ニセ科学批判の効果 | ほたるいかの書きつけ

ニセ科学批判の効果

 どうも、一部でニセ科学批判に効果があるのか、という話で盛り上がっていた(る?)ようですね(というあたりまで、ようやく最近の動きが把握できてきました)。

 で、以前、このブログでは、「関東地区女性校長会の研修会で江本勝が講演をした」ということについて書きました。半年ほど前のことです。9月8日に最初に月刊『Hado』の記事についてコメントし、9月15日に詳しい内容を報告しました。その記事について、blackshadowさん が取り上げてくださったり、TAKESANさん がkikulogで紹介してくださったりして(このあたり記憶に頼って書いてるので不正確かも)、かなりの範囲にこの話が広まったと思います。その結果、あちこちで色々な方々が動き、当の校長にも問題が理解され、そしてテレビで批判番組まで報道されました。10月8日ですかね。関連記事はこちら。

   江本勝が「関東地区女性校長会」で講演!?
   『教育現場に水のメッセージを』(『Hado』9月号)
   関東地区小・中学校女性校長会の件について:私のスタンス
   関東地区女性校長会の件・続報
   ミヤネ屋の「水伝」批判

もちろん、このブログがそんな影響力があるわけもないのですよね。ただ、これがきっかけになって、影響力のあるサイトで取り上げられることで話が広がったかな、と。ミヤネ屋がどういうルートでこの件を取り上げるに至ったかはわかりませんが…。マイナー誌とはいえ堂々と公の場に活字媒体で報告していたのですから、まったく独立に別のルートから情報を仕入れたという可能性もありますしね。そこはわかりません。

 いずれにしても、それまでの「水伝」批判の蓄積があることで、このような「事件」があればそこそこ大きく報道される程度には効果があった、ということは言えるのじゃないでしょうか。事件がないとなかなか注目されませんが、まあセンセーショナルなものしかなかなか取り上げない、ってのはマスコミの問題としてずっと昔から言われてきたことですし、現状ではこんなもんかな、と。
 ついでに言えば、江本勝をして「バッシングが起こっている」と言わしめるぐらいには多少は追いつめたわけですよね。

 そういった「事件」がない状況で効果のあるなしを議論するのは、相当難しいですよね。ニセ科学に限らず。例えば教育の効果、なんてものを考えてみればよくわかります。教育効果をどう評価するか、ってのは、教育界における中心問題の一つではないかと思うのですが、それがなかなかわからないからこそ、マジメに研究している人も、その場の思いつきで語っちゃう人の言説も、なんだか対等な話のように扱われてしまう。教育再生会議なんてひどいもんでしたよね。居酒屋談義の方がまだマシちゃうか、というぐらいに。
 まあそういうわけだから、効果の測りにくいことがらについては、安易な批判が出てきちゃうのはこれはもう仕方ないことだと思うのです。なので、どうやって効果を測ったいいのか、きちんと考えていただける人が出てくるのは大変に有り難い。教育をどう評価するかってのが一つの学問分野になっているように、ニセ科学批判の効果をどう測るか、ってのも、マジメに考えてもらえるならば、私は歓迎します。