続・功夫電影専科 -152ページ目

続・功夫電影専科

香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


新龍争虎鬥
Kickboxer's Tears
1992

●なにげに本ブログ初登場の李賽鳳(ムーン・リー)主演作だ。ちなみに自分が初めてVCDで購入した作品でもある。VCDとはビデオCDの略称。DVDが全盛を極める以前に活躍したもので、現在もリージョン云々など細かい制限が無いので(実際は再生するデッキとの相性問題もあるが)広く流通している。日本国内で発売している作品しか見ない人は結構知らないかも…?
八百長試合で負ける事を拒否したキックボクサーの盧惠光(ケネス・ロー)は、周比利(ビリー・チョウ)との激闘の末に、グローブに塗った目潰しで視界を奪われ、リング上で殺されてしまう。慮恵光の妹である李賽鳳は、復讐の為に周比利・大島由加里・そしてボスの龍方(ロン・フォン)と激闘を繰り広げる!
あらすじが時期的に微妙な気がするがそれはまぁさておき(爆)、本作の購入理由はズバリ、盧惠光Vs周比利の元キッキングファイター同士の対決があるかも?と期待した上であった。が、見るといきなり序盤にあって面食らいました(笑)。このバトルだけでも見た価値はあったと思うものだったが、李賽鳳の『天使行動』的な体当たりアクションも結構な迫力で、Vs周比利・大島・龍方のそれぞれの闘いもなかなかに壮絶。やはりラストの対決は『天使行動』みたく大島との対決で締めれば格好良かったかもしれないが、ラストは龍方との廃墟バトルで〆でした。
この龍方は劇中において大島や周比利のボスとして登場するものの、強さを誇示するシーンが無く、強敵として登場しているのは唐突な印象を受けた。ラストも有耶無耶のうちに終わっているのが気になるが、この手の話ではよくある終わり方なのでこれでいいのか微妙なところである。
ちなみに李小龍の名作とはビタ一文関係ありませんので、あしからず。


※…今回は文が少ないので一気に3本続けてのレビューです。


「烈火のヒーロー」
OPEN FIRE
1988

●かつて『燃えよカンフー』なるTVドラマの企画を立ち上げた李小龍(ブルース・リー)。その企画はハリウッドの人種的偏見等の理由により主役諸々を含めて奪われることとなり、李小龍に代わって主役になったのが今回紹介する作品の主演俳優であるデビッド・キャラダインだ。その"李小龍から主演を奪った男"が"李小龍の名を騙った男"呂小龍(ブルース・ライ)と共演するというので、アクションが駄目でも少しは期待できそうだったが…。
話としては異国の地でテロリストに娘と妻を奪われた州知事デビッドが、呂小龍師匠を同じくテロリストに殺された門下の美女軍団と協力してブッ潰す"だけ"の話である。
実際見てみれば解るが、本作はものごっつ薄っぺらい内容だ。しかもそこらのB級映画なんて凌駕するほどの、しかも怒りさえこみ上げてくるヒドい出来の!
アクションの比重はカンフーよりガンアクションが多いし、そのガンアクションもタルくてとても見られた物ではない。爆破シーンは派手だが、同じシーンを繰り返し流す低予算映画の常套句を並べられたとあっては、こっちも見た後相当落胆しました。よって「烈火のヒーロー」というタイトルは不適当。本当は「劣化のヒーロー」が正しいです。


「ザ・ファイター/炎のラスト・マッチ」
THE FIGHTER
1988

●リチャード・ノートンとベニー・ユキーデが対決しているとあっては見逃せない!…と思って早速見てみた作品。…うん、監督が『ザ・フューチャーハンター』『ミッション・ターミネート』のアンソニー・マハラジという時点で、どういう出来かと気付くべきだったです(爆
かつてスリだったノートンが出所して、心臓病の妹の手術代を稼ぐために黒社会のストリートファイトで闘っていくという擬似『ロッキー』が本筋。しかも肝心のアクションがかなり酷かったです。格闘アクションというかほとんどただの殴り合い同様で、全編に渡ってタルい雰囲気で席巻されている。従って、見ていて眠気が襲い来る事必至なのだ(涙
唯一救いだったのは、くしゃおじさんそっくりのデブレスラー、テクニシャン系の覆面レスラーと闘ってきて、ラストのベニー・ユキーデ戦はユキーデがある程度見れるアクロバティックなアクションをやっていたことくらいか(それでも遅いが)。


「ブラッド・マッチ」
Blood Match
1991

●ベニー・ユキーデがアクション監修を務めた珍作。
格闘技チャンピオンの兄を持つ主人公(?)は、ヒロインと一緒に兄の汚名を晴らすために、兄を陥れたと思われる4人のファイター(ユキーデ含む)を拉致し、一人ずつ殴り殺しながら真実を聞きだすという恐ろしく手間のかかる方法で真犯人を探していくが…。
見所はユキーデのみ!あとは2倍速で飛ばして見るべし!
先に紹介した二本の作品もヒドいものでしたが、恐ろしい事に本作はそれらにも劣る酷い作品でした。たった85分間の作品にもかかわらず、間延びした演出・アングルを変えたアクションを何度も繰り返すヘボ効果・全体的にやる気の無い出演者なんかを見ていくうちに、あなたはまた眠気に襲われることだろう(爆
とりあえず動きの硬いほかのキャストよりもズバ抜けた速さでアクションを披露するユキーデだけがまともに見れるポイントというか…つーかそこだけ見たらもうビデオデッキのエジェクトボタン押してもいいでしょう。ちなみに共演しているピーター・カニンガム(『検事Mr.ハー』でユンピョウと戦った黒人格闘家)は路上のチンピラ役でチラッと出てくるだけでした。


「武道大連合・復讐のドラゴン」
方世玉
The Prodigal Boxer
Kung Fu The Punch of Death
1972

●最近はいかがわしげな作品のレビューばかり(笑)だったので、今回は正統派な作品です。この孟飛(メン・フェイ)主演による方世玉モノである本作は、倉田さんが『小拳王』に次いで2度目の孟飛との共演作でもある。
製作した南海影業公司とはショウ・ブラザーズの下請け会社であり、張徹(チャン・チェ)もその出資者の1人であったため、本作がどこかショウブラっぽいのはそのためである。実際、この頃ショウブラにいた王清や馮克安・劉家榮といった脇役なども登場している。
孟飛と組んだ前作『小拳王』は『悪客』とのかけ持ちで撮影しており、スタッフが移行して昼は『悪客』夜は『小拳王』といった具合に撮影したという。その『小拳王』はフィリピンなど東南アジア諸国でヒットし、本作では更に好成績を記録したとか…こちらもいずれは見たいと思います。
そして、本作は父を殺された孟飛が、足技の倉田さんと手技の王清に仇討ちするため何度も挑んでは負けつつ、最後に擂台で見事に仇を討つ…という、非常にオードソックスで一切の味付けのない、ストレートな復讐劇だ。私としては孟飛作品はこれが初見となるが、デビュー間もなかったせいか、この作品で孟飛が披露するアクションはどことなくもっさりとしている。孟飛についてはこれから期待か。
その代わり、凄みがあったのがやはり倉田さんだ!この手技&足技ファイターとの対決というシチュエーションは、その後ジャッキー『Who am I?』にて再演されるのだが、ここで倉田さんは足技のみに固執せず、"足技使い"というよりも足技を重点的に使う"拳法家"として悪役・倉田保昭の魅力を発揮している。
それ以外に何があるかといえばあまり言及できない薄い作品ではあるものの、極初期の倉田さんが見られる作品として貴重かも?


Angry Tiger/Spirits of Bruce Lee
製作:1973年

▼李小龍が香港を席巻した頃、多くのバッタもんスターが現れた。が、バッタもんとまではいかずとも、李小龍的なアプローチを試みた既存のスターたちもいた。白彪、田鵬、そして本作の主演である陳惠敏(チャーリー・チャン)もそうだった。彼の場合は日本初お目見えとなった『空手ヘラクレス』の時からそんな感じで、『空手ヘラクレス』は拳を封印した陳惠敏が楊斯を倒すという薄っぺらい『ドラゴン危機一発』的な作品だった。
そしてこの映画も同じ様に『危機一発』の要素を持ち込んだものである。なにしろ『危機一発』同様にタイ(フィリピン?)で撮影されているからだ。熱気ムンムンのド田舎で濃い顔の男どもを陳惠敏が倒す本作は『危機一発』を髣髴とさせる。中文タイトルが不明で、もしかすると本作はタイ映画の可能性も考えられるが…。

■タイへ兄を探して降り立った陳惠敏は、そこで悪党を蹴散らす現地のナイスガイと出会った。
しかし兄は行方不明となっており、陳惠敏は兄を探してタイの地を放浪する。その後、滞在しているホテルの支配人のつてで華僑のおじさんと知り合えた陳惠敏。おじさんの家は喫茶店を経営しており、そこには都合よく可愛い娘(仮にタイの苗可秀と呼称します)もいたりした。
ところが従業員のデブが兄のペンダントを持っているではないか?デブとタイの苗可秀曰く、陳惠敏の兄は必死に何かを伝えようとしながら事切れ、2人にペンダントを渡したという。埋葬されていた兄と対面し、悲しみに暮れる陳惠敏は、必ず仇を討つと墓前で誓うのだった。
 それからおじさんの家へお世話になることになった陳惠敏だが、とある賭け事で兄の時計を担保として出している男を発見!そいつを問い詰めたところ「別の男からもらった」と言う。その時計を譲ったオヤジに「兄貴を殺したのは貴様か!?」と詰め寄る陳惠敏。オヤジが言うには"ミン・パン・チェン"という名のボスの命令でやったと白状した。
"ミン・パン・チェン"は功夫使いの手下を多く保有する悪党の親玉で、陳惠敏はタイの苗可秀らを巻き込みたくないと申し出るが、あくまでおじさんは協力すると言ってくれた。が、そんないい人たちを巻き添えにしないように、陳惠敏は皆が寝静まった夜に行動を開始した。
 敵の屋敷に潜入する陳惠敏(ちょっと『燃えよドラゴン』っぽい)。しかしボスを討ち損ね、なんとか屋敷からナイスガイの手を借りて脱出に成功した。一方で敵も黙っておらず、おじさんの家に火を放ったが、一行は既に脱出していて事なきを得た。「俺のとばっちりでこんなことに…!」足に怪我を負っている陳惠敏は涙を呑んだ。
そこからナイスガイの屋敷探索を挟んで(ナイスガイはやっぱり潜入捜査官だった!)、ついに傷の癒えた陳惠敏はおじさん一行と共に(笑)敵の本拠へと乗り込む!
 どうにかボスを打ち倒すがおじさんがやられ、更に敵に取り囲まれる陳惠敏一行!東映カラテ映画のようなムチ使いと日本人武道家(ただの浴衣着たおっさん)とのバトルの行方は…!?

▲本作を一言で表すなら、「綺麗な陳惠敏主演作」といったところだろう。
陳惠敏の主演作にはドロドロとしたエロいシーン、敵味方が容赦なく殺される、陳惠敏自身も役柄があまりいいものではない、そもそもストーリーが陰惨…といった点が挙げられる。ところが面白い事に、本作にはそれらの要素が全く無いのだ!死んでるのは敵ばかりで、味方の犠牲もラストまで最小限に抑えられている。
そればかりかアットホームな雰囲気のおじさん一行とのやりとり、『ドラゴン危機一発』とは間逆のエンディングなど、いつもの陳惠敏作品にはなかったポイントが多く見られる。アクション・ストーリー共にあまりいいものではないが、彼の作品としてはかなり小奇麗な一本だ。正直同じ『危機一発』的な作品としては『空手ヘラクレス』より本作が好きかな?


Ninja Champion
1986

●史上最悪の映画プロダクション・フィルマークの親会社である、IFD製作のニンジャ映画だ。
今回犠牲となったのは韓国産のアクション映画で、そこにニンジャを足して地獄絵図となっている。元の話は悪党に強姦された過去を持つ女の復讐劇で、女のかつての恋人である男が彼女を助けようと奔走する…みたいな話のようである。本作ではそれにニンジャの暗殺計画を加味しているのだから、どれだけメチャクチャな映画になっているかは想像に難しくないだろう。
韓国パートの主演は林子虎(ジャック・ラム/ラム・ジョン・ホ)という人で、本作以外にも『Ninja Empire』や『Ninja Terminator』でIFD及びフィルマークの被害にあっている(涙)韓国のアクションスター。その他は白黄基といった韓国功夫片お馴染みの顔が登場している。アクション面ではあまり見るべきところは無いが、たまに眼の覚めるような足技がビシッと出てくることもあって見逃せない。それにしてもほんと巨龍(ドラゴン・リー)はちょっとだけだったなぁ…。
一方、ニンジャパートにはいつものリチャード・ハリソンとブルース・バロンが参戦。相変わらずのヘナヘナな特撮とニンジャごっこで場の空気を盛り下げていく。このバロンが殺る相手は4人で、それぞれ失笑モノの特技を見せた後にバロンに斬り殺されるというパターンで順調にやられていく。当然の事だがニンジャパートと韓国パートは完全に水と油状態で、まるでこのニンジャパートがCMのように見えるぐらいだ。
最後は韓国パートで展開された事件についてボスのニンジャが種明かしをし(もちろんセリフなどは勝手に吹替えてあるのでストーリーは支離滅裂)、ニンジャのバロンVSボスニンジャのぬるーいバトルで終わる。このバトルについてはラストがある意味圧巻で、公園で戦っていた2人のニンジャだが、遊具に引っ掛かったボスが簡単に刺し殺されてTHE ENDとなるのだ(爆
さすがにこれは誰も予想が付くまい。これでこそIFDの面目躍如といってもいいだろう(半ばヤケ気味