いわきFC応援幕のご紹介

 

—— 数年ぶりにブログを更新いたします。

今回は、地元いわき市のJ2リーグ「いわきFC」の応援幕に描かせていただいた鍾馗(しょうき)様について、そのデザインと歴史的背景を詳しくご紹介いたします。

 


 

【いわきFC応援幕】鍾馗のデザインとその歴史的背景

いわきFCの応援幕「鍾馗」いわき絵のぼり(武者のぼり)辰昇原画

 

—— いわき市を拠点とするJ2リーグ「いわきFC」の応援幕に、鍾馗(しょうき)様を描かせていただきました。
本記事では、そのデザインに込めた意味と、鍾馗様が持つ歴史的背景についてご紹介いたします。

 

地域の伝統文化を、現代の応援シーンに溶け込ませる――。
この応援幕には、そんな願いを込められています。

 

 


 

 

鍾馗(しょうき)とはどのような存在か?

 

——鍾馗様は、中国・唐代に実在したとされる人物で、魔除け・疫病除けの神として日本でも古くから信仰されてきました。
とくに端午の節句には、男子の健やかな成長と厄除けを願う「いわき絵のぼり」に登場する、重要な護符的存在です。

鋭い眼差しと長い髭、風になびく衣をまとい、鬼を退治するその姿は、見る者に強さと安心を与えてくれます。

 

 


 

 

いわき市と鍾馗様の意外なつながり

 

—— 福島県いわき市泉町は、かつて「泉藩」と呼ばれた地域でした。
この地を治めたのは、徳川四天王の一人として知られる本多忠勝の子孫・本多家です。

本多忠勝は、「鍾馗=勝機」という意味を込めて、旗印に鍾馗を掲げたことでも知られ、地元でも鍾馗を描いた絵のぼりが広く制作されていました。
その名残は、いまなおいわき市内の古い家々に見ることができます。

今回、地元クラブの応援幕に鍾馗様を描くことは、「いわきの精神文化」と「武勇の象徴」を重ねる行為でもありました


いわきFCの応援幕「鍾馗」いわき絵のぼり(武者のぼり)の原画のアップ

 

 


 

 

いわき絵のぼり鍾馗の原画

 

—— 制作させていただいた、いわきFCの巨大応援幕「鍾馗(しょうき)のぼり」の原画です。

絵は木綿に肉筆墨絵で仕上げ、約170×70cmのサイズで描きました。

 

制作には、手描きの墨絵技法を用い、布地に筆で一筆ずつ描き込んでいます。
伝統的な手法にこだわることで、応援幕としての迫力と、歴史的モチーフとしての品格を両立させました。

 

いわきFCの応援幕「鍾馗」いわき絵のぼり(武者のぼり)の原画の全体像

 


 

 

応援幕に込めた表現と制作意図

 

—— 今回の応援幕では、鍾馗様の足元にサッカーボールを模した宝珠を配しました。
これは、いわきFCの勝利を祈るとともに、「宝珠=願いを叶える象徴」を表現したものです。

鍾馗様は、威風堂々とした構えで宝珠をしっかりと押さえています。
その眼差しは前を向き、試合に挑む選手たちを後押しするように配置しました。

 

鍾馗様が踏む玉は、サッカーボールをモチーフに「宝珠」のイメージを重ねました

 


 

 

いわき民報様に記事掲載

 

—— また、いわき民報様の朝刊で、いわきFC「鍾馗様」の幕を取り上げていただき、大変光栄に思います。

 

いわきFCの応援幕「鍾馗」いわき絵のぼり(武者のぼり)の地元新聞記事

 


 

 

サポーターTシャツ

 

—— さらに、いわきFCサポーター「ARMOURS」の皆さんが、ホーム戦で飾られる巨大な応援幕「鍾馗図」をTシャツにしてくださることになりました。

サポーターグッズとして頒布予定とのことで、感謝の気持ちでいっぱいです!

本当にありがとうございます。

 

いわきFCの応援幕「鍾馗」のサポーターTシャツ


 

 

いわきFCの鍾馗様について解説動画(約1分10秒)

いわきFCの巨大応援幕「鍾馗(しょうき)」様のYouTube動画です。

ぜひご覧ください!

 


 

 

鍾馗図の歴史/いわき市~江戸時代の絵師たち(約2分)

江戸時代から名だたる絵師たちが鍾馗図を描き、その文化は今もいわきの地に受け継がれています。

 

この歴史動画(約2分)を、ぜひご視聴ください。

 

 


 

 

スタジアムに掲げられる“文化の護符”

 

——この鍾馗様の応援幕は、いわきFCのホームでの試合で掲げられています。
スタジアムという現代の「戦場」に、江戸の魔除け神が現れる――その風景は、まさに地域文化とスポーツの融合です。

かつて絵のぼりや幕絵は、民間の祈りと密接に結びついたものでした。
それを現代にふさわしいかたちで蘇らせることこそ、私の掲げる「文化の還元」の理念に通じています。

 

いわきFCの応援幕「鍾馗」いわき絵のぼり(武者のぼり)がTV中継で映った様子

 

地元の誇りであるいわきFC、そしてその応援風景のなかに、いわきの歴史的記憶を織り込むこと。
それは一枚の応援幕を超えた、文化的な営みだと感じています。

 

今後も、伝統の筆で「いま」を描き出していきたいと思います。
鍾馗様の応援幕にも、どうぞご注目ください。

 

 

 

 

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いわき絵のぼり吉田・絵師 辰昇(しんしょう)

 

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