先日は、高尾山での内部研修でした。
今が旬のセッコクを訪ねるハイキングです。
登山鉄道を右に見ながら、6号路を辿ります。
沢沿いの道は爽やかな風に包まれ、初夏の木漏れ日の中を歩いていきます。
サザンが9のイヌショウマをはじめ、重鋸歯の葉が特徴的なフサザクラ、ガクウツギの装飾花等を観察しました。
サイハイランやクワガタソウの実といった変わり者も元気でした。
サイハイランは、戦のときに武将が振るった采配から取られた名前です。
マルバウツギは、花の付く枝だけは葉が茎を抱きます。
スミレの蕾に目が留まり、説明を受けました。
これは、一度咲いたものが再び花を閉じたものです。
ナゼでしょうか。
花を閉じたのは、開花時に受粉できなかったため。
花弁を畳む事でおしべ・めしべが触れ、自家受粉を果たすのです。
他花受粉が基本ですが、子孫を残すための保険として閉じる閉鎖花と呼ばれるもの。
自然の不思議には、いつも感心してしまいます。
対岸には、ジャケツイバラが花を咲かせ、マタタビも開花を知らせるおしろいをまとっていました。
今は地味ながらイワタバコも見られ、花が楽しみです。
ユキノシタの可憐な花も綺麗でした。
ちょこっとさした紅が、なんとも魅力的です。
ヤブデマリの一枚小さい五弁花、ミズの不対称な葉なども観察できました。
セッコクは今が盛り。僅かにピンクがかったものもあり、群生に花を添えていました。
スギに着生し、空気中の水分を吸収しながら光合成で成長する間借り人です。
光を求めての事でしょうが、不思議な生き方を選んだものです。
沢をまたいで高度を上げるにつれ、モミが目立つ森林帯に入ります。
僅かな違いですが、高尾の植生の豊かさを物語るものです。
山頂で昼食後、1号路に進路を取り参加者全員でゴミ拾いをしながら下山しました。
打ち上げはいつもの蕎麦屋。
午後からの雨が心配されましたが、天気にも恵まれて、ついビールも進んでしまいますね…