ゴールデンボーイ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『ゴールデンボーイ』

 

 

 

 

 

1998年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 ブライアン・シンガー

 

原作 スティーブン・キング

 

脚本 ブランドン・ボイス

 

撮影 トム・シーゲル

 

音楽 ジョン・オットマン

 

 

 

出演 ブラッド・レンフロ/イアン・マッケラン/ブルース・デイビソン/アン・ダウド/デビッド・シュワイマー/イライアス・コティーズ/ジェームズ・カレン/マージョリー・ラヴェット/ヘザー・マコーム/ジャン・トリスカ/ジョー・モートン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

人間の内なる狂気が目覚める

 

潜伏するナチ戦犯と、彼に接近して話しを聞くうちにおのれの内部に巣食う邪悪さに目覚めていく少年の姿を描いたサスペンス、モダンホラーの巨頭スティーブン・キングの「ゴールデンボーイ」の映画化

 

監督には「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー、模範的な高校生をブラッド・レンフロ、高校生の心に潜む悪を目覚めさせていく元ナチス将校の老人をイアン・マッケランが怪演

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ユダヤ人虐殺の動機は経済政策か、社会、または文化的な背景か、何が殺戮者と傍観者を生み出したのか

 

ロサンゼルス郊外の住宅地に住む高校生トッド・ボーデンは成績優秀でスポーツ万能、ある時トッドは学校の授業で第二次世界大戦中のナチスドイツを学んだ

 

 

それはユダヤ人大虐殺、ホロコーストでトッドは興味津々となり、それ以降、戦争関連や強制収容所などの本を読み漁るようになった

 

 

そんなある雨の日、トッドはバスの中でどこかで見掛けた気がする老人が気になった、その老人の家にまであとをつけ、老人の名がアーサー・デンカーだと知った

 

 

しかしトッドはその老人が、元アウシュビッツ強制収容所の副所長で逃走中のナチス戦犯のクルト・ドゥサンダーではないかと思った

 

デンカーの家まで行き、デンカーを訪ねてベンゲル・ベルゼン43年1月から6月まで、アウシュビッツ43年6月から44年6月まで、そしてハディンへ移り、その後に姿を消した、だが65年に西ベルリンで目撃された

 

 

デンカーは何者だと尋ねるとトッドは話しがしたいだけだと、イスラエル政府発行の手配写真と指紋でデンカーの身元を照合し、デンカーがドゥサンダー本人である事を突き止めていた

 

トッドは正体を公表しない代わりにデンカーがナチス時代に行った残虐行為を全て話してほしいと頼む、最初のうちは拒んでいたデンカーだったがトッドの熱意に押されて少しずつナチス時代の思い出話しを語り始めた

 

 

トッドは毎日のようにデンカーの元へ訪れてナチス高官のコスプレまでさせてデンカーの話しに魅了され、トッドはいつしか暴力の衝動に惹き付けられていく

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

「痩せゆく男」のスティーブン・キングの原作で、「恐怖の四季 春夏編」に収録されています、ちなみに「秋冬編」には「スタンド・バイ・ミー」、「春編」は「ショーシャンクの空に」です

 

 

若い時は歴史を習っても残酷な事ばかりに興味を持ったりする事もあると思います、そんな中でも第二次世界大戦のナチスドイツによるホロコーストは特筆されますね

 

なぜユダヤ人が大量虐殺されたかと言うと、ヨーロッパではキリスト教が普及しておりユダヤ人はキリストの磔刑に関与したとされた為だそうです

 

 

ナチスはユダヤ人は反ドイツであるとされ、第一次世界大戦の張本人であり、ドイツに敵対する国家の背後で糸を引き、全ての民族の破滅を狙っているとされたそうです

 

すなわち世界を支配するのはドイツ民族であり、その障害がユダヤ人で、ドイツ民族の勝利か、ユダヤ人の勝利かこの2つの可能性しかあり得ないと

 

 

ヨーロッパにいたユダヤ人の3分の2にあたる約600万人がナチスドイツによって犠牲になっています、大体の死因の6割は飢餓・病気・衰弱・拷問で、4割がガス殺・銃殺だそうです

 

トッドはそんな残酷な事に興味を持ってしまいます、演じるのはブレッド・レンフロで、彼はプライベートでは問題が多くて薬物所持で逮捕もあり、しかし25歳の時にヘロインの過剰摂取で亡くなってます

 

 

トッドが偶然見掛けた老人がナチスドイツの戦犯のクルト・ドゥサンダーである事に気が付きます、この老人はアーサー・デンカーと名乗り、アメリカ人だとね、演じるのはイアン・マッケラン

 

 

しかしナチスドイツに異常に興味を持ったトッドは彼を見破り、正体をばらさない代わりにナチスドイツ時代の残虐行為の話しを聞かせろと迫るんです

 

 

両親には老人に本を読んでいると嘘をついてデンカーの家に入りびったてるんです、そのうちにトッドの両親い食事に招待されて家族と食事をするのですが、紳士的な振る舞いでそつなくこなすんです

 

 

しかしある日にデンカーはホームレスを自宅地下で殺害するんです、その時に心臓発作を起こしてしまってトッドを呼ぶんです、病院に運んでしかも地下にある死体の処理をしようとしたら死んでいなくてトッドが殺害、地下に埋めてしまいます

 

 

病院で入院となったデンカーなのですが隣のベッドの老人がトッドに話しかけて孫ではなくて友人だと、そしてデンカーの顔を見て過去が甦ってきます、自分の家族を殺した男の顔を

 

 

 

 

 

 

悪魔のような心理戦を描いたスティーブン・キングのベストセラー小説を映画化 それが『ゴールデンボーイ』です。

 

 

 

 

 

おそらく日本と欧米のナチスドイツに対する考えは少し違うのかな、大量虐殺された民族は未来永劫忘れる事はないのでしょうね。