この物語は、

私が鍼灸師として訪問施術をしていた頃に

実際に体験した実話です

※個人情報などは、意図的に変えています

 

 

霊能者なおこの事件ファイル12~2人の霊能者~①

霊能者なおこの事件ファイル12~2人の霊能者~②

霊能者なおこの事件ファイル12~2人の霊能者~③

霊能者なおこの事件ファイル12〜2人の霊能者〜④

の続きです

 

 

 

 

藤井さんからの電話は

大井さんから伺った事と

同じ内容でした

 

 

 

他の患者さんの施術を全て断って

大井さんの施術を続けるか

 

 

大井さんの家に

二度と出入りしないか

その2つの選択肢しかないと

私に告げた後

 

 

 

「大井さんを選ぶことが

先生にとっても、

幸せを選ぶってことなのよ」

 

 

 

「賢い先生のことだから

きっとわかるわね」

 

 

 

と、藤井さんは言い、

ごきげんようと電話を切りました

 

 

 

 

終始、口調は優しくはありましたが

その裏に、有無を言わせないような

威圧感を感じるものでした

 

 

 

しばらく電話を持ったまま

呆然と座っていましたが

ひどく喉が乾いているのに気がついて

なにか飲もうと立ち上がりました

 

 

 

切れた電話を持つ手が

汗ばんで震えていました

 

 

 

冷たい水を取りに行き、

少し落ち着こうと深呼吸をした時

また電話が鳴り、飛び上がるほど驚きました

 

 

 

今度は大井さんからです

 

 

思わずため息をついてしまいましたが

気を取り直して、電話に出ると

不自然なほど明るい

大井さんの声がしました

 

 

 

「先生、こんばんは~!

藤井さんからお電話あったでしょう?

引き続き、来てくれますよね!」

 

 

 

 

「あの・・・私は・・・」

 

 

 

長い沈黙のあと、

声を絞り出すようにして

私は言いました

 

 

 

「申し訳ありませんが、

私には、ご提案いただいたような

選択はできません。」

 

 

 

「できないって・・・それって間違いよ。

藤井さんみたいに未来が分かる人に

正解を教えてもらってるのに、

どうして分からないの?

先生も霊感あるんでしょう?

じゃあ、わかるでしょう?」

 

 

 

 

「私の感じてることと、藤井さんの

おっしゃることは、色々な点で違います。

 

私を護ってくれている存在は、

誰かのせいで自分が不幸になるとか

そういうことは言わないです。

 

でも、そんなことより、私自身が

そんなことしたくないんです。

 

大井さんも大切な患者さんですが

他の皆さんも同じくらい大切なんです。」

 

 

 

 

 

「先生はまだ若いから、藤井さんみたいに

詳しく世の中のことが分からないのよ。

 

藤井さんの教えてくれる正しい方を選べば、

楽に幸せになれるのよ!

ね、そうしたほうが良いわ。」

 

 

 

 

 

「私・・・間違っても良いんです。

正しくなくても、死ぬほど苦労しても

誰かに決めてもらうんじゃなくて

自分で決めた道を歩きたいんです。

 

いつも私の神さまは、みんな自分で決めて

選べるし、それを実行する力があるって

言ってくれている気がするから・・・

すみません。」

 

 

 

 

「わかりました。

じゃあ、これっきりということね。

先生は、いつか自分の若さを

後悔するときが来ると思うわ!」

 

 

 

ブチッ!という感じで

電話を切られた時

 

 

私は目の前が真っ白に見えるほど

心拍数が上がっているのを感じました

 

 

 

 

~翌日~

 

 

 

 

大井さんのご紹介でお伺いしていた

患者さんから、続々と

私の予約をキャンセルする内容の

電話が入ってきました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・続く

 

 

 

 

次のエピソードはこちら

 

 
 

 

 

 

ある日、突然我が家の寝室にカシエルが?! 龍を呼び起こす白い麒麟、索冥を追って はじめましての方へこれまでの私について 霊能者なおこの事件ファイル 江島直子著「鳳凰メソッド」サイン入りメッセージカード付き VenusWebShop 江島直子のオリジナルグッズを販売しております