今日から2月か
早いもので2月突入。プロ野球のキャンプインやら首都圏の中学入試本番やら話題は盛りだくさんですが,私は朝→昼→夜と目の前の仕事をこなすのが精一杯。
ちょっと疲れて帰宅です。
朝は高1生向けの予備校講座。今日から整数を扱い始めたものの,クラスのほぼ全員が「苦手」と自己申告するくらいなので,ゆっくりと進めました。それでも苦戦する者多数。
余りによる分類は,中学時代に経験しているかどうかで大きく手の動きが異なるので,今できないのは仕方がない。でも,放置したりあきらめるのはもっとよくないのでなんとかくらいついてほしい。
テキストで例題をこなしたあと,こんな問題にチャレンジ。
a^2+b^2=121212となる整数の組(a,b)は存在しないことを証明せよ。(2012信州大・医)
考え方はセオリー通りに,
①a,bがともに奇数→ダメ
②a,bがともに偶数→ダメ
③a,bの一方が奇数で他方が偶数→ダメ
の3パターンを説明すればよいのだが,面倒くさいからなのか,この考え方に納得がいかないからなのか,朝だから眠いのか・・・,全体的に手の動きがキレていない。
ということで,わかりやすい事例で解説することにした。クラスに女子が多いので,
気になる男子(それほど仲良くない)にバレンタインのチョコをあげるシチュエーションで考えるぞ!いきなり渡すとドン引きされるので,「今から少しずつ自分のことを相手に印象づける」という作戦を考えよう。
たとえば・・・
①毎日駅で張り込んで,「あれ?この子毎日見かけるな」と印象づける
②友達から紹介してもらってLINEのやりとりを始める
③その他もろもろ
色々な作戦が考えられるだろ。考えられるものをすべて試して,その結果がうまくいかなかったら「彼の心に私は存在しない」ってことで,あきらめもつくってもんだ。
この証明も同じなんだよ!色々なパターンを全部試して「全部だめでした」という結論を持ってくればいいの!この問題のほうが例題と同じで「偶数と奇数」に分ければいいんだから,バレンタイン作戦より簡単だし楽だろ!
なるほど,と思ったらいつまでも笑ってないで手を動かせ!
なんてことを一人で叫び続けたのが,朝9時半頃。そりゃ疲れるはずだ。
「リケジョ」が増えるといいな
病気が無効になる日も近い? あらゆる臓器や組織になれる「万能細胞」として、これまでES細胞と..........≪続きを読む≫
いわゆる「リケジョ」が,先輩方の「常識」「通説」につぶされそうになりながらもあきらめず,ついに大発見を成し遂げたというサクセスストーリー。
理系を目指す女子にとっては,これ以上ないお手本になりそうです。過去の記事では
あたりで,「リケジョ」の話を取り上げたっけ。
塾予備校業界では,彼女が「早稲田大学理工学部のAO入試1期生」だったことも注目されることでしょう。集客ツールとしてのAO入試ではなく,本来の目的が彼女の履歴からクローズアップされるのであれば,大歓迎といったところですか。
今回の報道から,「理系に進みたい」と考える女子が増えてくれることを願ってます。うちの子どもたち(ともに男)も理系だけど,彼女みたいな根性はとてもない・・・。
で,無理やり自分の仕事へ,皆さんの日常へつなげよう。
小中学生のうちに算数・数学,理科をしっかり勉強しておくんだよ
結論はいつもここに行きつく。一般入試でもAO入試でも入口は何でもいいけれど,土台となる学力がアヤフヤだとその入口に立つことすらかなわない。ただし,
テストの点数のための勉強
ではダメだ。テストで点数が取れることは通過点でしかない。そこはゴールではなく,
三日三晩寝なくてもよいくらい没頭できる
くらい興味関心のある分野に巡り合っておくこと。それが彼女の場合だと「人間の生命」「再生医療」だったんだね。
公立高校入試問題(数学)の正答率に衝撃・・・(2)
公立高校の入試問題(数学)で,正答率が低かった問題を紹介していきます。もちろん,難問奇問の類ではなく, 算数や数学からずいぶん離れている方であっても解ける問題(つまり,『えっ,今の中学生はこんなのが解けないのか!』とびっくりするもの)です。
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2013年度 福島県大問4 正答率8.3%
ある中学校の生徒全員が,○か×かのどちらかで答える1つの質問に回答し,58%が○と答えた。また,男女別に調べたところ,○と答えたのは男子では70%,女子では45%であり,○と答えた人数は,男子が女子より37人多かった。この中学校の男子と女子の人数をそれぞれ求めよ。求める過程も書け。 (正解は男子130人,女子120人)
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中学生の「割合に対する苦手意識」に注目するべきなのか,「問題文を読み込んで式を作る」ことができないほうに注目するべきなのか,判断に迷うほど「どうして,これが解けないのだろう???」と悩む指導者も多い事でしょう。とにかく正答率8.3%はひどいと言わざるをえない。
ちなみに,2013年実施の「全国学力・学習状況調査」によると,福島県の中学生が,
数学Aの正答率が61.0%(全国公立平均63.7%)
数学Bの正答率が38.1%(全国公立平均41.5%)
と全国平均に比べても苦手意識が強いことは割り引いて考えておく必要がある。ちょっと気になったので,小学生の調査結果にも注目したところ,
算数Aの正答率が76.4%(全国公立平均77.2%)
算数Bの正答率が55.3%(全国公立平均58.4%)
と,主に「活用」を問うBの正答率が小学生の段階から低いことがわかる。
このことから,我々保護者が知っておきたいことは
小学生のうちから「大人が正しく手を入れて,早め早めに躓きのもとを取り除く」ことをこまめにやっておかないと,中学生以降での修正は難しい
子どもの学習履歴をチェックする際には,「知っている,習ったことがある」のレベルで止まっていないかどうかを確認することが重要→算数・数学では「なぜ?どうして?」を意識させ,立式1つをとってもその理由をチェックすることが大切(答えの正誤だけ確認しても意味がない)
などなど。
資格,手に職といった視点から理系への進学を希望する生徒が増えている中,彼らの行く手に立ちはだかる最も高い壁が「数学」であることは事実。ここで紹介した問題からといって、全国学力調査の結果が良好だからといって夢が実現するとは限らないが,ここで躓いているようでは彼らの前途は決して楽なものではない。
共働きで忙しく,子どもの日常にかまってあげられない
という方が多いことも重々承知しているが,目先の忙しさにかまけて「子どもたちの今」を軽視していると,後で倍返しが待っている・・・,ことも覚えておいてほしい。
東大推薦入試 欲しいのはどんな高校生?
2015年秋から実施される,東大の推薦入試の概要が発表されていた。
欲しいのは超高校生級?…東大、推薦入試の概要
読売新聞 1月29日(水)11時45分配信
東京大学は29日、2015年秋から実施する推薦入試の概要を発表した。
(中略)
東大の募集人員は約3100人。16年度入学者向けの2次試験から後期日程を廃止し、その分の定員100人を推薦入試に振り分ける。学部別では、工学部が30人程度。法、経済、文、理、農の各学部が各10人程度。教育、教養、薬、医の各学部が各5人程度。 推薦要件は、
「成績が学校の上位5%以内」(法学部)
「探究学習の卓越した実績・能力」(教育学部)
「商品レベルのソフトウエア開発経験など、自然科学で卓越した能力」(理学部)
などとし、特定の分野で突出した受験生などを求める。
教育学部をのぞく9学部は、英語や中国語などの外部テストの成績証明書を評価の対象として明記した。医学部医学科は、国際科学オリンピックなど学術コンテスト受賞などの実績か、海外の有力大学院入学に求められるレベルの「TOEFL◎(120点満点)で100点以上」のいずれかを求めている。国際科学オリンピックには数学、化学、地学など7科目があり、毎年各科目4~6人が国際大会に出場し、ほぼ全員がメダルを獲得している。
法、教養両学部は、国際的な大学入学資格「国際バカロレア」や、米国の大学進学適性試験「SAT◎」の成績も評価の対象とする。文学部は、高校在学中の論文や発表資料のほか、「総合的な学習の時間の成果」も評価対象に挙げ、高校生の学術活動を広く評価する。
(中略)
東大の佐藤慎一副学長は「推薦入試は高校と大学の連携強化の手段だ。推薦入試を媒介に、正解が決まった問題を解く力に優れた受験秀才ではなく、自分の課題を明確に持ち、探求していける人材を高校に育ててほしい。そうした人材を受け入れて、東大も変わっていきたい」と話した。
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さて,どこから話を進めていこうか。色々と条件が書かれているけれど,要約するとこんな感じか。
母子の二人三脚で中学入試を突破し,子どもを自立させることなくコントロールし続け,学校の成績だけを重視して目標を設定させ続け,「興味・関心があることを,成績に関係なく突き詰めて探究した経験のない者」はいらない
実際には,本当のトップ校と呼ばれる学校にはこんな保護者は少なくて(一般のイメージとは違って生徒は精神的にたくましい),むしろ「新進気鋭の進学校」に見られることが多いタイプの親子。
理学部の推薦要件がハッキリ物語っている。最高だ。具体例が「商品レベルのソフトウェア開発経験」って,子どもを信じて見守ることができる親じゃないと,ここまでやらせられない。どうしても学校の成績が気になって「そんなことやってるヒマがあるなら勉強しなさい,予備校に行きなさい」ってなりがちだから。
また,法・教養学部だと「国際バカロレア」だの「SAT」だのって書いてあるが,必要以上にこれらに振り回される必要はない。これらの成績も評価の対象とされるだけ。こうした資格や検定の名前だけが一人歩きして「これからの時代は国際標準の資格や検定が必須なのよ」なんてことはない。それより「センター試験で800点以上(900点満点)」が条件になっていることを気にしておいたほうがよい。
このことから言えることは,東大の推薦入試を受ける・受けないという話は抜きにして,
大学受験の段階で,子どもを(精神的に)自立させておくこと
は絶対に必要ということ。母子関係はもちろん,学校や予備校との関係もそう。生活面でも勉強面でも
受身の姿勢 依存する姿勢
をやめ,「誰かに頼って甘える→上手に利用する」に変えておかないとね。氾濫する情報の中から,自分にとって有益なものだけをチョイスして実行する習慣を身につけておくこと。何でもかんでも「与えられたものを飲み込んで消化するだけ」では難しいな。
公立高校入試問題(数学)の正答率に衝撃・・・(1)
いま手元に「ENジャーナルvol.28」がある。株式会社エデュケーショナルネットワーク(いつもお世話になっております:感謝)様が発行している情報誌なのだが,
本当にためになる
ので,手にしたことのない塾関係者の方は一度読んでみることをお勧めする。編集長と知り合いだから・・・とか抜きにして,純粋に「中身の充実度」が半端じゃない。
今読んでいるvol.28の特集は
「2013年度公立高校入試問題公表正答率による徹底分析!」
だ。数学担当であればこの情報だけで「ごはん3杯」はいける(笑)。情報交換をしようと思えば,この1冊で2時間は余裕。
そのくらい中身が濃い。
その中から,いくつか「ネタにできる問題と正答率」を紹介していこうと思う。
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第1回は「鹿児島県 大問1(4)」
下の表は(原題はグラフ),鹿児島県で受け入れた教育旅行(修学旅行等)の学校数と宿泊者数を示したものである。平成23年度に受け入れた学校数は,平成21年度に比べて何%増加しているか。ただし,小数第一位を四捨五入して答えること。
宿泊者数(人)
H20 61,586 H21 66,053 H22 77,478 H23 93,205
学校数(校)
H20 478 H21 506 H22 552 H23 642
なんと,この正答率が15.5%・・・
出題者側も,関係ない「宿泊者数」の情報も出したりして「ウッカリミス」を誘導しているとはいえ・・・。小学校で学習する「割合」「比」の理解が壊滅的であることがハッキリわかる。
公務員試験では「資料解釈」で同様の問題(もちろん,もっと複雑な設定になるが)を扱うが,中学生の時点でこの問題を正答できていない人にとっては,私が授業で解説している内容もチンプンカンプンなのでは・・・? と不安になる。