
「極道ステーキⅢ」
1992
●間寛平が組長を務める組が解散し、関西の組へと渡った清水宏次朗は幹部クラスにまで昇格していた(一緒についていったはずのフッくんは不在)。シマでのさばる外人たちの始末を依頼された清水は現場に向かうが、そこに新たなライバル・坂上忍が現れる。坂上はかつて山口由子を救おうとして人を殺し、自暴自棄になっていたところをヤクザに目を付けられたという男だった。
共に競い合いながら外人たちを追う清水と坂上だが、どうやら相手は何者かに雇われて暴れていたらしい。紆余曲折の末、なんとか黒幕の正体を暴いた清水だが、敵のボスには用心棒としてかんぺーが付いていた…。
ヒートアップしていた前作とは打って変わって、本作はちょっとテンションがダウンしています。これまでのシリーズでは色々な事柄が絡み合ったストーリー構成だったのに、本作は清水とかんぺーの因縁・坂上と山口の関係という2エピソードだけで成り立たせていました。どうせなら何かもう1つイベントが欲しかったところでしたが…。
アクションに関しても同様で、今回もそれなりに良質な格闘シーンが揃っているものの、さすがに第三弾ともなると新しいものが見たくなってくきます。一応はアクロバティックな動作などが(ほんの少し)増えていて、前半で繰り広げられる清水VS松田勝のバトルはいい感じなんですが、目新しさという点で収穫はありませんでした。
そして本作で一番問題なのが坂上の存在です。最初は清水に匹敵する実力者かと思いきや、彼にくっついて漁夫の利を得ようとするセコい野郎だった上に、クライマックスでは敵の罠に引っかかったりと全然いいとこ無し。そして本作では最大の見どころとなるはずだった清水VSかんぺーのバトルを中断させてしまうという暴挙まで犯してしまっています。そ…それが一番見たかったのに!(涙
結局、これ以降シリーズが続かなかったので本作が最後の作品となりますが、ストーリーもアクションも不発で終りとは…う~ん。個人的にはただのザコなのにも関わらず目立ちまくっていた井出らっきょと、エンドテロップで竜咲隼人がいたことが気になりました(どこにいたっけ?)。

「極道ステーキⅡ」
製作:1992年
●本作は前回紹介した『極道ステーキ』の続編に当たる作品で、物語は前作のラストからそのまま続く形となっています(作中の設定やバックホーンについては、前日のレビューと前作『極道ステーキ』を実際に視聴することをオススメします)。
前回のラストで警察に出頭した組長の間寛平。自分の独断専行でこうなってしまったことを悔いた主人公・清水宏次朗は、佐倉しおりと協力してコント山口君と竹田君がいる警察署へ出向くと、口八丁でかんぺーを釈放させる事に成功する。かんぺーは近々杯を交わそうと清水に告げるが、そのころ街では麻薬が蔓延し始めていた。
麻薬で利益を貪るのはご法度だ。大事な決まり事を破っていたのは、組長を幽閉して組を我が物にしていた菅田俊であった。菅田は破門されていた渡辺哲(『用心棒・極道狩り』では善役だったのに…)と用心棒の布川敏和を呼び寄せ、あわよくば対抗馬であるかんぺーの組を潰そうとも考えていた。
一方、かんぺーたちは麻薬の売人潰しに取り掛かっていた。そこにライオネス飛鳥たちが現れ、清水に関西の組へ来ないかと話を持ちかけてきたが、杯を口にしていない彼はこの話を拒否。続いてフッくんが清水を始末しようと襲いかかるが、苦戦しつつも一蹴してのけるのだった。
そして同じ頃、入院していた先代組長・天本英世が退院する事となったが、悲劇は突然起きた。病院から出ようとした瞬間、暴走車によって彼が轢き殺されてしまったのだ。かんぺーたちは悲しみを乗り越え、清水と杯を交わすと天本の葬儀へ移行した。この天本暗殺を仕組んだのはもちろん菅田たちの仕業だ。連中は葬儀の会場に現れると、かんぺーたちを一網打尽にしようとその牙を剥き出しにして襲いかかった!
本作は前作とあわせての前後編といった趣の作品で、菅田との対決や関西の組のエピソードなど、全ての決着が付く物語が展開されます。ストーリーの規模は変わらないものの、アクションのボリュームは前回より向上。大きく変わったポイントは、前作ではアクションを披露した組員が清水とかんぺーだけだったのに対し、本作では組員全員のアクションが見られるという点でしょう。
ラストでは組員たちが菅田の兵隊と死闘を繰り広げ、ここにライオネスや前作のラストで対決した武器トリオ(!)が介入する事により、アクションに更なる激しさを加味しています。また、前作ではかんぺーのアクションに驚かされたが、今回はまさかのフッくん参戦で新たなサプライズを呼んでいました(これがまた見事なアクションで2度びっくり)。
そんな感じで徐々にテンションを上げていく『極道ステーキ』シリーズですが…続きはまた次回にて!

「極道ステーキ」
製作:1991年
●本作は清水宏次朗主演によるVシネ作品なんですが、これがまた面白い作品でした。『プライベート・ウォーズ』といい『バウンディ・ハンター』といい、最近は面白い作品に出会う機会が多くなってきて嬉しい限りです(笑顔
大学生の清水は拳法の達人だが、具体的な目標が無いまま卒業を迎えつつあった。そこで職安へ行って自分に合った職探しをしてみると、コンピュータの敵性診断でヤクザとの回答があり(どんな診断だ!)、なぜか興味を持った清水はこれにチャレンジしてみる事に。かくして、学生ヤクザの第一歩がここに踏み出される事となった。
彼はさっそく間寛平が親分をやってる暴力団に訪れるが、もちろん最初から上手くいくはずが無い。借金の回収をこなしてようやく見習いになることができたものの、そこは厳しいヤクザの世界。時に理不尽な状況に苦悩しながらも、清水はヤクザの道を進んでいくのだった。
そんな時、彼らのいる地区に関西から暴力団が進出してくるとの一報が入る。かんぺーは対抗馬である菅田俊の組と休戦し、関西から来た先遣隊の動向に目を光らせていく(ちなみに先遣隊のメンバーは森次晃嗣やきくち英一、かんぺーの親父さんを天本英世が演じているので、ウルトラ兄弟VS死神博士軍団という図式にも見えます・笑)。
この関西の組というのが大規模な組織で、敵に回さないようにと各々の組は自重していた。だが、清水がたった1人で先走ってしまったため、やむなくかんぺーもこれに続いた。対する森次たちも関西から兵隊を呼び寄せ、深夜の駐車場で一大決戦が繰り広げられるのだが…。
監督の高瀬将嗣は多くのVシネ作品を手がけ、アクション監督として多くの作品にも関わっている大ベテランです。そのためか本作は豊富にアクションシーンが用意されており、たっぷりと格闘アクションが堪能できる粋な作りとなっています。個人的には今回が初接触となる清水に注目してましたが、敵の攻撃をいなしては反撃するその活躍ぶりには目を見張りました。
また、かんぺーも清水に負けじとアクションや演技に奮闘。バラエティーなどでギャグを飛ばす彼の姿しか知らない人には、本作で日本刀を振り回して兵隊どもを斬り捨て、貫禄十分に暴力団の親分を演じる姿はかなり新鮮に映るはずです(実際私もそうでした)。さて、本作には続編があと2本控えているのですが…それはまた次回のレビューにて!

「プライベート・ウォーズ」
PRIVATE WARS
1993
▼『アベンジャー』といい『ファイヤー・パワー』といい『地獄のアレクサ』といい…個人的にPMエンターテイメントの作品は(ストーリーもアクションも)いつも中途半端な作品ばかりというイメージがあったが、この作品は個人的にかなり良かった作品である。
■刑事のスティーブ・レイズバックは、さえない風貌とは裏腹に格闘技の達人である。が、上司のよからぬ取引現場を目撃してしまった彼は、罪をでっち上げられて警察を首になってしまった。
それから8年後、ロスのダウンタウンではチンピラどもが暴れまわっており、警察も手出しが出来ない無法地帯と化していた。住民は次々と町から逃げ出し、団結して立ち上がろうと訴えていたブライアン・パトリック・チャックも悪党の毒牙にかかって命を落としてしまった。
ブライアンの妹は悪と闘う事を訴え、元刑事の黒人の提案で用心棒を雇うことになった。元刑事は同僚だったスティーブを尋ねるが、彼はこの8年ですっかり腐って酒びたりのダメ男になっていた。用心棒を公募するもののロクな奴が現れず、頭を抱える街の人々。そんな彼らの前にスティーブが現れた。酒をあおり、いかにもダメそうなスティーブだが…?
▲マーシャルアーツ映画では必ずガタイのいいアクションスターが主演を飾るが、本作のスティーブはどう見てもダメ人間にしか見えない。
が、この男がひとたび戦いに飛び込むとあっという間に悪漢を蹴散らしてしまう。スティーブ自身のアクションはあまり派手ではなく、技のキレも特別凄いというわけではないが、強いと思わせる説得力は確かにあるのだ。
本作のアクションは黒幕の側近として登場するジェームス・リューを筆頭に、みんないい動きをする連中ばかり。この中でも注目すべきなのが留置場で仲間になるチンピラコンビだ。
演じているのは『ハードブロー』などにも出演しているヴィンズ・マードッコと、甄子丹(ドニー・イェン)の作品でお馴染みのジョン・サルベティ(!)である。どちらも綺麗な蹴りの応酬を見せており、クライマックスでは完全にスティーブを食う活躍ぶりを見せている(ちなみに本作の武術指導はサルベティ本人)。
このほかにも危険なスタント(序盤で店舗が爆破されて人が巻き込まれるシーンが圧巻)やド派手なカースタントなどが炸裂し、見ているものを飽きさせないようになっている。不満があるとすれば、ラストでスティーブがあんまり暴れないことぐらいか(ガチンコでスティーブVSジェームスのバトルを見てみたかった)。
本作はレンタル落ちのビデオを入手したのだが、これはいい拾い物でした。ちなみに蛇足ですが、序盤で飲んだくれたスティーブがダメ出ししながら見ていた映画は『地獄のアレクサ』だったりします(笑

擂台
The Big Fight/Blood on the Sun/World War of Kung Fu
1972
●タイトルの擂台とは中国語で競争の場みたいな意味があり、功夫映画などでは武術大会のようなニュアンスで用いられている。そんな単語を主題としている本作は、田鵬(ティン・パン)主演の功夫片で、当時『ドラゴン怒りの鉄拳』の大ヒットによって多く作られた反日功夫映画のひとつである。
正直言って話の方はあまりよく解らない。舞台は第二次世界大戦中の占領下にあった中国で、スパイの田鵬や張清清たちが日本軍と闘っていく物語…らしい。中盤からは擂台での闘いとなり、柔道家の呉東橋・空手家の謝興・相撲取りの鄭富雄が敵として立ちはだかっていく。
なお、最初の擂台で呉東橋に挑む挑戦者に若き日の龍世家(ジャック・ロン)が出演している。龍世家と鄭富雄はこの年にデビューした模様で、本作では初々しい姿の両名を見ることが出来るのだ…って、これで喜ぶ人はいるんでしょうかね?(苦笑
で、最終的に擂台は張清清とその仲間たちの奮戦で突破(なぜか主役である田鵬は参戦せず)するものの、報復?によって田鵬の道場は襲撃を受け、大勢の仲間が命を落としてしまう。日本軍は擂台に最後の刺客・易原を投入し、やっとこさ田鵬が駆けつけた時には弟子の戴耀輝が殺されていた。ここで田鵬VS易原で〆…かと思いきや、負けてヤケになった日本軍が民間人に向けて一斉射撃!そして団体戦へともつれ込み、完全に収拾が付かなくなったところで唐突に劇終となる。
物語はご覧の通りお粗末だが、功夫アクションのほうは頑張っている。武術指導は誰なのか不明だが、張徹作品っぽい立ち回りを見せており、年代の割にはそこそこ見られるほうである。個人的には女ドラゴンの張清清とカンフーキッドの戴耀輝(彼が最古の好小子?)に目を引かれたが、先述の通りアクションの配分に少々問題があり、これがもう少しすっきりまとまっていれば良かったのだが…。