パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル、諏訪内晶子:ブラームス、メンデルスゾーン | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2014.12.6  14:00~  アルモニーサンク北九州ソレイユホールにて

ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団 (The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen)
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ (Paavo Järvi)
ヴァイオリン:諏訪内晶子

ブラームス:大学祝典序曲 op.80
(Johannes Brahms: Academische Festouvertüre op.80)

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
(Felix Mendelssohn-Bartholdy: Konzert für Violine und Orchester op.64)

(アンコール) J.S バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータより 
                ソナタ第3番 ハ長調 BMV1005より 第3楽章 Largo

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
(Johannes Brahms: Symphonie Nr.1 op.68)

(アンコール)ブラームス:ハンガリー舞曲(Ungariche Tänze WoO.1)より第10番 ヘ長調



前回の記事に書いたように、今年の北九州国際音楽祭の最終日にトリを飾るのがパーヴォ・ヤルヴィ率いるドイツ・カンマーフィルなのでした。
ソレイユホールは初めて行ったが、旧九州厚生年金会館だと知って、な~んだと思った←ローカル人しかわからない・・・(´ω`)ゞ
開場前から玄関からもあふれるくらいの長蛇の列だった。

2015/2016シーズンからN響の首席指揮者に就任するというパーヴォ・ヤルヴィだが、2004年にドイツ・カンマーフィルの芸術監督に就任して以来10年目を迎えている。
ヤルヴィもドイツ・カンマーフィルも実演に接するのは初めてだった。


1曲目はブラームスの大学祝典序曲。
恥ずかしながら実はこれ聴いたことがなく、2日前に慌ててYou Tubeで聴いてみた。途中「あれ?これ聴いたことある!なんだっけ?」と思ったら、「大学受験ラジオ講座」のテーマ曲だった!!ラジオ。 超なつかしーっ!(・∀・) 大昔の学生時代を思い出してしまった・・・

このテーマ曲ってブラームス作曲だったんだ~と思ったら、正式には間違いで、この序曲には当時のドイツの学生歌がいくつか盛り込まれていて、その中のひとつらしい。 ちなみに大学受験ラジオ講座のテーマ曲は「新入生の歌」という学生歌。
でもブラームスがこの曲を作らなかったら、きっとラジオ講座のテーマ曲にもならなかっただろうな。
ブラームスはこの序曲の作曲と同時進行で「悲劇的序曲」も作曲したそうだ。お祝いの序曲と悲劇の序曲をよく並行して作曲できるなんてさすがブラームス・・・
ピアニッシモの小気味良いテンポで始まった演奏はメリハリがあってとてもよかった!ヤルヴィの指揮も明確でとてもわかりやすい。 この曲いいなーとあらためて思った。


2曲目はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ホ短調。
諏訪内さんがシックな紫色のドレスで登場~キラキラ 諏訪内さん本当にお綺麗で同性の私から見てもウットリする・・・aya 立ち姿も凛として本当にお美しい。
諏訪内さんのメンコンは今年の3月にオスロ・フィルとの共演で聴いたことがある。その時は2階席、今日も2階席だったのだが、前回と同様諏訪内さんのヴァイオリンの響きにびっくりさせられた。 ヴァイオリンの音色がまっすぐ自分に向かってくる感じがした。 一音一音が実に明快で美しい。ご本人いわく、「毎回弾くたびに新たな発見がある」という諏訪内さんのメンコンは、丁寧なんだけど大胆で今回もとても感動した。
横のオットも「こんなにいい曲だったんだとあらためて思った」とのたまわっていた。
個人的な感想としては、オスロフィルより今回の方がヴァイオリンのソリストをより引き立たせていたような・・・ヤルヴィうまい!


休憩をはさんで後半はブラームスの交響曲第1番。
弦楽器は対向配置の10-8-6-6-4という小編成。クラリネットとファゴットはトランペットとトロンボーンとともに最後方に横一列に並んでいた。
ヤルヴィは指揮台に上がって観客に一礼、オケの方に振り返るや否や指揮棒を振り降ろしたので意表をつかれてちょっとびっくりした。
第一楽章のテンポよい序奏から迫力に圧倒される。ヤルヴィの指揮はきびきびしていて若々しい。腰や下半身全体も使ってエネルギッシュにオケを操っている。(最近ややお年の方の指揮を見ていたので余計若々しく感じたのかも。) しかもオケがそれに応えるようにもぉ~ぴったり合っている。さすが長年コンビを組んでいるだけある!と思った。
第二楽章のオーボエのソロ、うますぎ!ふくよかで何ともいえない味わいのある音・・・本当にうまい。そして後半のコンサートミストレスさんのソロにもうっとり。小柄な女性だが、音は大きく美しく響いていた。
第三楽章はテンポよく軽快に進み、そして第四楽章。 ホルンの美しい旋律のあと、弦の例の主題・・・うーんやっぱりブラームスいいな~!ベタだけどいつもここで感動してしまうな~。チェロとコントラバスの低弦が効いていて重厚な響き。 ヤルヴィはスイングするように両手を左右に大きく振り、同時に弦がゆったりとうねり大きく鳴る。でも決してこれみよがしな大げさなものにせずあっさりしている。そのままクライマックスまで我を忘れて聴き入ってしまった。うう・・・なんだかとても感動した涙


プーチン似の(←失礼)パーヴォ・ヤルヴィの指揮は月並みな言葉だけどうまい!メリハリが非常に効いていて、細部にわたって緻密に計算されたものなんだろうということがわかる。 そして元々は学生オケとして設立したというドイツ・カンマーフィルもうまい!皆すごく精魂込めて演奏しているのがこちらまで伝わってくる。


↑こんなちっちゃいパンフをもらったのだが、これによるとオケの資金の60%を助成金に頼らず賄っているらしい。


今日のお客さんはとてもマナーがよかった。終始物音がほとんどなく、咳さえほとんど聞こえなかったので演奏にすごく集中できて幸せだった・・・(´∀`)