「どうにか自分一人でしっかり追い込んでトレーニングすることはできないか。」
「自分のカラダをもっと格好よくビルドアップさせたい。」または、
「もっともっと鍛えてパフォーマンスを向上させたい。」
そう思っている熱心なトレーニーの方は多いと思います。
そのためには、もっともっとトレーニングで自らのカラダを追い込んでいく必要があります。
でも多くの場合、トレーニングパートナーが常にいるわけでもないですし、
毎回、ジムのスタッフさんに補助してもらうのは気が引けますよね。
だから、そのように意識の高いトレーニーのみなさんは、
「どうにか自分一人でしっかり追い込んでトレーニングすることはできないか。」
一度はこのような命題にぶつかったことがあるのではないでしょうか?
そこで今回、全6回にわたりそのような要望にお応えすべく、
一人でもバシバシと追い込めるトレーニング方法を、
生理学的、バイオメカニクス的、解剖学的知見をふまえ紹介いたします。
今回ご紹介できるメニューはごく一部になってしまいますが、
これからご紹介させていただくいくつかの基本メカニズムさえ知っていれば
応用は無限大です。
しっかり下ろすまでがトレーニング
まず、一人で追い込むためのトレーニングをする上での基本となる考え方を紹介いたしましょう。
みなさんはトレーニングの時、重いものを「持ち上げる」ことに集中しすぎて、
「下ろす」ことをないがしろにしていませんか?
よく「家に帰るまでが遠足ですよ」と言われるように、
「しっかり下ろすまでがトレーニング」なのです。
でも、なぜ「下す」ことが大切なのでしょうか?
筋肉が収縮しながら力を発揮するには筋の長さの観点から3種類あります。
1.筋肉の長さが短くなり(短縮し)ながら筋肉が張力を発揮する短縮性収縮(=コンセントリック収縮;以下CON)。
2.筋肉の長さが一定(等尺)のままに筋肉が張力を発揮する等尺性収縮(アイソメトリック収縮;以下ISO)。
3.筋肉の長さが長くなり(伸張し)ながら筋肉が張力を発揮する伸張性筋収縮(エキセントリック収縮;以下ECC)です。
ほとんどの筋力トレーニングの場合、重力に逆らい負荷を持ち上げる局面がCONであり、
重力に従い負荷を下していく局面がECCになります。
持ち上げられる重さは、下ろすには軽すぎる!
筋肉の特性として、
CONによる最大筋力発揮よりも
ECCによる最大筋力発揮の方が1.2-1.8倍ほども張力が大きい
と言われています。
どういう事かアームカールで説明しますと、
アームカールの動作において肘を伸ばした状態から肘を曲げ、
負荷を持ち上げる局面よりも、肘を曲げた状態から伸ばしていく局面の方が
大きな筋力を発揮することができるのです。
言い換えるならば、一定の負荷であるならば、持ち上げるよりも下げるときの方が楽なのです。
この事が多くのトレーニーが下ろす局面を軽視する理由の一つとも考えられます。
ECC局面の方が発揮筋力が大きいのならば、セットの後半で持ち上がらなくなってきた負荷でも、
実は下す局面では筋肉には余裕があるのです。
誤解を恐れずに言わせていただくならば、たとえギリギリであったとしても、
持ち上げられる重さは、実は下ろすには軽すぎるのです!
ECC収縮の特徴
ECCはCONよりも発揮できる筋力が大きいだけでなく、
CONよりもエネルギー消費が少なく、
その分のエネルギーを筋組織で受け止めるため、
筋への微細な損傷が起こりやすくなるといわれています。
ECCはCONよりも筋肉痛になりやすいのです。
また、1996年にHortobágyi Tらが行った研究報告によると、
CONのみのトレーニングを行うグル―プと、
ECCのみのトレーニングを行うグループに分けた長期のトレーニング介入実験では、
ECCのみのトレーニングを行ったグループの方が筋力、筋量ともに増大したと報告されています。
要するに、できるだけECCのようなメカニカルな刺激を筋肉に与えることができれば、
より早く筋力・筋量が発達するという事ともいえます。
しっかり下ろす事こそトレーニング
これらのことからCON局面だけでなく、
ECC局面でもより大きな負荷になるようなトレーニングをすることができればいいのです。
もちろん、下ろす時に意識してゆっくりお下ろすことを心がけるだけでも全然かまいません。
しかし、よりECC局面の負荷を大きくする方が断然いいのです。
「そんなこと本当に1人でできるの?」と思うかもしれません。しかし可能なのです。
遠足において、必ず来た道を帰らないといけないなんて決まりはないですよね?
トレーニングも然りです。
CON局面とECC局面とが同じ軌道内にある必要なんてどこにもないのです。
「家に帰るまでが遠足」どころではなく、トレーニングにおいては「家に帰る事こそ遠足」、
「しっかり下ろす事こそトレーニング」なのです。
次回から、その具体的な方法を書かせていただきます!
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