2010 - 2011年の全世界のMBA出願結果が出揃ってきたようです。今回は、その結果について、この年から見られる合格基準の傾向と特徴についてお話したいと思います。


最初にお断りしておきます。


MBA出願の合否は、様々な要素が絡み合って決定されます。単に英語やGMATのスコアが良いか悪いか、GPAが良いか悪いか、だけでなく、その人のこれまでのキャリアの内容や質、出願時に提出するエッセイの出来具合、面接の出来具合、会社派遣か私費留学か、奨学金が有るか無いか、その年にスクール側が欲している国籍や人材、世界の経済状況、その他諸々の事情が全て複雑に絡み合って総合的に決定されます。なので、一概にTOEFLやGMATが何点で通っているからどうだこうだ、なんて事は根本的には言えません。言えません。


言えませんが、結局普通の流れで行くと、TOEFL80点で合格するMBAなんてありませんし、GMAT400点で合格するスクールも有りません。また、就業年数が1年とかで合格するスクールやGPAが2.0とかで合格しちゃうところも珍しいでしょう。


なので、今日は、表面的である事は分かった上での、


「MBA出願結果 2010-2011 傾向と特徴」


をお話したいと思います。


今回使用するデータは、皆さんもよくご存知のあの大手留学用予備校の中のデータを参考にさせて頂いております。なので、日本人全てのデータをもとに話している訳ではない事についてもどうかご了承ください。


それでは本題に入ります。


今年のMBA出願結果の特徴は、


①TOEFLの合格基準点が遂に下がってきた

②合格者が増えた


の2点だと思います。以下にそれぞれ説明を加えます。



①TOEFLの合格基準点が遂に下がってきた


以前の私の記事でも申し上げました通り、現行のTOEFL ibt は以前のTOEFL cbt に比べて、遥かに難しい試験となっています。もう少し正確に言うと、「日本人にとってはスコア獲得が難しい試験」になっています。喋るのが得意な民族にとっては、リスニングが易化している分、特に難易度に変化は無いように感じられると思いますが、こと日本人にとっては確実に難化しました。


今までのTOEFLや英語の記事をご覧になっていない方のためにそれらの記事のリンクを下記に貼りますので、クリックしてご覧になって下さい。


英語 TOEFL ibt 100 獲得プロセス


英語 TOEFL ibt 100 獲得へ向けた考え方


TOEFL ibt/TOEFL cbt/TOEIC/IELTS 真の換算表


英語力(TOEFL/TOEIC/IELTS)を劇的に向上させるための5条件


TOEFL ibt 100点獲得に必要な8つの特殊能力


TOEFL ibt 本番試験当日に張り巡らす7つの裏技戦略


TOEFL ibt 100点超獲得 日本人が目指すスコア内訳


上記リンクの中でも、TOEFL cbt やその他英語試験と比べてTOEFL ibt が如何に難しいかを語った記事は、上記リンクの上から3番目の、


TOEFL ibt/TOEFL cbt/TOEIC/IELTS 真の換算表


となりますので、どうぞご覧ください。


本題へ入ります。


・・・しかし、2006年、TOEFL cbt をTOEFL ibt に改定した当初、どこのトップスクールでも、そんな事情はお構い無しに、ETSの発表した換算表通り100点でバッサバッサ切り落としていました。


この4年間は日本人にとって、さぞ地獄の時だったでしょう。というか、普通の日本人がちゃんと100点をクリアしてアプライをする、という現象自体が物凄い減った事と思います。帰国子女であるとか、留学経験が何年かあるとか、そういう特殊な方のみがクリアしてアプライするという事になったのだと思います。


スクール側として、本当に英語のみベラベラ喋れる奴だけしか欲しくない、他の能力なんて関係無い、という鉄の意志を持っているならば、それでも良かったでしょう。しかし、ビジネススクールは当然英語は必須ですが、それだけでなく、ビジネスの経験や知識を持ち合わせている人も必須です。この改定によって、おそらくその「ビジネスの経験や知識を豊富に持つが英語が少し苦手な人によるアプライ」が激減、もしくは無くなってしまった事でしょう。それに伴ってですが、日本人自体のアプライが激減してしまった事でしょう。


2011年のアドミッションから、そのような日本人市場の変化に、ようやく世界のビジネススクール達が気づいてきたようです。

多国籍・国際性を意識する世界中のビジネススクール(アメリカでは意識薄いですが・・・)では、もう全然昇り調子では無いにせよ、いまだにアジアの巨大な勢力である日本人を欲しています。日本ではMBA留学自体が全く盛んでは無く目指す人自体が少ない、という条件も加わって、もし今回のTOEFLの改正により、さらに日本人のアプライが減少し、結果として合格者も激減するような事は出来れば避けたいのです。それに、この難化したTOEFL ibt をくぐり抜けられる日本人のみを対象にして日本人を募集すると、今まで英語ではなくビジネスに命を懸けて頑張ってきた経験豊富な日本人ビジネスマンを捕まえ損ねる可能性も有ります。要するに入学する日本人の質が逆に低下する可能性もあります(もちろん、英語もビジネスも両方できるのが望ましいのは当然です。それに本当に優秀ならば、英語だってスパッと出来てしまうはずです。いろいろ割り引いて聞いて下さい)。


そんな事で、日本人に対するTOEFL ibt の合格基準点が下がってきたようです。


もちろん、最初にも述べましたように、MBA出願の合否は様々な要素が絡み合って決まりますので、一概に英語の点が高いから低いからどうだ、なんて言えません。言えませんが、全体の流れとして、どう見ても下がってきているので、今回は


「世界のトップスクールでTOEFL95点以下で合格を出してしまったスクール」


を発表したいと思います。使用したデータは、日本全てを表しているものではありません。他にもたくさんいろんな例があると思います。が、僕はこれしか手に入れれなかったので、この情報で語ります。


それでは、



ジャァーン!



英国MBAと時の部屋-ランカスターMBA-


上の表を見て頂くと分かりますが、今年はTOEFL95点以下で、こんなにもの人たちが合格しています。


いえ、もちろんこれにはいろいろなカラクリもあると思われます。


まず、「職歴や所属会社で、通り易い人は何処受けても通り易い」ということです。おそらく、上記の


・Carnegie Mellon、Purdue、North Carolinaを受けている人


・Duke、Vanderbilt、Washingtonを受けている人


・ESADEとIEを受けている人


・HECとIEを受けている人


・PurdueとWashingtonを受けている人


は、それぞれ同一人物でしょう。


それに、MBA出願の合否には、


「会社派遣であるか否か」


が非常に大きく影響します。もし出願者が会社派遣で受けているのであれば、TOEFLやGMATの合格点もかなり下がります。スクール側から見れば、それら出願者達は既に会社内の厳しい社内選抜を勝ち抜いた人達でありますので(実際にそうですし)。


あと、就業年数でも英語やGMATの基準点が若干変わることもあります。英語は得意では無いけども、今までの百戦錬磨のビジネス経験により、クラスに多大な貢献をする事が見込める人であれば、合格を出す可能性があるからです。


そんな事で、ここでは珍しい例を探すために、上記表の中で会社派遣では無い人の項目はオレンジ色でハイライトしました。このオレンジ色のケースを見ると明白に分かりますね。ESADE、IE、Washingtonのこれらの例はこれからのMBA出願者を勇気付けてくれますね。


それに加え、就業年数による優位を無くすために、会社派遣ではあるけれども、TOEFLが95点以下で、就業年数が5年以下の人達の項目を青色にしました。これらの例も凄いですね。全部凄いですけど、中でもCambridge(ケンブリッジ)のTOEFL91点でGMAT無しは一番凄いですね。ケンブリッジ出願しとけば良かった、畜生。


おまけですが、個人的には、会社派遣で就業年数が不明なケースではありますが、TOEFL93点、GMAT570点でVirginia Darden(ヴァージニア大学)も物凄いケースだと思います。


そんなこんなで、いろいろな要素はあれども、全体的な流れとして、今年のMBA出願のTOEFL合格基準点は、


「軒並み下がった」


ようです。


ちなみに、以下に、そんなご時勢でも、全く動じずに100点以上を合格点にしているスクールを挙げます。


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スクール名:確認出来る合格最低点

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Columbia(コロンビアMBA):102

Cornell -Johnson-(コーネルMBA):105

Dartmouth -Tuck-(ダーツマウスMBA):105

Harvard(ハーバードMBA):109

IMD:101

INSEAD:105

London Business School:102

MIT -Sloan-:102

New York -Stern-(ニューヨークMBA):102

Northwestern -Kellogg-(ノースウェスタンMBA):101

Stanford(スタンフォードMBA):107

UC Berkeley -Haas-(バークレーMBA):102

UCLA -Anderson-:101

Chicago -Booth-(シカゴMBA):105

Michigan -Ross-(ミシガンMBA):103

IESE:99(惜しい!)

Oxford -Saiid-(オックスフォードMBA):110

Pennsylvania -Wharton-(ペンシルヴァニアMBA):101

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②合格者が増えた

おまけのおまけのお話ですが、①の影響で相対的に合格者が増えています日本からの留学生や目指す人達は、世界の流れに逆らって減少の一途を辿っています。不況やもともと日本人の根底にある保守的な心が作用しての事、あとは日本は既に比較的優秀な大学を備えている事が要因だと思います。しかし、今年は日本人のMBA留学生や合格者は、若干持ち直しているんです。なので、たぶん日本国としての合格率は少しですが上がったのでしょう



終わり。