おはようございます。
卓球の世界選手権大会団体で、日本勢のメダルが確定しましたね。
かつては卓球をやっていた時期もあるので、何か嬉しいニュースです。
選手たちの素晴らしいプレーを支えるラケットも、単純な合板からカーボン素材へと進化を遂げています。結局のところは、個々人の好みにはなると思うのですが…
使用される素材は詳しく見ないと分かりませんが、ヒノキを代表とする針葉樹や、手触りの良いビーチ(ブナ)などが多いようです。
針葉樹・広葉樹は、立木の状態なら一目瞭然でしょう。
これが板に加工されたとき、どう違うのかご存知でしょうか?
針葉樹・広葉樹の一番の違いは、導管の有無です。
広葉樹には導管があり、針葉樹にはありません(?)。
でも、針葉樹も生育してますよね。
木材を構成する組織には、導管・仮導管・柔細胞・樹脂道・真生木繊維があります。
それぞれの簡単な説明です。
導管・・・水分の通導
仮導管・・・水分の通洞と樹体を支える構造体
真生木繊維・・・樹体を支える構造体
柔細胞・・・養分の通導・貯蔵。方向により、軸方向柔細胞・放射柔細胞(放射組織)。
樹脂道・・・樹脂分の通導
このうち、針葉樹はそのほとんどが仮導管により構成されます。
広葉樹では、進化の過程で導管と真生木繊維に分化したと考えられています。
このように、針葉樹は組織が単純であるのに対し、広葉樹は複雑です。
ですので、針葉樹は比較的通直な木理(組織の配列)ですが、広葉樹ではそうはいきません。
割り箸を想像してみてください。
すんなりと真っ直ぐ割れるのが針葉樹、途中で曲がったり上手く割れないのが広葉樹といったところでしょうか。
人はこのことを経験から知っていて、古代の建築遺跡の多くは、割裂性の良い針葉樹が使われています。
刃物の無い時代、真っ直ぐに割れる針葉樹はクサビでの加工に向いていたのでしょうね。
組織の分化によって、広葉樹は強度を手に入れました。
針葉樹を軟材、広葉樹を硬材と呼んだりするのはこのためです。
今回は組織の違いを見てきました。
まだまだ奥深いので、もう少し木材ネタを続けてみようと思います。