取材からそう日を空けずに
家族3人で事故現場へ足を運んだ
そしてその日の晩
前回のブログを書いた
あのブログを書いたのは
理由があった
私はこの一年
日々、自問自答していた
私の使命とは何か
私の命を救ってくれた多くの人たち
公のために
私ができることは何か
そんなとき、頭を過ぎったことは
今を生きること
人一人の命の尊さ
生かされている事の素晴らしさ
そんな言葉だった
単なる一乗客の私が
事故から今日までのありのままの
姿を伝えていくことで
命を運ぶ仕事をする人には
命の大切さを
今、苦しい日々を過ごしている人には
生きることへの希望を
毎日を忙しく生きている人には
今、生かされていることの
その意味を
少しでも感じるきっかけに
なってもらえたら
そうすれば
これまで過ごした苦しい日々も
身体に残ったたくさんの傷跡も、痛みも
家族がたくさん悲しい思いを
したことも
決して無駄なことでは
なくなる
いや、そもそも誰にとっても
生きていることに無駄な
ことなどないのだから
そんな想いを胸に、
私が最も尊敬する偉大な人
山口栄一先生にその事を打ち明けた
先生とは、事故後偶然のご縁が繋がり
『JR福知山線事故の本質』という
書籍を2人の共著として出版した
先生は、その書籍の中で私が
書いた手記の続きを書くことを
勧めてくださった
『千通子さんは、ただ自然体で
書くだけで、人を静かに元気づける
ものになるでしょう』
私は、あの手記を書いて以来、
『書くこと』そのものが
自分自身の癒しであり
自分は書くことがとても
好きだということに気づいていた
だから先生がそんな風に言って
くださったことが、ただ嬉しかった
またそんなとき、書籍出版の記事を
書いてくださって以来、
ずっと私のことを気にかけて
くださっている
新聞記者の井上康太郎さん
もまたこう仰ってくださった
『千通子さんは将来、また本を
書かれるか、講演をされるよう
になると思います。その時のた
めにも、お忙しいとは思いますが、
日々の変化を書き留めるか、
記録しておかれるといいの
ではないのでしょうか』
そこで、私は改めて
具体的なことは何も決めずに
ただ、そのように生きていこう
とだけ決めた
そんな想いで、あのブログを書いた
そしたら、あのブログを読んだ人が
次々に感想をくださった
また、私の知らないところで
あのブログを知人に広めてくれる
人が現れた
私の親友の夏世ちゃんは、そんな1人だった
そして夏世ちゃんがブログを転送した
ご友人の旦那様は
偶然にも、JR西日本に勤めている
方だった
④へ続く
事故から13年目の日①
事故から13年目の日②
事故から13年目の日③
事故から13年目の日④
