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人生の旅路

僅か伍十年、構築される人世




まばらな足音だけが寂しく響く



午前0時の明石町



路傍の暗がりに佇む紫陽花






















この地に戻って4年。





紅谷町と境のこの路を昔は



銀座通りと呼んでいたはずだが



いつから、湘南スターモール商店街と



名を変えたのだろう。























人通りの無い、簡素な通り沿いには




まもなく、所狭しと七夕飾りが立ち並ぶ。






















もうほとんど閉店している商店街で




一軒だけ眩しいネオンが目を引くのは、




昨年オープンしたばかりの『一藤家』























麺類注文で、焼酎一杯




無料で頂けるとは、




珍しくも有り難い。























以前ダイニングバーだった店内を




そのまま使用しているのか、




カウンター後方には




ソファーのボックス席があり、




フカフカで座り心地がとても良い。






メニューは豊富で二郎系と家系



どちらも選択出来、一粒で二度美味しい



斬新な試み。





















花の芽は、その年の花が散り



新しい葉が伸びる頃



来年の準備がもう始まっている。





硬い花芽のまま夏を迎え、秋が過ぎ



寒い冬を越すことで



また来春、美しい花を咲かせることだろう。





















時は少々さかのぼり…





震災から丸5年が経過した、







2016年3月。







駅南口から海へと続く




なぎさプロムナードを抜け




十数年ぶりに、私は



湘南海岸公園を訪れていた。























小学生の頃、公園内にあるプールへ




毎日のように通った夏休みを




懐かしく想い出す。







この月のSunSunマルシェは、




ひらつな祭と同日コラボ開催。






















『ひらつな祭』とは、




『ひら』つかで『つな』つながろうを




キャッチコピーに、




被災地支援と地域防災力強化を




目的とするイベント。








野外での演奏は、JimmyBoys以来






午前中からのLIVEは初めてだった。























雨が降らなくて良かったものの




まだ寒さ残る春の始め、曇り空の下




風が非常に寒く、かじかむ指先




喉も本調子ではなかったが、




心を込めて、遠い空に想いを馳せる。






いつ何処にいても近くに感じていたい…
























set list


・MEMORIES
・Since 2011
・あやめの郷
・PEACEFUL WORLD
・Pride
・明日に架ける橋






イベント終了間際になって




まるで、心が天に通じたかのように




雲の切れ間から、




温かな日差しが照り始めた…



2011年3月11日なにしてた? ブログネタ:2011年3月11日なにしてた? 参加中
本文はここから





降り注ぐ陽射し、恵みの雨に見守られて


凍える冬もやがては春に、季節は大地を変えて行く







五年前のあの時、


私は池袋のオフィスにいた。





しばらくの緩やかな横揺れ後


突然、激しい縦揺れに変わり




パソコンのモニターが倒れ、湯飲みは床に落下し砕け散った。


本棚からは、書類が勢いよく飛び出してくる。







ほんの数十秒…



数分だっただろうか







生命の危険を感じた瞬間



初めて体験する状況は、随分と長く感じた。






揺れが落ち着いた所で、非常階段を皆で一斉に駆け降りると




周囲のビルや、店からも人々が出て来て溢れかえり



街中が異様な空気に包まれていた。






父の故郷、宮城県栗駒市は震度7を計測。



叔父家族には一週間以上、連絡が付かず



仙台のいとことは、もう二度と


会えなくなってしまった。







父と一緒に、栗駒の生家を訪れたのは


その数ヶ月後。






既にガンは進行していたが


父がまだ歩く事の出来ていた頃







『みちのくふたり旅』と題して、







父と二人きりで行った、最初で最期の旅行になった。







巡る季節、月日は流れ...







かけがえの無い大切な人たちが




次々と私の前から去り行き、溢れ出す想い。







この哀しみは、いつまでも消えない。








湘南といえば、もはや誰もが思い浮かべるであろう


既に、お馴染みの小林屋。



平塚発、神奈川県内に10店舗を構える


味噌専門店である。













味噌ラーメン550円は、財布に優しい庶民派価格。



前回の消費税増税前は、500円だったが


それでも安い。



小林屋の名を一躍有名にしたのは、


分厚いチャーシューの存在感。













1枚あたりの重量は、80gという


スタンダードな味噌ラーメンでも


チャーシュー麺クラスの食べ応えがある。




四ノ宮店よりも、中原店のほうが


具のネギの量が多い。


















迎えた、FRIDOG当日。




湘南新宿ラインのグリーン車に乗り込んだ私は、


昼食のドッグを食しながら、一路東京へと向かう。




池袋で山手線に乗り換えた後、


あえて大塚を通り過ぎ、巣鴨駅で下車し


地蔵通り商店街を散策。




この日が4の付く日でなくて良かった。






随分と久しぶりにマルジで赤パンを購入し、

徒歩で南大塚へと急ぐ。





住み慣れた町を離れ、上京した当時



豊島区内を転々とし、その後中板に移り住んだ。



懐かしい青春、記憶の欠片。



過ぎ行く都電に、よみがえる想い出たち。



















もう10年は生きたいと、話していたあの人より


治らないなら死んだほうがまし、と言い放った


あなたの方が、少し長く生きてくれたから


その分、一緒に過ごす事が出来た。







時の流れと共に変わり行く風景と



いつまでも変わらず在り続けるもの。






いつの間にか...



忙しい日々に追われ、時間に追い越され




唯一、私を理解してくれた君さえも失った世界で



私の望みは一体何処へ向かうのだろう。




















出番を終え、緊張を解かれた私は




イカしたおつまみを頬張り、




ウーロン割りを片手にイベント観覧。


















『世に生を得るは事を成すにあり』







個性溢れる出演者の面々。



それぞれの方向性は違えど、



同じ夢に向かい、高き志を立て



懸命に自己表現する、同志達。



















運命は決められている、と考えるより



自分の運命は自分で変えられると



考えたほうが、前向きに生きられる。





幸福は与えられるものではなく、



自分で掴むもの。







選択権は全て、自分にある。







本番のステージで感じ得たもの、



上手く伝えられなかった事を振り返り



その経験を糧に、我々は切磋琢磨し



またここへ戻って来るのだろう。








『新しき年の始の初雪の今日ふる雪のいや重け吉事』














冬は必ず春となるように、



誓いを胸に、地道に重ねた努力は



必ず花開く時が来る。
















凛とした冬の空気に、身も心も引き締め




清新の息吹で、また新たな人生の旅路を歩き出す。









大変に遅ればせながら、



本年も宜しくお願い申し上げます。












環境を破壊し続ける人類。





人が生きて行くとは、

それだけで罪深いもの。




そんな気はなくとも、

他者を傷つけているかも知れない。





















『いただきます』




他の生命を奪い、屠って調理し


いただける事に感謝。





















旭食堂から、車で15分ほどの距離に


君の眠る丘がある。











観る人の眼を楽しませる紫陽花。



古くは万葉集にもうたわれている。



紫陽花の花の色は、土壌や開花後の日数によって変わる。





















ピンク、紫、青や白に群れ


咲く様は、励まし合いながら


それぞれの使命の華を咲かせゆく友の姿にも似る。





逢いに来たのは、二ヶ月ぶり。





突然の脳内出血で、緊急手術の報せを受け


数年ぶりに対面したが、


数ヶ月もの間、君は植物状態に陥った。






その後、水頭症で再手術を経て






度々、腰が痛いとは言っていたが


まさか、末期ガンに蝕まれているとは


気が付かなかった。





今更、後悔しても遅いが


もっと早く、帰って来るべきだった。








戦時中に生まれた、君の少年時代の話など


聞いてみたい気もする。










一緒に暮らした期間は、一ヶ月にも満たない・・・










誰人にも避けられない、生老病死。




帰郷した年末に、すき焼きをして


一緒にワインを飲んだ、あれが最期の想い出。






魂を解き放ち、感じるままに



すべての想いを乗せて。
































もっと生きたい・・・





まだ死にたくない、という君の願いは叶わなかったけれど





その分、僕が生きよう。





君より長く生きようと、心に誓う。