この物語は、

私が鍼灸師として訪問施術をしていた頃に

実際に体験した実話です

※個人情報などは、意図的に変えています

 

 

 

 

 

今から20年前

 

 

新米鍼灸師の私は、早く鍼灸師としての

技術をあげたくて、来た仕事は断らずに

どんどん受けていました

 

 

 

 

鍼灸院に勤務しながら、休みの日は

訪問施術に数件のお家をまわり

夜まで鍼灸をするような毎日でした

 

 

 

 

 

 

 

大井さんも

患者さんからご紹介を受け

訪問施術に伺うようになった

患者さんのお一人です

 

 

 

 

大井ゆみ子さん(仮名55歳)

 

 
 
交通事故に会い、全身数十箇所を骨折
命に関わる大手術の後
奇跡的に助かり
 
 
 
リハビリの一環として
鍼灸を受けたいとご希望されました
 
 
 
 
大井さんのご自宅は、当時住んでいた
私の実家から車で15分ほどの距離
 
 
 
当時の私は
車の免許を持っていなかったので
 
スクーター(いわゆる原付)で
大井さんの家まで通っていました
 
 
 
 
寒い時期は、マスクをして
フルフェイスのヘルメットの上から
さらにマフラーを巻くと
どこの誰だか分からない容姿になり
 
 
 
その上雨の日には、
レインコートの上下を羽織る
その姿を見て、大井さんは
 
 
 
「先生、その格好では
なかなかお嫁に行けないね」
と、よく笑っておられました
 
 
 
 
大井さんはご主人と小学生のお子さん
おふたりの4人家族でしたが
 
 
 
訪問に伺うといつも
「藤井さん」
という華やかな雰囲気の
お友達が来られていて
 
 
 
私が伺うと、入れ替わりに
「ごきげんよう」
お帰りになられるのでした
 
 
 
 
「藤井さん」には、
どうやら霊能力があり
 
 
 
大井さんが色々と
相談している様子が分かったのは
 
 
訪問施術に伺うようになって
3ヶ月ほど経った頃のことでした
 
 
 
 
 
 
その日も
雨が降っていました
 
 
 
 
 
私は大井さんのガレージに
原付きを停めると
 
 
 
レインコートを脱いで、
タオルで身体を拭きながら
玄関へ向かいました
 
 
 
 
インターフォンを鳴らすより先に
ドアが空き、出てこられたのは
大井さんではなく藤井さんでした
 
 
 
「先生、ごきげんよう」
 
 
 
と笑顔で招かれたのは
いつもと違う
和室の部屋でした
 
 
 
 
 
私が落ち着かない気持ちで居ると
大井さんが紅茶を持って現れ
 
 
 
 
「先生に、ちょっと
今日はお話があるの」
と言われました
 
 
 
 
 
話ってなんだろう・・・
 
 
 
 
 
 
緊張して居る私を
見透かすような表情で
藤井さんが口を開きました
 
 
 
 
 
 
 
 
「ねぇ、あなた
霊能者でしょう?」
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・続く
 
 
 
 

 

 

 

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