読書雑記 -14ページ目

読書雑記

読書日記。

ほとんど自分のためのものです。


☆☆☆☆★


スピンオフ合わせて8作目でありながら、隠蔽捜査シリーズの魅力は衰え知らずです。




☆☆☆☆★


ロシアの軍事侵攻を機に執筆したのかと思いきや、元々企画があり、書いている途中に戦争が始まったようです。


ロシアの人々、住まい、街並み、食生活といった外国を紹介するエッセイのような内容から、ロシアと国際関係、プーチンの権力など、軍事評論家としての専門分野まで、今のロシアについてコンパクトにまとまった楽しい本です。


「こんなひどい戦争を始めたロシアのことなど理解したくない、という意見もあるでしよう。しかし、理解することと賛同することは違いますし、政府と社会も(完全に切り分けることは難しいものの)やはりイコールではありません。」


「ロシアがどんな国であるのかを理解することなくしては、この戦争を止め、二度と繰り返させないようにすることはできないのではないでしょうか。」


人口は日本と同程度、GDPの国別ランキングは11位、軍事力も世界第5位のロシアが、あたかもアメリカと対峙する大国のように振る舞えるのはなぜか。

「ロシアを「大国」たらしめているのは意志の力、つまり自国を「大国」であると強く信じ、周囲にもそれを認めさせようとするところにある」という分析はなかなか面白いです。


今まさに読むべき本だと思います。



☆☆☆★★

特許事案の解決に必要なスピード感と相まったストーリーのテンポの良さ。
特許の法律問題は難しいところがあったけれど、Vtuberの世界も垣間見ることができ、勉強にもなりました。
あとは、タイトルはもう少し何とかならなかったかな。


☆☆☆☆★

米澤穂信のミステリー短編集。

個人的には「死人宿」「柘榴」「万灯」がよかったです。

冷やりとする読後感がありますね。

文体も素晴らしいです。




☆☆☆☆☆


著者の執筆動機は「最新のマルクス研究の成果を踏まえて、気候危機と資本主義の関係を分析していくなかで、晩年のマルクスの到達点が脱成長コミュニズムであり、それこそが人新世(人類が地球を破壊しつくす時代)の危機を乗り越えるための最善の道だと確信したから」である。


希少性を生み出しながら利潤獲得を行う資本主義こそが、気候変動の根本原因であり、私たちの生活に欠乏をもたらしており、資本主義によって解体されてしまった〈コモン〉を再建する脱成長コミュニズムの方が、より人間的で、潤沢な暮らしを可能にしてくれるはずだと説く。


結びには、ハーバード大学の政治学者エリカ・チェノウェスらの研究を引いて、「3.5%」の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わるとして、まず3.5%が、今この瞬間から動き出し、その動きが大きなうねりとなれば、資本の力は制限され、民主主義は刷新され、脱炭素社会も実現されるに違いないとする。


資本主義の限界を克明にあぶり出すとともに、当たり前と思って生きているこの資本主義システムの変革に向けて、われわれの背中を強く押してくれる。



☆☆☆☆★

新世代のリーガル・サスペンスといったところでしょうか。

作者の経歴もおもしろい。



☆☆☆★★


『罪をまっとうに裁かせること』

検事として、仕事人として、依って立つ信念を持ち、その信念を貫き通す。

かくありたいです。



☆☆☆☆☆

映画を観た後しばらくして読みました。
映画もよかったですが、当然ながら端折られている箇所や異なる演出もある映画とはまた違った感動を得られました。

蒔野聡史の次の言葉は印象深く、物語全体でも重要な意味を持ちます。
「人は、変えられるのは、未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」

愛や幸福とはどういうものか、とても共感できる定義です。
「幸福とは、日々経験されるこの世界の表面に、それについて語るべき相手の顔が、くっきりと示されることだった。」

小峰洋子の父であるソリッチが語った次の言葉は、自由意志か、決定論かのいい使い分けだなと思いました。
「自由意志とは、未来に対してはなくてはならない希望だ。自分には、何かが出来るはずだと、人間は信じる必要がある。・・・だからこそ、過去に対しては悔恨となる。何か出来たはずではなかったか、と。運命論の方が慰めになることもある。」