パーヴォ&チューリッヒ・トーンハレ管、ブルース・リウ:ショパン、ベートーヴェン (北九州音楽祭) | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2023. 10. 15 (日) 15 : 00 ~  北九州ソレイユホールにて

 

<2023 北九州国際音楽祭>

 

ベートーヴェン:「献堂式」序曲 op.124

 

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11

(ソリストアンコール)

ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 Op.64-1 「小犬のワルツ」

 

ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 「運命」

 

(アンコール)

ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」Op.43より 序曲

 

 

ピアノ:ブルース・リウ

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団

 

   

 

ほぼ毎年参加している<北九州国際音楽祭>。

昨年はラトル&ロンドン響、チョ・ソンジンを聴いた。下差し

 

 

今年はパーヴォ! もともと2021年のこの音楽祭に今回のコンビ(ソリストは五嶋みどりさんだった)がやってくる予定だったのがコロナのため来日中止になったので、2年ぶりに実現したことになる。パーヴォは2014年にもドイツ・カンマーフィルを率いてこの音楽祭に登場した下差しことがあり、私はその時初めてパーヴォの指揮を体験したのだった。

 

 

私はパーヴォはこのときとN響の福岡公演、CSOとのミューザ川崎公演を聴いたので今回で4回目かな? 人間的にもパーヴォ大好きラブラブ

 

 

1曲目はベートーヴェン「献堂式」序曲

メモ ベートーヴェンが純粋管弦楽のために作曲した最後の作品で、1822年にウィーンに建てられたヨーゼフシュタット劇場のこけら落としのために作曲された祝典劇の序曲。

序奏と主部で構成されるが、主部は主部は2つの旋律を軸にした自由な二重フーガによって重厚に奏される。この序曲で用いられている二重フーガや対位法は、当時ベートーヴェンがJ.S バッハやヘンデルらに強い関心を持っており、彼らに敬意を表す意図があるともいわれる。

1824年5月7日に交響曲第9番が初演された際に、この序曲も演奏されたそう。

 

颯爽と登場したパーヴォは、指揮台に上がって会釈するとすぐさま棒を振り下ろした。

私はこの作品初めて聴いたが、たしかにフーガのところなど聴いていてとても面白い。

この日は前半後半を通じて対向配置だったのでチェロが目の前(自席は特E席)だったが、チェロやコントラバス(舞台下手側)がとても響いて聴こえた。地鳴りのような低弦とパーヴォらしい早めのテンポがとても効果的で1曲目から盛り上がって終わった。

 

 

次はショパンピアノ協奏曲第1番。ソリストはブルース・リウ

今回の私のお目当ての一つでした音譜 

今年の3月に彼のソロ・リサイタル下差しを聴いてとても感銘を受けた私。今回は彼がショパン・コンクールのファイナルで弾いた第1番!

実は私は来年彼とワルシャワ・フィルの共演で第2番を聴く予定なので、これで1番、2番制覇なのだ~グッド!

 

 

まず驚いたのがピアノがファツィオリ~~ビックリマークビックリマークガーン

ソレイユホールのピアノといえばいつも古~い(と勝手に思っている)スタインウェイで、このピアノで辻井くんやチョ・ソンジンやら聴いてきたけど、毎回「このピアノどうにかならんかな」と思えてたのでファツィオリがセッティングされてびっくり!

 

ちょっと前のアクロスでのガルシア・ガルシアくんのときもファツィオリが登場したので、ファツィオリ・ジャパンが特別に貸し出してくれたのかな。

 

黒の光沢あるシルクのようなシャツと黒パンツの上下で登場したブルース・リウさん。

長いオケの序奏部分のときは身体を若干オケの方へ向けてうつむき加減で時折オケに合わせて首をわずかに振っていた。

パーヴォなのでこの曲もサクサクとしたテンポかな、と思いきや意外とゆったりとしたテンポだった。特に第2楽章などゆったり、じんわりと聴かせてくれて私好みにやり

 

ブルース・リウさんの第1番、期待どおりでめっちゃよかった~~ラブラブラブラブラブラブ

最初のあたりは指回りが幾分まだ調子が上がってないところもあったような感じもしたが、ここというところではビシッときめるのが彼独特。

前回リサイタルを聴いたときも思ったが、聴きなじんだ曲もとても新鮮に感じる。

ちょっとしたフレーズで、ペダルをあえて(?)利かせてなかったり、弱音だったり、ハッとする箇所が多々あった。時々鍵盤を押した指をぐりぐりと(弦でいうとビブラートをかけるときのような)推し続ける仕草も。でもすべてあざとくない。これが彼の自然な流れなんだろうな。

あとこれも前回リサイタルで思ったが、左手を強調気味に弾くところ(しかもそれが非常に快音)が私的にはものすごくツボ。彼の左手めっちゃいい。大好きぶちゅー

 

時折口を半開きにしてまるで半笑いのように楽しそうな表情で弾いていた第3楽章、まるでアスリートが弾いてるみたいw 指揮のパーヴォと同様、リウさんもめっちゃリズム感がいいんですよね~。彼運動神経がめっちゃいいんではないかな。

演奏が終わるとブラボーがさかんにとんでいた。リウさん目当ての女性ファンもたくさんいらしたようで、スタンディングオベーションしている女性も。

アンコールは「小犬のワルツ」だったが、こっちは1番と違って逆に割とダンパーペダルをきかせててこれまた意外な印象だった。

 

ファツィオリの音は美しい。スタインウェイのような華やかさはそこまでないものの端整で美しいと思う。ただ弾き手のコンディションというか実力というかそのまま反映させるような気もする。ごまかしがきかないというか。私がファツィオリの生音を聴いたのはこれで2度目だったが、もっと聴いてみたい。

 

ブルース・リウさんは前回のリサイタルで聴いたラモーを中心としたニューアルバムをまもなくリリースする。下差し

 

ブルース・リウ:WAVES~フランス作品集~

(UCCG-45085)

 

アルバムについて語ったインタビュー

 

日本では先行販売されていて、私も当日会場で購入飛び出すハート 彼のおかげでラモーすごく好きになったので聴くのが楽しみです。 リウさん、次回は来年ワルシャワ・フィルとの共演で今度は第2番を聴く予定なので楽しみ~ぶちゅー

 

 

 

小曽根さんの響ホールでの公演を聴きにきてらしたみたい!

 

これは北九州滞在のホテルからの撮影かな。どちらに宿泊されてたんでしょうね。

 

これは北九州公演翌日のサントリーホールにて。このアングルかっこいい♪

 

 

 

後半はベートーヴェンの交響曲第5番「運命」

 

この聴き飽きた感もなきにしもあらずのこの作品をパーヴォで聴くとほんとに新鮮だったビックリマークビックリマーク

1曲目と同じく、パーヴォは指揮台に上がって会釈するとすぐさま棒を振り下ろした。

 

パーヴォということで、予想通りサクサクと疾走する「運命」。

最初の運命の動機も四音目はほとんど伸ばさずに立て続けにタタタタ~を繰り返した。

個人的にはコバケンさんの運命のようなオーソドックスなじっくりとした方が好みではあるんだけども、パーヴォのベートヴェンはやっぱりすごく説得力がある。

語彙力ないけどパーヴォってやっぱすごいんですわ。やっぱめちゃめちゃ好きやわ~ぶちゅー飛び出すハート

 

そしてやっぱ低弦がめっちゃいい!地を這ってくるような地鳴りのようなチェロやコントラバス。第3楽章のあのコントラバス泣かせといわれるあそこもゾクゾクした。

あと対向配置だったので、ショパコンのときもそうだったが第2ヴァイオリンの旋律がよく聴こえてきて、とても新鮮だった。

ホルン、私の席からはお顔が見えなかったがうまい! あとティンパニは上手側に位置していたが、古楽用のマレット(?)、九響の森さんが使ってた硬めのやつ(?)を使ってたぽくみえたが(違ってたらすみません)、それがとっても響いてきた。

 

なにより皆さん、なんか音楽を奏でるのがとても楽しそうに演奏してたのが印象的。チェロの首席のお兄さんなんかお隣と顔を見合わせながらしょっちゅう微笑みながら弾いていたし、ヴィオラの首席(日本人?)の方は時々隣の第2ヴァイオリンの女性奏者と目を見合わせてにっこり(こういうところは海外オケではよく見かけるが国内オケではあまり見ないんですよね~)。さらに多くの方が時には前傾姿勢になって必死こいて弾いてる姿勢にも感動した。

 

第4楽章の提示部の反復あり(反復が好みではない隣のオットは若干がっくりきていたw)。否が応でも盛り上がり、私の席の周囲はみんなスタンディングオベーションしていた。

何度目かのカーテンコールで、パーヴォが上差し←こんな風にしてもう一曲ね、というジェスチャーをして、アンコール。

 

終演後はパーヴォのみサイン会があったみたいで私も参加したかったのだが、帰りの時間もあり後ろ髪を引かれる思いでホールをあとにした。

 

あ~今度パーヴォを聴けるのはいつになるかなぁ。

マエストロのご健康とご活躍を心よりお祈りしています。

 

 

お茶目なパーヴォチュー

 

パーヴォとブルース。おふたりとも理路整然としているところ、理知的で物事を俯瞰して見ているところなどがある意味似ている気がする。