After15-20 years -10ページ目

ものたりない日曜日

あなたと逢わない週末は、
 何か物足りないけれど、
メールも送り合っているし、
 電話でも話をしているから、
いつも通りと言えば、いつも通りだね。


あなたは、
 家のことをしなくてはいけないだろうし、
僕も、
 普段手の回らない家の片付けをしないとけないものね。


仕事は一段落したのかな?
 自分のこと、卑下するのはダメだよ!
 「能力がないから・・・」
 「私、バカだから・・・」
 「こういう事に慣れていないから・・・」
そんなこと、ないってば!
 あなたは、十分に力がある人。
今、仕事がうまくいかないのは、
 あなたが、疲れている証拠。
周りからのサポート環境が、
 いまだに確立していないだけ。


僕の真似はダメだよ。
 せっぱ詰まって、
 睡眠時間を削っているだけだから・・・
あなたは、十分に身体を休めなきゃ、ねっ?


来週も、逢えそうにないね。
再来週に、

 また海を見に行かないかい?

内線電話

今週は、
毎日のように、
 内線をかけてきたね。
せっぱ詰まった、
 早口の口調で。


資料が散乱したあなたの机や、
 判断力も低下して困っている表情が、
 とっさに思い浮かんだよ。


困ったときには、
 いつでも電話をするのだよ。
分からないときには、
 いつでも僕を思い出すんだよ。
分かることはすぐに教えるし、
 そうでなければ、調べて教えるからね。


あなたの声を聞けることも嬉しいけれど、
それ以上に、
 頼ってくれることのほうが嬉しいから。

出逢いの必然

僕たちの間に起こった、
 全てのことは偶然。


大学での専門が、
 同じであったことも、
この業界を選び、
 数ある中からこの会社に就職したことも、
あの車に興味を持ち、
 発売と同時に買った事も、  
異業種を選んだ学生時代の恋人を、
 配偶者にしたことも、
何よりも
 あの年のあの時に海外出張したことも、
今までの全ては偶然。


でも、
この世に偶然はあり得ないから、
 全ては起こるべくして起こっているはずだから、
出逢いの必然の意義を、
 時間をかけて解き明かしていきたいのです。


お互いの生活を脅かす存在として、
 一度フタをした恋愛感情を再燃させるために、
 出逢ったわけではないでしょ?
寂しさや心の隙間を埋める一時的な存在として、
 出逢ったわけではないでしょ?


だから、
ゆっくりと時間をかけて、
 お互いを理解していきたいのです。
焦らないで、
 信頼、友情、恋愛感情といった
 心の中で渦巻く多くの気持ちを、
 より強く深くしていきたいのです。


あなたが言うように、
 今の二人の距離間を保ち続けるためにも。
 今後の人生の方向性を間違わないためにも。

左手の記憶

今でも左手には、
 彼女の手の感触が残っている。
いつも繋いでくれる彼女の右手。
 ずーっと繋ぎ続けているかのように。


「この手を持って帰りたい」
「何、バカなこと言っているの!」
 いつも何度も繰り返すやり取り。
彼女の手の温もりは、
 僕を優しく癒し続ける。
 僕の心の醜さを全て取り去っていく。


あとどれぐらいの時間、
 残っているのだろうか。
 少しずつ残照のように消えていくのだろうけれど。
消えたら、
 また再び繋いでもらおう。

そうやって、
 やがて彼女は

 僕の身体の一部に、なっていくのかな?

連休最終日

「あのお蕎麦が食べたいなぁ。」
 携帯へのメール。
午前中に仕事を終わらせ、
 いつものソバ屋へ。

それほど混んでいなく、
 やや遅い昼食を、ゆっくりと取る。
「この味付けはどう?」
「これは美味しいねぇ!」
「これに似た味付けはできそう・・・」
一口一口、
 味や食感を確かめ、
 それぞれの感想を言いながら・・・


それから、
 季節はずれの海岸へ行く。
いつもと同じ場所に車を駐め、
 車の中で手を繋ぎながら、
 波の音を聞きながらウトウトする。
僕がグイグイっと強く握ると、
 強く握りかえしてくれる。
「好き!」
「私も!」
と言っているように。


彼女の寝息を、
 ずーっと聞いていた。
 ほのかのに薫る香水。

「ホテルに行って、
 悶々としたり、
 あなたが理性と戦う事を考えると、
 こうして手を繋いで寝るのが好き!」
寝起きに、彼女が呟く。


今回の連休も、
 仕事で終わってしまったけれど、
彼女と過ごすことはできた。

また一歩、
 近づいた心。

そして深まった絆。

プチ旅行

手をしっかりと繋いで、
 都市間バスの後部席に寄り添って、
 海辺の街へ行く。
僕の肩に頭をのせて、
 窓から夜景を見ている彼女。


十数年ぶりに訪れた居酒屋は、
 昔のままのたたずまいとメニュー。
相変わらず威勢のいいかけ声が、
 二人を迎えてくれた。


それから、
 海辺の公園で、
 彼女が僕にもたれ掛かりながら、
 時間を過ごす。
そんな彼女の背中を、
 優しく抱きしめながら、
 甘美な時間を過ごす。


「一生、大事にしたいから、
 この後何年も何十年もこの関係でいたいから、
 したくてしたくて堪らないけれど、エッチはしない。
 あなたが誘っても、きっと、しない。
 今のままでは、情が絡んでドロドロになるのが見えているから。
 そうなると、あなたを苦しめるから。」
彼女の温もりと、
 香水の甘いにおいを感じながら、
 言った言葉。
強がりすぎたかな?
 でも、今の僕の本心。


帰りのバス。
 乗客は僕たちだけ。
僕のハーフコートで隠すようにして、
 身をゆだねるように僕の胸に顔を付けて眠る彼女。
ギューッと抱きしめながら、
 バスに揺られていた。


知り合いもいない離れた街でのデート。
今までは相手を気遣って言えなかったことも、
 ストレートに言い合えた夜。

突然のショートデート

「夜にCoffeeを飲みに行きたいなぁ」
メールに誘われてのショートデート。
夜に少しだけ、時間を作れたから。


お風呂上がりの彼女のポカポカした手を握りながら、
 雨の中、車を走らせて行く、
 いつもの喫茶店。
いつも座る窓際の席で、
 ここ数週間の仕事のことや
 たわいもない話を聞く。


『化粧をしていないと言うけれど、
 普段と全然変わらないね。
 あなたはいつ見ても美しいね・・・』
彼女の話を聞きながら、
 そんなことを思っていると、
どんどん身体の力が抜けてくる。
 目がトロ~ンとしてくるのが分かる。
眠りに落ちる前の、
 フワフワした気分。


店を出て、
 また手を繋ぎながらの運転。
ここ数週間、
 十分に寝ていない僕を気遣って、
右手で手を繋いでくれたまま、
 左手で、掌を揉んでくれるのが、
とても、心地よかった・・・


寝る前の「おやすみなさい」MailとCall
今日の一日の終わりにも、
彼女をたくさん感じることができた・・・。
幸せな一日の終わり方。

はなごえ

午前中は気にならなかったけれど、
 ひどい鼻声になったね。
風邪を引いたんだね。
 あなたも仕事が重なっていたものね。

思い返せば、
 ここ数日の僕たちの話題は、
お互いが抱えている仕事の話題ばかりだものね。


今晩も、
 また励ましてくれて、ありがとう。
あなたからの仕事の評価は、
 とても嬉しい。
あなたが、
 リップサービスを言わないのを知っているから。
 冷静に物事を判断できる人だから。


明日一日、
 しっかり養生するのだよ。
家のことは、
 少し手を抜いたり、お休みをして、
 身体を休めるんだよ。


体調を崩す前に・・・。 

頑張れる理由

あなたが心配してくれるように、
 ここ数週間、
 毎日の睡眠時間は4~3時間。


いくつもの仕事が、
 交差してきているから。
毎日のように
 期日に追われているから。


仕事だもの、
 無理をしてでも、
 納得のできることを、
 今の自分ができる限りのことを、
 きちんとした質の高い事を
 していかないといけないでしょ?


それに、
 いつかはあなたの目に触れるだろう、
 僕の行った仕事が、
 あまりにも質が低かったら恥ずかしいでしょ?


大丈夫だよ!
 毎晩、励ましてくれるあなたがいるから。
どさくさ紛れに伝えた気持ちを、
 温かく受け止めながらも、
 上手にかわしてくれるあなたがいるから。


あなたの存在が、
 僕を頑張らせる。
ピリピリせずに、
 穏やかな気持ちで過ごすことができる。


今週末のデートで、
 仕事のことを忘れて、
 心からリラックスするためにも・・・

やれることを、

 しっかりやっておかなくっちゃ。


ねっ、そうでしょ?

深夜の電話

仕事のことで電話を入れるなんて、
 久しぶりだね。
ゴメンね、夜遅くにね。


今回は、苦しんでいたんだ。
いつものように、
 事前に必要な資料を頭に入れてはいたけれど、
 全然、頭の中でアイディアが醗酵してこないのだもの・・・


お風呂上がりで、
 せっかくのリラックス気分なのに、
 つきあってくれてありがとう。
週明けで疲れて眠いのに、
 遅くまで、
 つきあってくれてありがとう。


何よりも、
 たくさん声を聞けたのが嬉しかった。


おやすみなさい。
 お布団をちゃんと掛けて、
 グッスリ寝るんだよ。

このお返しは、必ずするからね。