慢性期病院に勤めていた頃、STさんや看護師さんやご家族さんが、患者さんに嚥下訓練や食事介助をしている場面を見て、いつも思ってました「それ、誤嚥させてますよ!」

 食事をとっている姿勢を見ると、大体わかります。アゴが上がって、首が前に飛び出して、背中が丸まってて...パーキンソン関連疾患や脳卒中の患者さんがご高齢になると大体そうなってきます。

 だからそういう患者さんの場合、極力食事の前にPTの時間を入れさせてもらってました。このような姿勢の多くは硬くなった筋肉と関節が原因で、後頭直筋や胸鎖乳突筋、環椎後頭関節(C0-1)の硬さをほぐします。

 すると治療直後に患者さんが「ごくっ」と生唾を飲まれます...それまでにどれだけ色んなものが、気管のほうに流されていたことか~ (> <)

 また、たとえ誤嚥しても、咳をする力と肺の換気量が保たれていれば、誤嚥性肺炎の発生率は減らせるのではないかとPTとして感じます。

 やっぱり嚥下と呼吸と栄養は、チーム医療なんですよね☆

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  胸水とは、肺と肋骨の間にある胸膜内に、通常よりも多くの水が溜まる症状です。「理学療法で胸水が減る」と言うと、にわかには信じ難いかもしれませんが、私が呼吸理学療法を行っていた時期によく経験しました。

 胸水には2種類あります。炎症性の滲出性(しんしゅつせい)胸水と、非炎症性の漏出性(ろしゅつせい)胸水です。残念ながら、前者の癌性胸膜炎に伴う胸水等は、理学療法では改善しないか悪化することもあります。
 
 漏出性胸水は、多くは心不全患者さんにみられますが、私がよく経験するのは、COPD等の呼吸器疾患の増悪に伴って心不全も悪化し、起こった胸水です。もちろん、心不全の薬物治療も入院時から併用されていますが、理学療法介入直後から、より速やかに胸水の減少を認めます。
 
 胸部レントゲンでは下記のような変化を見ます。PT介入前から心不全の薬物療法は行われていましたがあまり変化なく、PT介入直後より数日の間に胸水が急速に吸収されました。同時に胸郭の動きも改善しています。
胸水 

 機序として考えられるのは、胸郭可動性と横隔膜活動性の改善によって心肺の拡張・縮小の幅が大きくなり、心ポンプ作用を後押したり、肺血流を改善したり(肺水腫に対するNPPVのような作用?)とか、色々です。

 これ、きっちり研究するのに十分値する現象です...と私は思ってます。
 手足の浮腫みや関節の浮腫みがPTで改善するのだから、肺もイケるんじゃないかな。もちろん患者さんは呼吸苦が減って大変喜ばれます!

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 治療家さんの痛み自論や、患者さんの痛みあるあるをお聴きしたくて、今日はこのテーマにしました。よかったらコメントくださいm(_ _)m


 私は一時期、外来でいわゆる有痛性疾患(肩膝腰痛、OA、リウマチ)の患者さんの理学療法を行っておりましたので、以下は主にそのときの経験からですが...

 痛みの部位って、治療していると基本的によく移動します。はじめは肩が痛かったけど、段々と肘に移ってきたとか。でもこれは良い徴候(サイン)であることが多いです。痛みが手先や足先に移動してゆくのは、痛みが治ってゆく過程でよく見られました。「そのうち指先から痛みがポンッて抜けますよ~」なんて冗談で言います。

 逆に移動しない痛み、常に同じところにある痛みというのは、やはり器質的・病理的な変化(炎症や変性)が起こっている可能性もあり、あまりよい徴候とは思えません。私の治療がヘタなだけでは?と言われるとツライですが...汗

 また痛む時間帯についても、何やらありそうです。朝方は痛いが、動かしているうちに痛みが軽くなるのは、もっと動かしていいサインです。徒手治療の反応もよいです。逆に、朝昼まあまあで、夕方ごろから痛くなってくるのは、身体の使い過ぎ・動かし過ぎです。弱った筋肉や動きづらくなった関節の機能以上に、体を酷使しているのかもしれません。少し活動量を抑えましょう。

 ちなみに夜間痛は、やはり炎症徴候であることが多いと思います。そうでないこともありますが、まず疑います。触って熱いか分からない時は、左右の同じ部位に氷を当てて、溶け具合いで判断できます。

 痛む部位の特徴(筋腱移行部に多いとか)や、痛みの治り方の特徴、痛みの聴き方、その他何でもよいですから、痛みについてのコメント、お待ちしてます
(。・ω・)ノ゙

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 拘縮にも、治しやすい拘縮と、治しにくい拘縮があります(当たり前かな?)が、もう一つ、治してはいけない拘縮というものもあります。

 そもそも拘縮というのは、身体の筋肉や腱、関節、皮膚などの結合組織が硬く、太く、くっつき合って、伸びなくなった状態です。四肢でも体幹でも、拘縮は起こります。よく骨折後の患者さんや寝たきりの患者さんに見られますね。そしてよく言われるのが、「痛いからって動かさないと、固まっちゃうよっ!」です。

 でも本当は、痛いのは拘縮じゃないんです。前の記事にも書いてますが、痛くて硬いっていうのは、そこに筋スパズムが混じっているからなんです(→筋スパズムとは

 純粋な拘縮は、痛みなく最終可動域でカチッと止まります。純粋な拘縮は治療すると2~3か月かけてゆっくり伸びてゆきますが、痛みやスパズムがあると伸びてくれません。また拘縮を無理に早く伸ばそうとすると、かえって線維が硬く、太くなって伸びなくなります。アキレス腱縫合術後の理学療法で、足関節の背屈制限が残ったり、腱が太く肥厚してしまってるのは、誤った治療をしたからです。

 つまり、治せる拘縮とは、痛みや筋スパズムを伴わない純粋な拘縮です。痛みがあると防御性収縮→スパズム→拘縮の再発や進行が起こるからです。拘縮の治療は痛みを出さないように時間をかけて、少しずつ元の長さに延ばしてゆくことが大切です。私は徒手治療に合わせて、低強度の超音波も時々使用します。
 整形術後でも、五十肩でも、リウマチでも、脳卒中やパーキンソン病でも、疾患に関係なく拘縮は治せます。ただし、強直になってしまうと治療は困難です。

 治すのが難しい拘縮もあります。これに関しては私の技術不足もありますから、一般化はできませんが。いつも難渋するのは、慢性期で寝たきりの脳卒中患者さんで、強い麻痺と屈曲反射と拘縮と伸張痛があり、なおかつ認知症のため治療の協力が得られにくい方。訪問リハや介護療養棟でよく担当するケースですが、改善した経験がなく、いつも本人と家族さんに申し訳なく思ってます。Overstretch・Overuseを繰り返してできた長期の拘縮も、治療が難しくなります

 そして、治してはいけない拘縮というのは、骨折後にまだ骨癒合していない状態の拘縮です。骨折すると、その周辺の筋肉や関節は必ず拘縮を起こします。そうやって固めないと、折れた骨がくっ付かないからです。生理的なギプス固定ですね。それなのに、無理にその拘縮を“治して”しまうと、偽関節といって、骨癒合しなくなります。内固定の甘い術後患者さんに起こります。非常に恐いです。

 痛みや拘縮といったものも、骨や関節や臓器を守るために、必要があって起こるのかもしれませんね。その理由を体に聴いてあげる必要がありそうです。


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 ある日、脛骨(けいこつ)の骨幹部骨折で、髄内釘固定術をした患者さんの担当PTになりました。原付バイクで走行中に転倒事故を起こした、女子高生のAさんです。

 リハビリ初日、ケアさんに車いすで連れて来られたAさんに私は愛想よく挨拶します。「こんにちは!担当になったgreenでぇす、よろしくぅ」

...しかしAさん、なぜか仏頂面で私と目も合わさず、髪をイジり続ける。
 「あ、ははは(^_^;) じゃ、じゃあ、早速リハビリを始めましょうか~」
 それから治療台に移ってもらい、色々と会話を試みるが、「...うん」or「別に...」の2パターンしか返ってこない。「(なんだ、このエリカ...あ、いや、患者さまは...俺がこんなにフレンドリーに話しているのに...焦)」

 やむをえず不信関係?のまま治療に移ることに。事前情報によると、骨折側の膝が拘縮し始めており、主治医や看護師さんが膝を曲げようとしても、Aさんが激しく痛がって曲がらないとのこと
 触ってみると膝に軽度の熱はあるが、腫脹はさほどなし。しかし大腿直筋がパツパツに張ってます。膝を曲げようとすると「痛いっ!(`O´)」
とAさん、機嫌がますます悪くなる。防御性収縮&逃避反射で、膝を全く曲げられません(60°程度)。

 うーん、仕方がない...奥の手?を出すか...Joint mobilizationやAKA、SJF、その他の関節治療を用いられている方はご存知でしょうが、このような痛みと筋スパズムを伴う可動域制限の場合は、炎症以外に関節機能障害と関連痛の関与が考えられます(詳しくはまた後日)。

 そこで関連痛のもとを治療するため、側臥位で脊椎や骨盤の関節を治療します。その間、Aさんは?...うぐっ!携帯電話をイジってらっしゃる...まぁ、治療拒否がないだけマシか。私一人で黙々としゃべり続ける。

 治療関節の動きの変化と、大腿部の触診のみで反応を探り、ハイ、完了。「じゃあ、上向きに戻ろうか~」「ごめーん、あと1回だけ膝を曲げさせて~」...Aさん、黙々と携帯イジり続ける。えーい、知るかっ

私 「いくよ~、せ~のっ」 スコーン(踵がお尻に着きそうになる)
Aさん「うそ!? すっげぇ曲がる!」

 どやっ、見たか、小ムス...いや、お嬢さん。これがセラピストやで。きっと色んな人から無理に曲げられて、不信感ができてたんですね。

 結論からすると、Aさんの可動域制限の原因は、関節機能障害からくる関連痛と筋スパズムだったとさ。拘縮だったら、こんな一瞬では治りません。そして純粋な拘縮だったら、実は痛くありません。

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 患者さんの症状で、けっこう困ってしまうのが痺れ(しびれ)です。私個人の経験上は、シビレの治療は今一つ、うまくいきません。痛みは治っても、シビレが残るという患者さんが多いんです。

 シビレも、ジンジン、ピリピリ、チクチク、など訴えられ方は様々です。「手(足)に膜をはった感じ」なんて感覚鈍麻に近いものもあります。

 頸椎や腰椎のあたりで脊髄や神経根が圧迫されて起こるシビレは、必ず決まった領域に出るように、体はできています(神経支配領域:デルマトーム)。おまけに特定の筋肉が麻痺してヤセてくるので、検査をするとすぐに分かります。その場合は手術や安静が第一となりますが、実際にはそういう神経障害がはっきりしない漠然としたシビレのほうが、ずっと多いです(足先や手先が全体的にシビレるとか)。

 また糖尿病、脳卒中、癌、抗がん剤やステロイド治療をされている方、閉塞性動脈硬化症の患者さんもシビレの訴えが多いです。しかしこちらの場合は多くは病気からくる神経障害が起こっている可能性が高いので、難治するのかもしれません。

 いずれの状態であっても、主訴がしびれであれば、必ず理学療法を試みるのですが、挫折することのほうが多いような気がします。

 シビレ治療がうまくいった経験のある方、または実際に治療を受けて軽くなったよっていう方、よい治療法があったら、ぜひ教えてください。

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 今日は軽い話題を...なんて言ったら、便秘に苦しむ方たちに怒られますね、すみません。確かに便秘は、人によっては危険なものです。

 患者さんの便秘症の治療というのもよくやります。治療家の方はよく分かると思うのですが、腰痛症の患者さんは便秘が多いですよね?腰のレントゲンを見ると腸内にガスがよく溜まって見えます。あと、COPDという慢性呼吸器病の方にも非常に多いです。共通点としては、お腹や背中周りの筋肉がカッチカチだという点です。やっぱり腸蠕動に影響してるのでしょうか。

 治療法としては、側臥位で下位肋骨、腰椎、骨盤の関節をすべてゆるめて(Mobilizationですね)、股関節周囲筋をストレッチして、最後に骨盤を軽く揺らしたり、振動を加えたり、腹部のマッサージを行っていると、お腹が「キュルキュル」と鳴り始めます。反応の良い人はその場でオナラが出たり(皆さん申し訳なさそうにされますが)、治療中に「下りてキター!!」と慌ててトイレに駆け込む方もいます。

 以前の話ですが、ある進行した肝硬変の患者さんが入院されました。腹水と高アンモニア血症があり、独居の方だったんですが、これまでも度々“肝性脳症”を起こしては、入退院を繰り返していました。しかもその再発のサイクルが数週間程度に段々と早まっている状態でした。別の診断名でリハビリが始まり私が担当したのですが、この患者さんがまさに腰痛持ちの便秘症でした。

 肝臓病の方にとって便秘は大敵です。便から出るアンモニアが腸内に溜まり、それが血液に入って、脳を傷害する肝性脳症という危険な状態となるからです。

 そこで便秘の治療を行った結果、入院中にその患者さんの排便コントロールは随分改善されました。しかし退院後、また便秘→肝性脳症の再発という不安があったため、担当の訪問看護師さんから依頼があり、私はしばらく訪問リハビリでご自宅に伺うことになりました。結局、数か月後にはまた再発・再入院されたのですが、その間の在宅期間はこれまでで最も長いものでした。その後、しばらくその訪問看護ステーションでは「便秘リハビリ」が流行りましたとさ。

 う~ん、決して軽い話題ではなかったですね...ではまたm(_ _)m

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 浮腫みの患者さん、非常に多いです。ヒトの体の60%は水分ですから、体の異常事態は、すぐに水分バランスの異常にもなるわけですね。手足だけじゃなく脳や肺も浮腫みますね。浮腫(ふしゅ)とも言います。


 浮腫にも色々ありますが、療法士が治せる浮腫は機能的原因のもの
 代表的なのは、女性に多い「最近、足が浮腫みやすくてさ~年かな?」の、あのタイプの浮腫です。
 通常、血管は自律神経(交感神経)に命令されて、縮んだり伸びたりと勝手にうまいこと運動して血液が停滞しないようにしてくれますが、この自律神経機能が痛みや疲労、体質、加齢などによって乱れてしまう、血管運動も機能しなくなって、血液(静脈血)が溜まり、浮腫むんです。

 病院では骨折などの術後患肢や、脳卒中片麻痺の肩手症候群でよくみられますが、それ以外でも長期間痛みのある部位(手足など)では、よ~く観察すると、健側よりもわずかに浮腫んでいることが多いです。

 これらの浮腫みは治せます。同時に痛みと冷感(冷え)も治ります。治療を始めると、その場でみるみる引いてゆくのはこのタイプの浮腫

 ちなみに浮腫に温熱療法を行っても、直接の効果はありません。温熱療法は血管を拡張させ、「血液循環」の“循(すなわち動脈血)”の量を増やすものです。一方、浮腫は“環(静脈血の戻り)”の問題ですから、ヘタをすると余計に血液が集まって溜まり、浮腫みます。

 局所性の浮腫では、他にリンパ浮腫があります。これは例えば癌の摘出術に際して、周辺のリンパ節を取り除いたり、放射線治療をすることで、リンパの流れが遅延もしくは停滞して手足が浮腫むものです。
 この場合、リンパの還流が他の周辺通路から少しでも可能なら、リンパマッサージや圧迫包帯などで浮腫みを治すことができますが、リンパ管の流路が完全に閉塞してしまうと、治療は難しいようです。

 全身性の浮腫は、心不全で全身の血液がうっ滞したり、腎不全で塩分・水分(尿)の排泄が減ったりして生じます。これは病気の治療+利尿剤によって治ります。全身性浮腫ではPTの出番は、あまりありません。

 しかし、癌、炎症、感染が活動期にあって治療が難しい場合を除けば、浮腫みを治すために一度理学療法を行ってみる価値はあります。器質的な浮腫に、機能的な浮腫が混じっていることが多いからです

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 ある時、外来リハビリで来た左視床出血で右片麻痺の患者さんの話。患者さんが訴えるには「歩く時に右足を着いてる感覚がない」とのこと。簡易型のプラスチック短下肢装具を履いて、杖歩行をされてます。視床出血ですから、もちろん感覚障害を疑い、実際に軽度鈍麻ではありますが、歩く時の足の感覚が鈍ってきたのはここ最近とのこと。

 歩行分析をするとガチガチにspasticな歩き方。尖足で、膝過伸展で、分回し...おなじみの歩き方ですね。装具での制動も不十分でした。

 触診すると、安静時でも底屈筋群はバッチバチ。そこで筋肉の緊張をまずは弛ませます。『痛みに振り回されないように』のブログにも書きました、筋スパズムというやつを探すわけですね。スパズムありました!実際、最近は右足~膝に痛みもあったとのことでした。治します。

 その後全身を調べると、あちこちの筋肉がガッチガチ。そういやぁ肩も痛い、あぁそこも痛い~なんて、結局全身の治療を行います。後から分かったことですが、この方、普段歩き過ぎてたんですね。

 さぁそしてようやく、再度、歩行分析をします。患者さん立ってみる...「あれ!? 足を着いてるのが分かる!!」おお!視床出血による感覚障害が20分で治った?...そんなわけないですよね。

 これ、ちょいちょいある話です。脳卒中片麻痺で異常歩行を呈している方の場合、筋の過緊張からアライメントが片寄っていて、足部の触圧覚や足膝の関節覚の情報(荷重感覚)が正しくフィードバックできてないようです。まだ想像ですが...

 その後は腸腰筋や背屈筋などの使えていない筋肉を活性化し、さらに実際の歩行の中で必要な動きを再教育しながら、スムーズな歩行・歩容へと修正してゆきます。これでまた+20分。

 一番改善が見えやすいのは、やっぱり歩幅の拡大でしょうか。特にガチガチの患者さんの場合、遊脚期の変化が顕著に表れます。こわばった振り出しが直ります右片麻痺に多いパターンですね。逆に左片麻痺の場合は、立脚期の不安定さ(膝折れ)が問題となることが多いです。これにも膝のコントロールの再教育法があります。

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 ここ数日、急に寒くなりました。そうなると病院では呼吸器の患者さんが増えます。肺炎・気管支炎のため急性増悪したCOPD患者さんや、高齢な誤嚥性肺炎の患者さん、肺癌や間質性肺炎の方もちょくちょく。病棟では看護師さんが「パルスどこー!?」、「吸引お願いしまーす!」なんて、走り回られてます。

 呼吸器の疾患をもつ患者さんの訴えとして最も多いのは、「息切れ・呼吸苦」。理学療法士にはその症状を治す技術があります。厳密には「完治」ではなく、「軽減」ですね。患者さんはこの症状が軽くなることでより活動的に動くことができます。

 一度壊れた肺組織は元に戻りませんが(肺気腫など)、その肺を取り囲んでいる「胸郭の硬さ」と「呼吸筋の弱さ」は治療できます。ちゃんと治療できて初めて、『実はこの患者さん、もっと楽に呼吸できたんだ』 あるいは『もっと動けるんだ』ということが分かります。ちゃんと治療できてない療法士やその担当患者さんは、残念ながら本当の自分の呼吸機能や活動能力に気付くことはありません。それぐらいカチカチのヨワヨワになった筋肉や関節が呼吸循環機能に与える影響は大きいです。臨床で治療してると私も患者さんもびっくりします。

 ここの治療は薬ではできません。手術でもできません。理学療法しか方法がないんですね。だから適切な治療をしなきゃいけない。

 たとえばCOPDの患者さんは胸郭がちょい吸気位で固まってます。残気量の多い、いわゆる樽状胸郭ですね。あれ、胸郭が開いたままで固まってるから吐けないんです。気管支の虚脱と肺胞破壊とで、エアートラッピングされてるだけじゃなさそうです。そっちは気管支拡張薬の仕事になります。でもそれだけでは空気は出ていかない。胸郭がしぼもうとする弾性が失われてますので。吸気位で拘縮しているんです。

 胸郭~腹部周囲のカチカチ・ヨワヨワが治ると、ほかにも副次効果が出ます。「お腹の張りが取れた」、「便秘が治った」、「胸の圧迫感や絞扼感(こうやくかん)が取れた」、「ノドのつかえ感が取れて、食べ物が飲み込みやすくなった」、「肋間神経痛(と言われていたもの)が治った」、「よく眠れるようになったetc...

 もちろん最大の効果は息切れ・呼吸苦の軽減です。まぁ呼吸機能がよくなる分、歩く距離も増えるので、結局前と同じくらい息は切れてくるのですが、休憩時の回復が早まったり、頻脈が改善したり、疲労感が減ったりという効果は残ります。

 いつかこのブログで実際の患者さんの話もしてみたいと思います(治療頻度や方法なども)。レントゲン像やスパイロメータの値も変化するので、療法士も患者さんにとっても、とても興味深いです。


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