目指せ!森林インストラクター。 -25ページ目

目指せ!森林インストラクター。

日本の山を元気にしたい!
そんな思いから、森の案内人「森林インストラクター」の資格を取りました。

自然は私達に、たくさんのメッセージを投げかけています。
その声は、あまりにも小さく儚いものです。

そんな「森の囁き」を、お伝えします。

先日は、高尾山での内部研修でした。



今が旬のセッコクを訪ねるハイキングです。





登山鉄道を右に見ながら、6号路を辿ります。



沢沿いの道は爽やかな風に包まれ、初夏の木漏れ日の中を歩いていきます。





サザンが9のイヌショウマをはじめ、重鋸歯の葉が特徴的なフサザクラ、ガクウツギの装飾花等を観察しました。



サイハイランやクワガタソウの実といった変わり者も元気でした。



サイハイランは、戦のときに武将が振るった采配から取られた名前です。



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マルバウツギは、花の付く枝だけは葉が茎を抱きます。



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スミレの蕾に目が留まり、説明を受けました。



これは、一度咲いたものが再び花を閉じたものです。



ナゼでしょうか。



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花を閉じたのは、開花時に受粉できなかったため。



花弁を畳む事でおしべ・めしべが触れ、自家受粉を果たすのです。



他花受粉が基本ですが、子孫を残すための保険として閉じる閉鎖花と呼ばれるもの。



自然の不思議には、いつも感心してしまいます。





対岸には、ジャケツイバラが花を咲かせ、マタタビも開花を知らせるおしろいをまとっていました。



今は地味ながらイワタバコも見られ、花が楽しみです。





ユキノシタの可憐な花も綺麗でした。



ちょこっとさした紅が、なんとも魅力的です。



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ヤブデマリの一枚小さい五弁花、ミズの不対称な葉なども観察できました。





セッコクは今が盛り。僅かにピンクがかったものもあり、群生に花を添えていました。



スギに着生し、空気中の水分を吸収しながら光合成で成長する間借り人です。



光を求めての事でしょうが、不思議な生き方を選んだものです。





沢をまたいで高度を上げるにつれ、モミが目立つ森林帯に入ります。



僅かな違いですが、高尾の植生の豊かさを物語るものです。





山頂で昼食後、1号路に進路を取り参加者全員でゴミ拾いをしながら下山しました。



打ち上げはいつもの蕎麦屋。





午後からの雨が心配されましたが、天気にも恵まれて、ついビールも進んでしまいますね















応援よろしくお願いします!! 

6月に入りました。



いよいよ森林インストラクター試験の申し込みが始まります。



去年の今頃、勉強のさなかどうしようか迷いつつも思い切って申し込んだのを思い出します。



この一歩が、今の私につながるものなのは言うまでもありません。たいした者ではありませんが



一次試験合格通知の感激は、今でもはっきりと覚えています。







樹木は、外へ外へと年輪を重ねる事で成長していきます。



同時に、傷は内へ内へと巻き込みながら、歳月を経ていくのです。



そんな経験の積み重ねが、あの見るものをやさしく包み込むような大樹の風格を生んでいる。







人を、自然を愛する。



つまり、そんな感じなのでしょうか。











老木には、よくウロが開いているのを見かけます。



ぽっかりと開いた口は、小動物のよいねぐらです。



考えてみれば、あれだけの穴が開きながら生えていられるのは不思議なものです。



この謎は、樹木の生長が理由を説明してくれます。







樹木を構成する組織のうち、実際の生命活動を行っているのはごく一部です。



それは、樹皮のすぐ内側に存在する、形成層とよばれる組織です。







この形成層が分裂しながら、外側に樹皮・内側に木質細胞を形成していきます。



高さ方向は、頂部にある成長点が上へと伸びていきます。



ですので、相合傘の落書きは、樹皮の落脱がなければずっと同じ高さにあるのです。







この形成層付近の細胞は生きていますが、年輪を重ねるうちに細胞としては死んでしまいます。



その後もしばらくは養分の貯蔵・通導の役割を果たし、この部分を辺材と言います。



さらにしばらくたつと、養分の通導もやめ、樹体を支える為の組織へと変わっていきます。



これが心材です。



心材になるとき、導管等の穴がふさがれ、色の付いた組織になります。



これは虫害や腐食を防ぐための物質が沈着するからで、「心材化」と呼ばれる変化です。







ですので、外部や湿潤な環境では心材を用いる必要があります。



さらに、一般的には、色の濃い材種のほうが腐食や虫害に強いようです。







心材・辺材がわかったところで、年輪について見てみましょう。



年輪は、日本のような四季のはっきりした気候により、樹木の成長量に差が出る事で生じます。



春から初夏にかけての成長旺盛な時期は、色が薄く巾の広い早材(春材)が育ちます。



対して、夏を過ぎ秋にかけて成長が遅くなる時期には、色が濃く巾の狭い晩材(夏材)が形成されます。



この縞の濃淡が一対となり、年輪を形成しているのです。







心材・辺材と早材・晩材は違うことを指しますので、注意が必要です。







針葉樹と広葉樹の違いは導管でした。



広葉樹は材種により、導管と年輪の配列に違いがあり、材面の印象に大きな違いを与えます。



年輪に沿って導管が並ぶものを環孔材と呼びます。ケヤキ(写真1)やナラ等が代表です。



導管により木目がくっきりと浮かび、おおらかな印象が強い材料です。























写真1



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導管が年輪とは関係なく散在するものを、散孔材と呼びます。ブナ(写真2)やカエデ等です。



全体に均質で緻密な材料が多く錦糸光沢を持ち、肌触りも滑らかです。











写真2



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導管が放射方向に並ぶものを、放射孔材と呼びます。ブナ科のカシ類などです。



環孔材と散孔材の中間を取ったような印象です。







よく年輪巾が狭い木材は重厚であると言われますが、実は広葉樹には必ずしもあてはまりません。



環孔材の年輪巾が狭かったら、どうなるでしょうか?







ご想像のとおり穴だらけのスカスカな材料になり、よく「糠目材」と呼んだりします。



もちろん加工はしやすいのですが、体力部材にはちょっと使いたくありませんね。







このように、木材を正しく理解する事は、木を使う上で重要な意味を持つのです。















応援よろしくお願いします!! 















































































おはようございます。



卓球の世界選手権大会団体で、日本勢のメダルが確定しましたね。



かつては卓球をやっていた時期もあるので、何か嬉しいニュースです。



選手たちの素晴らしいプレーを支えるラケットも、単純な合板からカーボン素材へと進化を遂げています。結局のところは、個々人の好みにはなると思うのですが…



使用される素材は詳しく見ないと分かりませんが、ヒノキを代表とする針葉樹や、手触りの良いビーチ(ブナ)などが多いようです。



針葉樹・広葉樹は、立木の状態なら一目瞭然でしょう。



これが板に加工されたとき、どう違うのかご存知でしょうか?





針葉樹・広葉樹の一番の違いは、導管の有無です。



広葉樹には導管があり、針葉樹にはありません(?)。



でも、針葉樹も生育してますよね。



木材を構成する組織には、導管・仮導管・柔細胞・樹脂道・真生木繊維があります。



それぞれの簡単な説明です。



導管・・・水分の通導



仮導管・・・水分の通洞と樹体を支える構造体



真生木繊維・・・樹体を支える構造体



柔細胞・・・養分の通導・貯蔵。方向により、軸方向柔細胞・放射柔細胞(放射組織)。



樹脂道・・・樹脂分の通導





このうち、針葉樹はそのほとんどが仮導管により構成されます。



広葉樹では、進化の過程で導管と真生木繊維に分化したと考えられています。





このように、針葉樹は組織が単純であるのに対し、広葉樹は複雑です。



ですので、針葉樹は比較的通直な木理(組織の配列)ですが、広葉樹ではそうはいきません。



割り箸を想像してみてください。



すんなりと真っ直ぐ割れるのが針葉樹、途中で曲がったり上手く割れないのが広葉樹といったところでしょうか。





人はこのことを経験から知っていて、古代の建築遺跡の多くは、割裂性の良い針葉樹が使われています。



刃物の無い時代、真っ直ぐに割れる針葉樹はクサビでの加工に向いていたのでしょうね。





組織の分化によって、広葉樹は強度を手に入れました。



針葉樹を軟材、広葉樹を硬材と呼んだりするのはこのためです。





今回は組織の違いを見てきました。



まだまだ奥深いので、もう少し木材ネタを続けてみようと思います。



応援よろしくお願いします!! 

最近、急に暑くなりました。ちょっとしんどいですね。



まだ体が暑さになれていないうえ、朝夕の気温差もあります。





考えてみれば、ここ数百年は同じような気象条件だったのでしょうが、人間だけちょこっとわがままになって、空調の利便性に頼りすぎているような気もします。





四季の移ろいに身を委ねる、そんな感性も持っていたいものです。





日本の家は、夏を旨とせよ。



木質・漆喰で引き戸によって間を仕切る建築様式は、まさに夏を主にしたものです。



自然素材をふんだんに使った調湿作用に優れた室内。



緩い部屋の区切りは連続性を持ち、涼風が吹き抜けるのに適しています。





中でも、構造材にしながら特有の空間美を演出する木材には、何か安心感を与えられます。



建築基準法の改正にみられるように、今建築の分野でも木材が見直されています。





木材の特徴として、強度・調湿性・音響性・断熱性・視覚性・吸着能・肌触り等に優れている点が挙げられます。





これらの性能を生み出しているのは、木材の多腔質な構造です。



つまり、スポンジ状に組織が集まって、木材はできているのです。





広葉樹・針葉樹で組織の構成は違いますが、大まかな役割として二つあります。



それは、樹体をさせることと水分・養分の通導を行うことです。



簡単にいえば、ストローを束ねたようなものです。





ここで考えなければならないのは、木材の組織の配列です。



樹木はご存知のとおり、一年ごとに年輪を形成しながら、外へ向かって肥大成長します。



丸太の中心を通る放射断面(みかん割り)には柾目、接線方向に切れば板目が材面に出ます。



そして、長さ方向(軸方向)・板目・柾目では、強度や収縮に差があります。



これを、木材の「異方性」といいます。





軸方向における圧縮への強度が、重量比では鉄よりも木材のほうが大きいのはご存知でしょうか?



特徴としてあげた強度は、この中空な組織と配列が大きく関係します。



丸いホースを想像してみてください。



あれだけフニャフニャなので横から押せば潰れますが、長さ方向にはかなりの力を加なければ縮めるのが難しいですね。





横からの加重も、年輪に直角に加えた場合とそうでない時では強度に差が出ます。



野球の木製のバットには、打撃面に印がしてあります。



あれこそは、強度的に強い年輪方向に使用するための目印なのです。



今度、試しに見てみてください。





断熱性や音響に優れるのも、空隙のおかげです。



隙間に空気を含んでいるので、熱が伝わりにくいのです。



金属や樹脂などの硬質な素材は、触るとひやっとしますね。



これは、表面に触れた瞬間、皮膚から体温を奪われるので冷たく感じるのです。



木材に触れても暖かさを感じるのは、熱が伝わりづらいからなのです。





吸着性については、炭に代表される脱臭剤がそのまま答えですね。



さらに、間隙に微生物が住み着くので、環境浄化に役立つ例もあります。





自然な暖色系の色合いや、不規則な揺らぎの木目のテクスチャーは目にも優しく、リラックス効果も認められています。





なんだかいい事尽くめのような木材ですが、自然素材ならではの欠点もあります。





それは、腐食・収縮(狂い)・可燃であることです。





腐食は木材の製材部位や樹種にもよるので、屋外等の過酷な湿潤環境でなければ対応は可能です。あわせて、虫害に対する注意は必要でしょう。





収縮も乾燥をしっかりすればある程度抑えられますし、それを見込んだ使い方をするのが職人ですので使い方しだいです。





最後の可燃である点も研究が進み、薬剤や化学処理によって不燃・難燃化された木材が公共スペースでは広く使われています。



大型建築などでは大断面集成材による燃え代設計が主流です。



これは、表面が炭になる(炭化する)ことで木材内部への断熱材の役割を果たすのを見込んで、その分を構造計算より大きく設計する手法です。





技術や科学の進歩により、身近なものからスーパーウッドまで、幅広く使われるようになった木材。



次回はもう少し踏み込んだ視点で、木材を見てみたいと思います。







応援よろしくお願いします!! 

前回は森林の更新について見てきました。



樹種や環境は勿論、どういう森に仕立てるのか、目標である“最終林形”により更新方法にも違いがあります。





では、実際の育林作業としてはどのようなものがあるのでしょうか。



今回は、森林施行について取り上げたいと思います。





人工林では、多く皆伐方式が取られます。



一斉に苗を植える事で、管理を画一化できるメリットがあることはすでにご紹介しました。



皆伐跡地にはとうぜん切り株が残りますし、邪魔になる岩などもあるかもしれません。



まずは、植栽前に整地する事が必要で、この作業を「地拵え」といいます。





放置された皆伐跡地では、草本だけでなく低木なども入り込んでいる事もあるので、こういった植物を除くことも併せて行われます。





地拵えの次は、植栽の後で育林作業が行われます。1ha当たり3,000本が平均といわれます。



まだ稚樹の段階では、他の植物との競争に負けてしまうので刈り払う必要があります。



初夏の頃から始まる「下刈り」です。



下刈りは、保育のために行われる作業で、草だけではなく他の低木も一緒に切ります。



農業のほうで行われる雑木林の下草刈りとは違うので注意が必要です。





下刈りと一緒に「蔓切り」も必要です。



下刈りの方は、ある程度大きくなって被陰の影響が無くなれば良いのですが、蔓切りは成木になっても引き続き行われます。



文字通り蔓植物を切るのですが、なぜ必要なのでしょうか。





蔓植物は幹を伝って樹冠部で展開し、樹木を被陰します。



成長に伴って蔓も太さを増し、樹木を締め付けて生育を阻害し、ひどい時は枯死に追いやります。





さらに、樹冠部に絡みつくので重心が高くなると共に、雪などが積もりやすくなり倒木の被害を引き起こします。





自然林では、蔓植物が老木を間引いてギャップを生み出し、更新を促します。



ですが、林業にとっては厄介者で、藤などは初夏の彩りながら、手入れの悪い林の証拠とも言われます。





この辺の「目的による立場の違い」は、インタープリテーションの一つのポイントだと思います。





ある程度大きくなったら、「枝打ち」を始めます。



枝打ちの目的は、大きく二つあります。





一つは、節の無い木材を生産するため。



木材の節は、枝の脱落痕を組織の成長によって巻き込む事により生じます。



材中の節は美観だけでなく強度も損ねる事があり、早めに枝を落とすことで芯に近い段階で隠し、材面に出にくくする効果があります。





二つ目は、木を下()から上()まで同じ太さで育てるため。



当然、枝には葉が茂っており、光合成によって成長を司っています。



ということは、その部分の成長が良くなります。



下のほうまで枝があると元のほうの成長が早くなり、元と末の直径が違う「うらごけ()」材となります。



こういった材は扱いづらく、材の価値が下がります。



ですので、樹冠の1/3程を残して枝を落とし、成長を抑制するのです。







人工林では、苗木を1ha辺り3,000本程度植栽するのが一般的です。



これは、成長を押さえて年輪巾の狭い緻密な材を生産するのと、風雪害の対策のためです。





ですが、成長に伴って林内が込み合うと、競争が始まります。



その前に、劣勢木を間引く「間伐」を行う必要があります。





間伐は植林木について行うものです。



下刈りの後に伸びてきて植林木の生育を邪魔する天然性の樹木を含めて、形質の悪い植栽木も切るのは「除伐」といい、区別されます。





始めの間伐が15年ぐらい、後は10年ごとに二回目・三回目という具合に、成長を見ながら間伐していき、最終的な材として伐り出す「主伐」に向けて木を、林を育てていくのです。





現在は、主伐の時期を長くする長伐期林業が推奨されつつあります。



これは、生態系と土壌の維持を目的としたもので、あわせて複層林として持続可能な生産が目指されています。





このように、木を育てるのは途方も無い年月と多くの手間がかかります。



ですが、木材価格の低迷や輸入材との競争により、国産材の需要が伸び悩んでいます。





戦後の復興期、政府主導の“拡大造林”によって植えられた人工林が全国にありますが、その大半が零細林家であり、経済的な理由から手入れが行き届かなかったり、放



置される森林も少なくありません。





市民の手による間伐をはじめとするボランティアによる施行も盛んですが、限界があるのも事実。



抜本的な解決策は無いのが現状です。



だからこそ、現場である山に実際入り、自分で感じること。



考えて行動に移すことが求められているのではないでしょうか。





森林インストラクターを目指した強い思いの一つとして、これからも持ち続け、活動していきたいと思います。







応援よろしくお願いします!!