オフィシャルブログになってから初の霊能者なおこシリーズ!
の続きです
崎山家への最後の訪問から
3週間後・・・・・
私は再び、あのマンションへ向かっていました
同じマンションに住まれている
別の患者さんのお宅へ呼ばれたのです
エレベーターを待つ間
何気なく集合ポストを見ると
「崎山」のネームプレートは外され
いつも廊下の隅に置かれていた
ゆうすけ君の三輪車は消えていました
同じマンションの方から
崎山さん親子は、駅から離れた場所の
公団に引っ越された、ということを聞きましたが
その方も、あまり詳しくは知らないようでした
それから、私は
そのマンションを訪れる度に
こぼれたミルクと
霊になって現れた、
崎山さんのお母さんのことを思い出し
切なくなりましたが
祈ることしか出来ないまま
月日は過ぎました
~2年後~
ある日、友人に誘われて
天然酵母を使ったパン教室に行きました
5,6人が1つのグループになり、
1つの調理台を共有します
生地の仕込みをしている時
「あらぁ~!」
と、他のグループの人が1人
笑顔で近づいて来ました
崎山さんでした
一瞬、えっ!と眼を疑うほど
きれいで若々しくなった印象の崎山さんは
「先生、会えて嬉しいわー」
と、この2年間の事を話してくれました
引っ越してから
急に歯が痛くなって、駆け込んだ歯医者の
歯科医の先生と再婚したこと
以前の会社は退職し、
今は専業主婦をしていること
ゆうすけ君は保育園をやめて
幼稚園に入園したこと
そして、引っ越してから
ゆうすけ君が、よく私の話をしていたと
笑顔で教えてくれました
崎山さん、お幸せそう
よかった…
と、思っていると
「ゆうすけ~!」
と呼ぶ声が聞こえ、
幼稚園の制服で遊ぶ、
子どもたちの中から
ゆうすけ君が
こちらに駆けて来るのが見えました
崎山さんに
「ほら、先生にご挨拶して」
と言われ、恥ずかしがっている
彼の目線にしゃがみ
私も照れながら
「こんにちは。
先生のこと、覚えてるかな?」
と声をかけました
ゆうすけ君は
上目遣いに私を見て笑いながら
「知ってるよ!
失敗してもいいよーの先生!」
と言うと、
元気よく友達のところへ
走って行きました
霊能者なおこの事件ファイル7
~こぼれたミルク~ 完