初心者に一番おすすめの素材はオーブンねんど(スカルピー)かも
いままでずっと「ニューファンドはいいなあ。安くて使いやすくて」とさんざんいってきましたが、最近ちょっと見方が変わり始めました。
ニューファンド(石粉ねんど)はまず六百円程度で買える。硬化後もヤスリがけやナイフでの加工がやりやすい。オーブンに入れればすぐに乾燥できる。というメリットがたくさんあります。でも特にニューファンドは表面だけは乾燥が早い。細かい部分を念入りに満足いくまで作ろうとしても、数十分で固くなる。水で濡らせばすぐに柔らかくはなる。でもふやけてヘラやスパチュラによる精密な加工は、やりにくい。
そこで「形作りがまったくわからない初心者に一番いい素材は?」と考えたとき、「熱を加えるまで固まることのないオーブンねんど類=スカルピーが一番ではないか」と思うようになりました。ただスカルピーはやや高価。加熱したとき化学物質が出るため「模型専用のオーブンが必要。さらに温度調節機能が必須」という初期費用が高くなり、初心者が手を出すにはハードルが高くなるのがネックです。
スカルピーなどのオーブンねんどは「フレッシュ(肌色)」で作ると肌を塗る手間が省けるというメリットも大きい。今はフレッシュカラーのスカルピーがあるので(僕がフィギュア作りを始めた頃はまだなかったと思う)、それを使えば一番おすすめです。
ただしフレッシュは形状の把握がしづらい色なんですね。一倍いいのはグレーです。スカルピーよりもさらに高価ですが「プレモ」というカラーねんどのフレッシュを肌色の部分だけ使って、ほかはグレースカルピーで作るというのも有効です。
この場合パーツのつなぎ合わせをどうするかという課題が生まれます。分割して作るのか? それとも同時に焼き固めてひとつのパーツにしてしまうのか? これはポージングによります。衣服と手足が離れていれば別々に作れますが、僕が今作っている子たちのポーズは服に密着してるので分割不可能でした。そのためカラー粘土で作っていたら三倍手間がかかると判断し、作りかけたものを思い切って破棄したのです。
ちなみにスカルピーなどのオーブンねんどの接着には「リキッドスカルピー」というものを付けてオーブンに入れるとくっつきます。
綺麗な肌色を塗装で表現するには「筆塗りではほぼ不可能」というより、エアブラシ以外で女の子フィギュアの肌色を仕上げたという話を聞いたことがありません。これがミリタリー系の渋い兵士フィギュアなら筆塗りでもリアルな質感を出せるのですが、同じ技法を女の子フィギュアに用いると、よれた感じというか泥まみれというか、すくなくとも皆さんが見たことがある「完成品フィギュアの透き通るような肌の色」には、まずなりません。
今はニューファンドをメインで作ってますが、手順は「スパチュラなどでおおまかに形を作る」→「精密さが必要な箇所はヤスリとナイフで少しずつ削って仕上げる」という二段階を踏んでおります。初心者にはこの方が「時間はかかるけど、完成する可能性は高い」という持論は変わりません。ただすでに形作りを身につけた僕の場合だと「二度手間」だと感じて苦痛になってくるんですよ。はい、ぶっちゃけました。
「スパチュラをいくら試してもうまく作れないよ」という人は「盛りつけてから削って仕上げる方が得意系」の人かもしれません。そういう方は素材をポリエステルパテ(ポリパテ)に変えるか、アルミホイルなどを芯にしファンドの塊を作って、そこから削り出すといいかもしれません。
そういう方へのおすすめ書籍はこちら。「フィギュアの達人 上級編」あるいは「フィギュアの教科書 原型入門編」がおすすめ。
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