君がいない世界 | 人生の旅路

人生の旅路

僅か伍十年、構築される人世

2011年3月11日なにしてた? ブログネタ:2011年3月11日なにしてた? 参加中
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降り注ぐ陽射し、恵みの雨に見守られて


凍える冬もやがては春に、季節は大地を変えて行く







五年前のあの時、


私は池袋のオフィスにいた。





しばらくの緩やかな横揺れ後


突然、激しい縦揺れに変わり




パソコンのモニターが倒れ、湯飲みは床に落下し砕け散った。


本棚からは、書類が勢いよく飛び出してくる。







ほんの数十秒…



数分だっただろうか







生命の危険を感じた瞬間



初めて体験する状況は、随分と長く感じた。






揺れが落ち着いた所で、非常階段を皆で一斉に駆け降りると




周囲のビルや、店からも人々が出て来て溢れかえり



街中が異様な空気に包まれていた。






父の故郷、宮城県栗駒市は震度7を計測。



叔父家族には一週間以上、連絡が付かず



仙台のいとことは、もう二度と


会えなくなってしまった。







父と一緒に、栗駒の生家を訪れたのは


その数ヶ月後。






既にガンは進行していたが


父がまだ歩く事の出来ていた頃







『みちのくふたり旅』と題して、







父と二人きりで行った、最初で最期の旅行になった。







巡る季節、月日は流れ...







かけがえの無い大切な人たちが




次々と私の前から去り行き、溢れ出す想い。







この哀しみは、いつまでも消えない。