超ポジティブな先生との出会い
乳癌になって、色々な心の葛藤や心境の変化があった中で、始まった、抗がん剤治療。私は、HER2タイプなので、術前の化学療法をまず実施する。治療は、６月から２週間ごとに、分子標的薬と抗がん剤を投与し、私の仕事の関係で、手術は１０月に行うことになった。主治医は、名医先生の紹介。出身大学から想像するに相当勉強ができて、優等生だったんだろうなというタイプ。こちらから質問すれば答えてくれるけど、先生からは必要以上のことは、話さない。乳癌は、標準治療が確定しているし、ガイドラインも患者向けに公開されているので、そこに書いていある以上のことは言わない。名医先生の言う通り、マニュアル化されていることを実感した。威圧的でもないし、口調や雰囲気も優しいので、大きな不満はなかったが、もう少し、感情的な部分で、コミュニケーションがとれないものだろうかと、診察の度に、不完全燃焼というか、物足りない気持ちだった。並行して、私は、ストレスで不眠症になっていたので、地元クリニックの医院長先生に睡眠薬を処方してもらっていた。医院長先生は、精神科が専門なので、はじめは仕事の悩みを相談していたが、乳癌になってからは、闘病における心のケアもしてもらっていた。私は、主治医以外に心のケアをしてくれる先生がいたことが、とても良かったと思っている。医院長先生は、主治医と全く違うタイプで、とにかく、明るい、元気、ポジティブ！治療中、淡々とこなしてはいたけれども、やはり、何らかの症状が出てきたら心配になったり、不安になったりする。そういう気持ちを、家族や友人に伝えても彼らとしては「大丈夫！」とか「絶対治るよ！」という言葉しかないし、それ以外にどう返したらいいものか、彼らも困ってしまうだろう。癌患者ではないのだから、共感を求めるのも難しい・・・。だから、徐々に彼らに自分の気持ちを吐露することを躊躇ってしまうようになっていた。そうやって、気持ちのはけ口がなくなってしまう中で、私は、医院長先生がいたことで、とても救われたのだ。全摘するかどうか悩んでいた時も、全摘の方がよいとはっきり言ってくれたし（主治医は、全摘を進めるけど、決めるのはあなたです・・という言い方）、「私、治る気満々でいるんですけど」と言ったら、「絶対に、そう思っている方がいい！」とか「HER2タイプは、予後悪いと言われていたけれど、最近は薬が良く効くから、大丈夫だよ！」とか。抗がん剤治療が始まり、胸がなんだか、ざわざわと痛い事を相談したときは、「それは、抗がん剤と癌細胞が闘って、中で炎症を起こしているからだろう」言ってくれて、妙に納得したし、ほっとした。主治医は、何かあった時の事を考えてのなのか、性格なのか、絶対に大丈夫とか言わないから、医院長先生に「大丈夫！」と言ってもらえると、本当に治る気がして、とにかく、治療中のあらゆる不安を取り除いてもらった。他の精神科に通った事がないので、すべての先生がこういうポジティブな事を言ってくれるタイプなのかはわからないが、病院が多い地元で、このクリニックがいつも混んでいる理由が、なんとなくわかる気がした。家族や友人の言葉もすごく励みになるのだが、治療に関する不安については、医療従事者からの言葉の方が影響力が強いと思う。だから、私は、闘病中の心のケアについては、専門の医療従事者に頼ることをお勧めする。精神科の先生でもいいし、マギーズ東京のような施設や病院の癌サロンなど、癌患者のためのケアは充実しているので一人で悩まず、そういうい所に話をしてみるといいと思う。あと、おすすめは、Peer Ringだ。https://peer-ring.com/乳癌だけでなく、女性特有の癌の人達が集まるＳＮＳだ。治療のことだけでなく、入院で必要なものだとか、術後の下着の事だとか、聞きたい事があれば、あらゆる質問に経験者が答えてくれる頼もしいサイトだ。このサイトを知った時、こんなにも多くの人が、同じ癌と闘っているんだと本当に勇気をもらった。あと、カウンセリングの方に勧められたのが、下記サイトだ。あらゆる癌についての情報だけでなく患者からの相談内容についても充実している。静岡県立静岡がんセンターhttps://www.scchr.jp/supportconsultation/homepage-3.html３年前の情報なので、もしかしたら、もっと良いサイトがあるのかもしれないけれど、当時、私が活用していた情報として参考のために記載していおきます。病は気からというが、本当にその通り！体だけでなく、心のケアも大切に。
