『プライベート・ウォーズ』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「プライベート・ウォーズ」
PRIVATE WARS
1993

▼『アベンジャー』といい『ファイヤー・パワー』といい『地獄のアレクサ』といい…個人的にPMエンターテイメントの作品は(ストーリーもアクションも)いつも中途半端な作品ばかりというイメージがあったが、この作品は個人的にかなり良かった作品である。

■刑事のスティーブ・レイズバックは、さえない風貌とは裏腹に格闘技の達人である。が、上司のよからぬ取引現場を目撃してしまった彼は、罪をでっち上げられて警察を首になってしまった。
それから8年後、ロスのダウンタウンではチンピラどもが暴れまわっており、警察も手出しが出来ない無法地帯と化していた。住民は次々と町から逃げ出し、団結して立ち上がろうと訴えていたブライアン・パトリック・チャックも悪党の毒牙にかかって命を落としてしまった。
ブライアンの妹は悪と闘う事を訴え、元刑事の黒人の提案で用心棒を雇うことになった。元刑事は同僚だったスティーブを尋ねるが、彼はこの8年ですっかり腐って酒びたりのダメ男になっていた。用心棒を公募するもののロクな奴が現れず、頭を抱える街の人々。そんな彼らの前にスティーブが現れた。酒をあおり、いかにもダメそうなスティーブだが…?

▲マーシャルアーツ映画では必ずガタイのいいアクションスターが主演を飾るが、本作のスティーブはどう見てもダメ人間にしか見えない。
が、この男がひとたび戦いに飛び込むとあっという間に悪漢を蹴散らしてしまう。スティーブ自身のアクションはあまり派手ではなく、技のキレも特別凄いというわけではないが、強いと思わせる説得力は確かにあるのだ。
本作のアクションは黒幕の側近として登場するジェームス・リューを筆頭に、みんないい動きをする連中ばかり。この中でも注目すべきなのが留置場で仲間になるチンピラコンビだ。
演じているのは『ハードブロー』などにも出演しているヴィンズ・マードッコと、甄子丹(ドニー・イェン)の作品でお馴染みのジョン・サルベティ(!)である。どちらも綺麗な蹴りの応酬を見せており、クライマックスでは完全にスティーブを食う活躍ぶりを見せている(ちなみに本作の武術指導はサルベティ本人)。
このほかにも危険なスタント(序盤で店舗が爆破されて人が巻き込まれるシーンが圧巻)やド派手なカースタントなどが炸裂し、見ているものを飽きさせないようになっている。不満があるとすれば、ラストでスティーブがあんまり暴れないことぐらいか(ガチンコでスティーブVSジェームスのバトルを見てみたかった)。
本作はレンタル落ちのビデオを入手したのだが、これはいい拾い物でした。ちなみに蛇足ですが、序盤で飲んだくれたスティーブがダメ出ししながら見ていた映画は『地獄のアレクサ』だったりします(笑