保険相談
最近の相談に増えてきたのが『保険料の支払いがキツイ』というケース。
お給料が下がったり、他の支出が増えたりと家計が厳しいというケースが増えてきましたね。
家計の節約で最初に考えるのが『固定費の削減』です。
とは言え家賃や住宅ローンなどの住居費、子供の学費など削りたくても削れないものが多く、必然的に保険の見直しとなります。
このような機会をきっかけに保険そのものを見直すというのもモチロンありですが、支払いを減らすのは何も新しい保険契約に変更するばかりが方法ではありません。
まず保険料を減らす方法。
○保険金(給付金)の減額。
保険金や給付金を減額(実質的には部分解約)をして保険料を減らす。
契約内容によっては減額分に相当する解約返戻金が支払われます。
○払済保険に変更する
『払済保険』にすると、その時点の解約返戻金を原資とした一時払保険に変更する事になるので、保険金額は下がりますが保障期間は変わりません。また、以降の保険料の負担もなくなります。
○延長保険に変更
終身保険などの契約を『延長保険』に変更(結構レアケースとなりますが)するとその時点の解約返戻金を原資とした『定期保険』に変更できます。この場合は保障金額は変わりませんが、保険期間は短くなります。
期間短縮が起こるのに『延長』と言うちょっと不思議な呼び名ですが、このような方法もあります。
また、解約返戻金が余る場合はその分返金されます。
○保険料自動振替貸付の利用
保険契約によりますが、「保険料自動振替貸付」を利用する事も出来ます。これは解約返戻金を月々の保険料に充当する方法です。しかしあくまで貸付なので貸付利息は発生しますし、貸付金額が解約返戻金を超えると保険契約は消滅してしまいますので注意は必要です。
一時的な資金に困っている場合
○契約者貸付
加入している保険契約を担保に「利用する時点の解約返戻金」の8~9割までの金額を貸付として受け取る方法です。一般の貸付やローンと違い、返済の催促は無く、返したい時に返したい分だけ返すか、もしくは解約返戻金や保険金と相殺することで精算することができます。
金利自体はさほど高くありませんが、これも複利計算になるのと貸付元利合計が解約返戻金を超えると保険が消滅しますのでやはり注意が必要です。
ちょっと危険な裏技
○失効させてしまう
保険料の払込猶予期間を過ぎると「自動振替」によって継続がなされますが、あえて自動振替をしないように申し出てわざと一旦失効させてしまい、後に復活させると言う方法です。
復活は所定の復活申請書を提出し、告知または診査を受け、失効期間中の保険料をと利息を一括で納める事で可能です。この方法であれば当初の保険料から増える事はありませんので、新たな契約をするよりも有利な面があります。また復活同時減額などの方法もありますので、保険料を下げる事も可能です。
ただし、失効期間中に健康状態を損ねてしまうような事があるとこの方法は使えませんからかなりのリスクは伴います。
最後の方法はおススメできるものではありませんが、知っているのと知らないのでは選択の幅に差が出ますので、あえて書いてみました。
いずれにしろ現状をキチンと確認し、より良い方法を選択して欲しいと思います。
生命保険と税金
前回税金の事に触れたので、もう少し税金のお話で。
保険はお金を支払う時も受け取るときも『税金』とは密接な関わりがあります。
普段は全く意識するコトは無いのですが。
保険料支払いの場合、個人・法人で違いがあるのですがとりあえずここは個人のお話で。
サラリーマンの方なら年末調整、確定申告をしている方も申告で『保険料控除』の申請をしているので、これは皆さんご存知ですよね。
生命保険・個人年金・損害保険。いずれも保険料控除の対象となります。
納税者に対し、負担した保険料に応じて税負担を少し軽減しましょうということです。
中には保険料控除を受けられるからと個人年金にも加入したいという方がいらっしゃいますが、それでは本末転倒です。そんな理由で保険加入するのはナンセンスなので、あえて必要でないのであれば加入しない方が良いとお話してます。
では受け取り時。
契約者が保険会社から受け取るお金には『保険金』と『給付金』に分けることが出来ます。
言葉が違うという事は当然税務上でも取り扱いが異なるということなので覚えておくと良いと思います。
まず保険金。
これは『死亡保険金』と『満期保険金』に分かれます。
また『保険料を誰が負担したのか?誰が保険金を受け取ったのか?』で課税関係が異なります。
まず『死亡保険金』
○契約者がA 被保険者もA 受取人がB(相続人)の場合・・・相続税(保険金非課税枠有)
○同じく契約者A 被保険者A 受取人が相続人以外の場合・・・相続税(保険金非課税枠無)
保険金非課税枠とは{相続人×500万円}を課税対象金額から控除できる仕組みです。
3000万円の保険金を受け取り、相続人が3人いる場合は{3000万円-(500万円×3)}で1500万円がみなし相続財産として計算されます。みなし相続財産についてはまた別の機会にお話しますね。
ちなみに相続人以外と言っても受取人指定が出来るのは原則親族に限られます。今は第三者受け取りは基本的になかなか認められない事も覚えておいて下さいね。(モラルリスクの観点からです)
○契約者A 被保険者B 受取人Aの場合・・・所得税(一時所得)
○契約者A 被保険者B 受取人がCの場合・・・贈与税
『満期保険金』
○契約者A 受取人Aの場合・・・所得税(一時所得)
○契約者A 受取人B・CなどA以外の場合・・・贈与税
次に『給付金』
給付金とは被保険者本人もしくは生計を一にする親族が受け取るもので、原則非課税となります。
給付金の種類は『入院給付金』『手術給付金』『障害給付金』などが有ります。
また、「高度障害保険金」や「リビングニーズ」で本人が受け取った保険金(生前給付と言います)や特定疾病保障保険金も同様の扱いです。
個人年金
○契約者A 受取人Aの場合・・・所得税
○契約者A 被保険者B 受取人Bの場合・・・贈与税
となります。
所得税がかかる場合は雑所得として課税されます。
また、既に年金受給が開始されている場合で年金受給権を相続する場合は年金の残存期間に応じて課税評価が変わります。これを活用した相続対策などもあります。
また、最近多く見られる死亡保険金を年金で受け取る『所得保障保険』も雑所得として所得税対象となります。
今日は思わず長くなってしまったのでこの辺で。
解約返戻金を受け取った場合の税金の取り扱い
以前書いた『学資保険 』で低解約返戻金型終身保険や長期平準定期保険の短期払いを活用した貯蓄方法をご紹介しましたが、いざ解約して返戻金を受け取ったらどうなるのか?
ちょうどお客様からも同様の問い合わせを頂いたばかりなので、もう少し詳しく説明します。
前回は『解約返戻金は一時所得』としか触れてなかったですね。これでは不十分でした。
○一時所得
一時所得とは、一時的な性質の所得で対価性のないもので、
・懸賞の賞金品、福引の当選金品
・競馬や競輪、競艇などギャンブルの払戻金
・生命保険契約に基づく一定の一時金や損害保険契約に基づく満期返戻金など
・法人からの贈与により取得する金品
・借家人が立退きに際して受け取る立退き料
・売買契約の解除により契約者が受け取る手付金・償還金
・遺失物取得者が受け取る報労金
などがあります。
一時所得の計算式は
総収入額-その収入を得る為に支出した金額-特別控除(最高50万円)=一時所得
として求めます。
また一時所得は総合課税となり、算出した金額の1/2が課税対象となります。
例えば、解約返戻金が200万円、払込保険料総額が160万円であれば
2,000,000(返戻金)-1,600,000(払込保険料)-500,000(特別控除)=【-100,000】となり課税対象所得とはならなくなります。
もし同様で返戻金が260万円の場合は
2,600,000-1,600,000-500,000=500,000 これが所得となり、さらに1/2の250,000が課税対象として総合課税に合算されるわけです。
(ちなみに課税所得が20万円以下の場合は申告不要です)
保険を使って貯める場合の多くはこの一時所得となりますが、そうではないものもあるので注意が必要です。
例えば最近生保各社とも取り扱いを止めだした『一時払変額個人年金』
5年以内に解約し、差益が発生している場合(現状ではあまり考えられませんが)
20%の源泉分離課税が適用されます。もちろん5年超になれば一時所得となります。
これは一時払養老保険でも同じですね。5年満期などの短期の扱いは金融類似商品となり、このようになります。
ちょっと豆知識的に覚えておくと良いでしょう。
