担が発生しない事。
さらに銀行の利息と違い、一時所得扱いなのでほとんどのケースで増えた受取金に対して税金がかからない事があります。(銀行預金は利子所得になり源泉分離課税が適用)
ではデメリットと言えば?
払込期間中の中途解約は元本を大きく割ってしまう事。
銀行預金と違い自由に出し入れが出来ない事。
インフレが起こった場合に対応出来ない事。
しかしそもそもの目的からすれば、よほどの事がない限り目的の為に最後まで続けるケースが多いので、無理な設定さえしなければ十分に有効な準備方法であると思います。
インフレに関しても、お金の価値が変わっても払込以下になる事は無いので、後から対応する方法は考えられますので必要以上に心配する必要は無いと思います。
もちろんいつでも流動的に使えるお金もしっかりと準備しておくことは大事ですが。
今日のひとり言
「家計の貯蓄残高が3年連続で減少」という記事を読みました。
昨今の景気動向や経済環境を考えると貯蓄に回すお金が減るのも止むを得ないとは思います。
しかし将来を心配しながらも「貯蓄が下手で思うように貯まらない」という相談もあったりするのですが・・・
家計診断をするとその様なケースでは意外に
「使途不明金」
があったりするんですよね。
言葉を変えれば「無駄遣い」なのですが、さらに
収入-支出=貯蓄
となっていたりするので、思うように貯金が出来ないという典型的なパターンだったりします。
もともと貯蓄体質では無いというパターンですね。
家計管理であまりにキッチリし過ぎても日々の生活の中でストレスが増えたりしますので、適度な無駄遣いは生活に潤いを与えるという意味では「不要」と切り捨てることは出来ません。
しかしその一部を将来の為の準備として頑張って貯蓄する必要はあります。
なので、このようなケースでは「無駄遣いを止めましょう」というのでは無く、まず
収入-貯蓄=支出
のパターンに改善しましょうという提案をいたします。
貯蓄に回す金額は最初はあまり無理の無い範囲に決めておくことが大事ですが、貯蓄を差し引いた手元のお金は残すことを考えずに使えますから、使う時のストレス(いくらまでなら使えるかという心配)は無くなり気持ちにも「ゆとり」が持てます。
もし期間を定めて「何時までにいくら貯めておかなければならない」という状況であれば、必要額から毎月の貯蓄額を逆算して貯めていくことになります。
この場合は「ゆとり」などと言ってられない場合が多いので、「目標達成のために頑張りましょう」と節約も考えなければならない事もありますが、「目的」と「期間」がハッキリしている分キチンと貯蓄体質に変わっていくことの方が多いです。
しかしお金は使う為にあるので、限られた中でも生活を楽しめる様な環境を実現できるようにアドバイスしたいところですね。
今日のひとり言
住宅購入の相談で
「頭金はいくら用意した方が良いのか」と言うのを良く見かけます。
よく見かけるFPの回答に「2割は用意しましょう」などとありますが、何故2割なのかお分かりになりますか?
実は頭金2割には何の根拠もありません。
その昔(まだ銀行金利が6%台の頃です)利用が多かった住宅金融公庫の借り入れが「物件購入価格の8割まで」というのに由来しているだけです。
ちなみに現在はフラット35などの公庫のローンも物件価格100%融資が受けられます。
つまりその様な回答をするFPは未だに以前の住宅ローンの考え方を引きずってるんですね。
これから住宅購入を考えている方で、賃貸にお住まいという条件であれば
「頭金を貯めるよりすぐに購入する」
という選択肢もあります。その間の家賃も返済に充てられるというメリットもありますし。
住宅購入価格に際して予算といえば「土地と建物で4000万円」といった具合に「住宅費=物件価格」と考えがちですが、本来は「頭金+借入元金+利息」です。
そして仮に頭金を貯めるための期間が5年あるとすればその間の家賃も負担しなければなりません。
ちなみに金利が上がると言われて久しいですが、現実には変動金利は5月から0.4%下がっています。
返済中に上がったら・・・という心配も分からなくは無いですが、いきなり倍になるような急上昇は考えにくいですし、利息の計算は「その時点の借入残高×金利」ですから、現在の低金利を活かす事が出来れば金利上昇もさほどリスクにはなり得ないと思います。
現在のフラット35の金利は3.2%前後ですが、変動金利2.475%で店頭金利優遇が1.2%つけば実際は1.275%で借り入れが出来ます。
将来金利は上がるかもしれませんが、元金は確実に減少していきます(増えることはありえません)
3年後に変動金利で3.2%を超えたら損と考える方が多いと思いますが、それまでに元金が多く返済できているのはどちらでしょうか?
金利が上がったらその時点で固定に替えても元金が少なくなった分その後の返済は楽だったりするんです。
金利の影響が強い借入当初に低金利を活かしてその後の金利上昇の影響を小さくするというのも一つの考え方です。頭金が貯まるまでに金利が上がってしまったら却って住宅購入のハードルが上がってしまったなんてことも考えられますので、即購入行動を起こすのも賢い選択のうちに入ると思いますよ。