この物語は、

私が鍼灸師として訪問施術をしていた頃に

実際に体験した実話です

※個人情報などは、意図的に変えています

 

 

 

霊能者なおこの事件ファイル12~2人の霊能者~①

の続きです

 

 

 

 

 

 

 

 
「ねぇ、あなた
霊能者でしょう?」
 
 
 
 

いきなり藤井さんにそう言われて
私は驚き、咄嗟にどう返答してよいのか
分かりませんでした



やっとの思いで
「いえ。私はそんな・・・」
と返事した私の声に被せるように



「そんなこと言っても、
見れば分かるのよ」
と藤井さんは、微笑みながら言いました



問い詰められている様な気がして
うつむいた私に、今度は大井さんが言いました



「藤井さんは、先生の能力を
もっと活かしたほうが良いって
おっしゃってるのよ。

私も、いつも色々と相談に
乗っていただいているし
せっかくだから、アドバイス頂いたら?」




そのまま返事をしない私を、
正面からじっと見ていた藤井さんは
そのうちしびれを切らしたように



「まぁ、急がなくてもいいわ。
これからよろしくね」
 

と言って立ち上がると



「じゃあ私はこれで。ごきげんよう。」
と言って、帰って行きました






その日からの、大井さんは
今まで話す事を我慢していたかのように
藤井さんの素晴らしさについて、
私に力説するようになり


毎週のように、知り合いの方を
訪問施術の患者さんにと、
ご紹介下さるのでした



「すべて、
藤井さんからのご指示よ」
 

と、にっこり笑う大井さんの仕草に、私は
なぜか素直に笑顔を返すことが出来ず
ただ頭を下げてお礼を言いました



どんどん患者さんをご紹介いただき
訪問で伺うお家が増えて
私は忙しくなっていきました



それと反比例するように
大井さんは人との交流を断って
外出しなくなり、それも
 
 

「すべて、
藤井さんからのご指示よ」
とにっこり笑うのでした





数ヵ月経つと、大井さんのお友達から
「ねぇ、大井さんお元気?
最近、電話にも出ないのよ」

と、尋ねられるようになりました




「お元気にされています」
とお答えしながら
 
 
 
私は
どうして大井さんは電話に
出なくなったのだろう・・・

不思議でした
 



藤井さんが、お友達との交流を絶ちなさい
指示される理由も、よく分かりません



そのようなプライベートなことは
とてもご質問できることでは
ありませんでしたが
 
 

施術中に、
大井さんからお話してくださり
理由を知ることになりました




大井さんが大きな事故に遭われたのは
沢山の人の因縁をもらって起きたこと
だから、藤井さんが許可した人以外とは
お付き合いしてはいけない


と・・・



これを聞いた時、私は背筋が寒くなる
感覚とともに
「こわい・・・」
と思いました




「あの。。。一つだけ
ご質問しても良いでしょうか?」
私は思い切って
大井さんにお尋ねしました




「大井さんご自身は、そのお話を、
どんな風に感じられたんですか?
お友達と交流できなくなって、
お寂しくはないんですか?」





大井さんは笑って答えられました





「どうって?私には何も
分からないもの(笑)
今まで何でも母に聞いてきたけれど、
事故に遭う一ヶ月前に
母を亡くしたでしょう?
 

何を決めるのも、母がいなくて
困っていたところに、神さまの様に
藤井さんが現れて!
 

何でもどうすればいいのか
教えてくれるから
本当に助かっているのよ。」





「神さまって・・・そんな
何でも決めてくれる
存在なんでしょうか?」




「知らないけど、そうなんじゃない?
私にとっての神さまは、
間違いなく藤井さんだわ」




「そうですか」
 
 

と返事をして、後片付けをすると
ありがとうございました
と大井家を出ました




原付きで自宅へ帰る道すがら
私は大井さんの言葉に対しての
違和感と、まだうっすらと
でしたが、藤井さんへの
不信感を感じ始めていました




気味が悪いくらいオレンジ色の
大きい満月が出ている夜でした
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・続く
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

ある日、突然我が家の寝室にカシエルが?! 龍を呼び起こす白い麒麟、索冥を追って はじめましての方へこれまでの私について 霊能者なおこの事件ファイル 江島直子著「鳳凰メソッド」サイン入りメッセージカード付き VenusWebShop 江島直子のオリジナルグッズを販売しております