上図は、推測して描いたものです。
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ぬか床について
ぬか床の主な内容は、玄米の外皮の粉と、水と言えるでしょう。その他のものは味に関係するものではないでしょうか。鷹の爪は、いくらか保存料の働きをするのかもしれません。
野菜を漬けた時には、野菜から水分が抜けます。このことから、水を排出することが、発酵プロセスに向かい、腐敗プロセスを抑止することと関係しているのかもしれないと推測したくなります。
しかしぬか床を作る時にも水が必要です。水分を適量に維持することで、発酵プロセスが維持できるということでしょうか。多すぎると腐敗を促進しますし、少なすぎると死んですぐの状態が維持され、その後腐敗に向かいます。
ぬか床に野菜を漬けすぎるとどうなるでしょうか。ぬか床と同様に発酵力を持っているらしい、竹パウダーの場合を聞いたことがあるのですが、漬けすぎると、野菜が分解されてしまいなくなるそうです。
発酵プロセスを通り越して腐敗プロセスを完遂してしまったと考えられます。ぬか床に腐敗の影響が及ばないのは、ぬか床全体に対して野菜が少ないためかもしれません。あるいは、発酵プロセスの行き過ぎによる分解プロセスは、腐敗とはまた別の経路なのかもしれません。
ぬか床は、量が減ることはあっても、空気を入れて面倒を見続けると、半永久的に、腐敗せず、発酵状態を保つようです。空気を入れるということは、霊的な作用を受け入れるということでしょう。米ぬかの量が減るということは、分解が進んで、水や炭酸ガス等に分解されるということだと思われます。
ぬか床全体には、常にエーテル体が取りまいていると考えられます。このことによって、分解して物質体を解体しようとしている米ぬかも、エーテル体に包まれながらゆるやかに解体し、腐敗のような急激な解体を免れているのかもしれません。
(分解したものをすぐに取り除くことで、腐敗プロセスが活発になることを避けていると考えることもできます。分解プロセスを一定に保つこと、分解されたものを排出すること、これは生きている人体の中で行なわれていることと一致します。)
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パンの発酵
パンの発酵では、小麦粉と水を混ぜるだけではなく、酵母を加えます。
酵母とは何でしょうか。
シュタイナーは、新しいパンを作るには、古いパンを少量加えなければならないという表現をしていました。
古いパンとは、発酵プロセスを通り抜けて、腐敗プロセスに移行しかかっているものでしょう。
分解力を活性化しつつありますが、生命力も保持しています。
通常の作り方では、古いパンではなく、イースト菌や天然酵母を使います。
水を加えた小麦粉に酵母を加えてしばらく置くと、ガスが発生して膨らんできます。
ガスは、小麦粉の中の成分が解放されてガス化したと考えられます。分解プロセスが働いています。
しかし物質体はエーテル体をまとい続けているでしょう。エーテル体が解放されたら、腐敗プロセスに入っていくでしょうから。
エーテル体をまといつつ、一部の物質体を解放するということは、エーテル体がゆるむ、という現象が起きているのかもしれません。
エーテル力が強すぎれば、発酵は起きず、解体力が強すぎれば、腐敗が起きるでしょう。小麦粉と酵母の関係が適量であることによって、発酵プロセスに入っていけるのだと思われます。
発酵食品が長持ちする理由として、発酵の過程で、生命力が活性化される(あるいは単にエーテル体が抜けにくくなる)ということと、腐敗を促進する物質を押し出すことが考えられます。
腐敗を促進する物質として、まず、多すぎる水、が挙げられるでしょう。