浮腫みの患者さん、非常に多いです。ヒトの体の60%は水分ですから、体の異常事態は、すぐに水分バランスの異常にもなるわけですね。手足だけじゃなく脳や肺も浮腫みますね。浮腫(ふしゅ)とも言います。


 浮腫にも色々ありますが、療法士が治せる浮腫は機能的原因のもの
 代表的なのは、女性に多い「最近、足が浮腫みやすくてさ~年かな?」の、あのタイプの浮腫です。
 通常、血管は自律神経(交感神経)に命令されて、縮んだり伸びたりと勝手にうまいこと運動して血液が停滞しないようにしてくれますが、この自律神経機能が痛みや疲労、体質、加齢などによって乱れてしまう、血管運動も機能しなくなって、血液(静脈血)が溜まり、浮腫むんです。

 病院では骨折などの術後患肢や、脳卒中片麻痺の肩手症候群でよくみられますが、それ以外でも長期間痛みのある部位(手足など)では、よ~く観察すると、健側よりもわずかに浮腫んでいることが多いです。

 これらの浮腫みは治せます。同時に痛みと冷感(冷え)も治ります。治療を始めると、その場でみるみる引いてゆくのはこのタイプの浮腫

 ちなみに浮腫に温熱療法を行っても、直接の効果はありません。温熱療法は血管を拡張させ、「血液循環」の“循(すなわち動脈血)”の量を増やすものです。一方、浮腫は“環(静脈血の戻り)”の問題ですから、ヘタをすると余計に血液が集まって溜まり、浮腫みます。

 局所性の浮腫では、他にリンパ浮腫があります。これは例えば癌の摘出術に際して、周辺のリンパ節を取り除いたり、放射線治療をすることで、リンパの流れが遅延もしくは停滞して手足が浮腫むものです。
 この場合、リンパの還流が他の周辺通路から少しでも可能なら、リンパマッサージや圧迫包帯などで浮腫みを治すことができますが、リンパ管の流路が完全に閉塞してしまうと、治療は難しいようです。

 全身性の浮腫は、心不全で全身の血液がうっ滞したり、腎不全で塩分・水分(尿)の排泄が減ったりして生じます。これは病気の治療+利尿剤によって治ります。全身性浮腫ではPTの出番は、あまりありません。

 しかし、癌、炎症、感染が活動期にあって治療が難しい場合を除けば、浮腫みを治すために一度理学療法を行ってみる価値はあります。器質的な浮腫に、機能的な浮腫が混じっていることが多いからです

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