ほたるいかの書きつけ -61ページ目

江原啓之の書いたこと(3)

 『日本のオーラ』第5章「死は終わりではない ―死刑廃止と『未浄化霊』より。
 江原は死刑に反対だそうだ。ちなみに私も死刑は廃止すべきだと思っているが、理由は全く異なる。江原の理由は以下のようなものだ。
 しかし、それでも私はスピリチュアリストとして死刑に反対せざるを得ないのです。死刑を廃止する代わりに、終身刑を設けるべきだと考えています。なぜならば、死刑となった人のたましいは未浄化霊となって、同じようなたましいを持つ人に憑依し、似たような事件を起こさせることがあるからなのです。
で、なぜ終身刑がいいかというと、時間がたてば「どうでもよくなる」だろうから、だそうである。なんだそりゃ。死刑囚だって、事件を起こしてから死刑執行まで多くの場合はえらい時間がかかっているぞ。

 いずれにしても、人権だとか警察・検察、裁判の問題等々は完全に視野の外である。

 最後のパラグラフだけは意味があると思うので、載せておこう。
 しかし、世界の趨勢は死刑廃止に傾いています。先進国で死刑執行を続けているのは日本とアメリカの二国だけです。死刑について真剣に議論する必要がある時期に来ているのではないでしょうか。
 こういう発想の人って、行動力があるときくちゆみ氏のようになって、ないと江原信奉者として「自分を変えればすべてうまくいく」みたいになるのかしらん。
 いずれにしても、何を「真剣に議論」するつもりなんでしょうね。国会で未浄化霊が云々なんて議論をされたらたまらんのだが。

ハーモニクスライフ

 「きくちゆみ」つながりで、ハーモニクスライフというところのウェブサイトを見てみた。
 →自然の水をつくるー夢風船
 …うーん(こればっかしやな。しかし、うーん、としか言いようがないのです)。水のクラスターか…。
 「カタログ」のPDFファイルを見てみると。「20℃の状態で54Hzに近い数値の水が身体に良い小さな水と言われています」だって。典型的なニセ科学だ。さらに、「アレルギーを治すには血液の浄化が必要です。小さな水を飲みつづけると3ヵ月位で効果が現れてきた例もあります」とか「老人痴呆症をふせぎます」とか…。
 54Hzってなんだろ?後ろのほうを見ると、なんかグラフがあって、100Hz前後の値が出ている。水のNMRだったら、G(ギガ)が抜けてるんじゃないか?いくらなんでもエネルギーが低すぎる。
 いやしかし、これはいかんやろ。
 「リンク」を見ると、さらに頭がくらくら。「宇宙人の侵略」だの「アセンション」だの出てくる。きくちゆみ氏らしき人物の写真も載ってるよ。うーん…。頭痛い。

 やっぱ、この人(きくちゆみ氏)については、単に「陰謀論を言うな」だけでは済まないような気がしてきた。一線を画すべきではないかなあ。

 ざっとブログを見た印象だと、たぶん、この人はビリーバーかどうかという以前に、考えない人、という気がする。「今の政治(あるいは権力者)は良くない」というのが大前提としてあって、そのためには役に立ちそうな考え方は考えずに吸収している気がする。物凄い正義感の塊で、めちゃめちゃ行動力があるんだろうけど、その分(なのかなんなのか)、何も考えていないように見える。表面だけ「これなら行ける!」と思ったら、全面的に信用してるんではないかな。
 自分が賛同している主張間に論理的矛盾があっても気にしない人なんだと思う。
 狭い世界でやってくれる分には悪意はないしいいんだけど、行動力があるからと言って周囲が持ち上げていると、あとで手痛いしっぺ返しを喰らうことになると思う(彼女からじゃなくて、彼女を仲間にしていたということについて)。

 それはそれとして、この行動力が受けるんだろうなあ。亀@渋研Xさんの言うように「アイドル」視している人々も多そうだけど、ある種のサクセスストーリーというだけではなくて、これだけガシガシ行動して飛び回る姿にあこがれる人も多そうな気がする。等身大のヒロイン、というかなんというか。

***

 ところで上の数値(54Hz)を考えてて気になったんですが、水の水素結合のエネルギーは wikipedia などによると大体 21kJ/mol、気化熱は41kJ/molぐらい、ってなってんですが、結合エネルギー以上にエネルギーを与えないと気化しないのはなんでなんでしょうか?100℃の運動エネルギーってもっと小さいですよね。
 さらに、21kJ/mol ってざっと計算すると1分子当たり0.2eVぐらいになったんですが、温度に換算すると2000Kぐらいですよね。100℃って大体400K弱なので、5倍くらい数値が違うんですが、なんでなんでしょうか?

 うーん、物性はやっぱ難しいな。

きくちゆみとUFO

 巷で話題のきくちゆみ氏のブログを見てみた(初めて)。
 私が見た時点でのトップページは5/9のエントリで、劣化ウラン弾の話であった。劣化ウラン弾による体内被曝は大きな問題だし、書いてあること自体はマトモであったのだが…。
 ざーっと同じページに表示された過去記事を流し読みしていくうち、右側のコラムにあるカテゴリ一覧(「ラベル」)が目に入ってきた。一番上は911…まあこの人ならそうだよね、と思うか思わんかのうちに、次の行、「UFO」が目にとまった。
 これは見ないといけないだろう、と思い、こわごわとクリック。ざっと目を通す。
 …だめだこりゃ!というのが最初の感想。だめだ、だめすぎる。
   → 「あちこちでUFO目撃情報」 (2008/1/23)
それにしても、1月21日にテキサスに上空に出現したもの は巨大です。全長1.6キロ、幅800メートルの物体が空を飛んでいた、というのが本当ならば、これはよく言われているUFOの母船である可能性が高いです。
…そうですか、可能性高いですか。よく言われている?そうですね、その手の人々の間ではよく言われているでしょうね。

 この方に科学リテラシーが決定的に欠けているのは最後のこの部分。
あなたはUFOや宇宙人がいると思いますか?わたしはまだこの目で見てはいませんが、この広い宇宙のどこかには地球人類以外にも知的生命体がいて、わたしたちより高度な文明を持っている可能性はとても高い、というか、そういう存在があって当然、と思っています。
「UFO」=「宇宙人の乗り物」という前提については突っ込まないでおくが、とにかく、この文章、「UFO」の三文字さえなければ何の問題もない。というか、可能性が「とても高い」かどうかは別にして、ほとんどの科学者は宇宙人(地球外生命体)は存在しているだろうと思っているといっても良い。しかし、そのことと、宇宙人が地球に来ているかどうかというのは全く別の問題である。
 ボイジャーやパイオニアが太陽系を脱出しつつあるが、打ち上げから一体どれだけ時間がかかっているというのか。技術がはるかに発達して光速航行が可能になったとしても、太陽の隣の恒星ですら4,4年もかかるのだ。加速・減速に必要な時間もいれたら、とても生命体の一生のタイムスケールで行き来などできるものではない。

 なんというか、このエントリ見ただけで脱力してしまった。
 いや、UFO信じるなとは言いませんよ。言いませんが、ある程度自分が影響力のある立場にあるという自覚があるのなら、そういう軽はずみな発言は控えるものだと思うのですがね。

 私?私はUFOが宇宙人の乗り物だなんて信じていません。が、大好きです。(^^)
 UFO・宇宙人の写真集も何冊か持ってるし。海外行った時、立ち寄った本屋にあったの思わず買ってしまったりして。
 見るたびに、人間の想像力、というか妄想力って偉大だなあ、と思うのですよね。こんなものまで宇宙人だと思ってしまえるのか、と。いやあ、ホント人間って凄いと思う。皮肉でも嫌味でもなくて。

***

 なんのために彼女のブログを見に行ったか、というと。
 他所で、彼女が9.11陰謀論だけじゃなくて、各種の怪しい水商売にも手を出しているらしいという話を読んだんですよね。で、実際のところどうか、と。そこ行く前に脱力してまだチェックしてませんが。
 というのは、憲法9条の話と絡むのですが、なるべく幅広い意見の人と手をつながないといけないとは思うのですが、とはいえ誰とでもいいというわけにはいかない。少なくとも、反社会的な活動をしている人はダメだろう、と思うのです(グレーゾーンはあるでしょうが)。
 というわけでホントかどうかチェックしに行ったのですが…。
 うーん…。

宇宙を軍事に使うな

 もっと早く書いておくべきだったと悔やまれるが、それでも書かないよりはマシか、ということで、一言だけ。
 「宇宙基本法案」が衆院委で自民・民主・公明により可決されてしまった。しかし、この法案は、宇宙の平和利用という大原則をくつがえすものであり、大問題である。
 「憲法の平和主義の理念をふまえ」という修正を加えたそうだが、「理念」だけふまえたってなんの制限にもならないのですよ。平和のためにということで戦争なんていくらでもできるんだから。
 いままでは国会決議で「非軍事」を意味する「平和の目的に限り」ということで宇宙開発をやってきた。ところが、その「平和の目的に限り」ということがなくなり、軍事利用に道が開かれてしまった。さらに情報が国家により管理され、公になるとは限らなくなってしまった。
 日本は世界に誇る科学衛星を幾つも打ち上げてきたが、それも影響を免れ得ないだろう。

 宇宙開発や宇宙の利用は、日本では原子力と同様、自主・民主・公開の原則のもとで進んできた。これが、自民・民主・公明により破棄されるとは何たる皮肉かと言わざるを得ない。

 ついでに言うなら、やはり二大政党制には希望がない。明るい未来は開かれないだろう。自民も民主も本質的には同じなのだ。今回の件は、それを如実に示していると言えよう。

 参考:
 「宇宙の防衛利用、衆院委で法案可決 来週にも参院へ」 (『朝日』2008年05月09日15時23分)
 「“宇宙軍拡”法案きょう採決 自公民が決定 質疑わずか2時間 衆院委」 (『赤旗』2008年5月9日)

江原啓之の書いたこと(2)

 再び、『日本のオーラ』より。
 「第四章 男のたましいと女のたましい ―男女平等と『因果の法則』」、p.39。病気には三種類あって、「肉体の病」「運命の病」「宿命の病」だそうだ。運命の病は「思い癖の病」とも言うそうで、「その人の現世での考え方、ものの見方からくるもの」だそうである。宿命の病は「先天的に持っているハンディキャップなどで、その人が今生で克服する課題と関わっている病気」だそうです。
 で、次の文章。
 今の時代に増えているのは、二番目の「思い癖の病」です。あくまでもスピリチュアルな視点から見た話なのですが、例えば、眼病は、ものを注意深く見ない現われです。扁桃腺が腫れるのは口を慎んでいない人、耳の病気は人の注意を受け入れていない人、吹き出物が出やすいのは不平不満が多い人です。このように病には意味があります。
だそうだ。さらに、子宮内膜症の原因は、
(前略)しかし、水からの役割をこなしていないことが原因である、つまり運命の病であることが最近は多いと私は見ています。言い換えれば、「母性が足りない」「しっかりと母性を持ちなさい」というシグナルなのです。
だって。またEDや無精子症は父性の欠如の現われなのだそうである。

 …なんとまあ酷い言い草ではないか。

 反証を一つ挙げよう。江原の扁桃腺は腫れてない。:p
 (ロジカルには反証になっていないぞというツッコミはナシの方向で^^;;)

 これら運命やら宿命やらが病の原因であるとする証拠に、例えばそういった病も環境ホルモンのせいだとか言われるが、同じ条件化でもなる人とならない人がいるのは神秘ではないか、と言って、他の原因を無視して勝手な理屈をつけるのだ。

 江原って、こんなこと言ってるんですよ。それでも、「なんかいい」と信じちゃうんですか?