スタンド・バイ・ミー | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『スタンド・バイ・ミー』

 

 

 

 

 

1986年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 ロブ・ライナー

 

原作 スティーブン・キング

 

脚本 レオノルド・ギデオン/ブルース・A・エバンス

 

撮影 トーマス・デル・ルース

 

音楽 ジャック・ニッチェ

 

 

 

出演 ウィル・ウィートン/リバー・フェニックス/コリー・フェルドマン/ジェリー・オコンネル/リチャード・ドレイファス/キーファー・サザーランド/フランシス・リー・マッケイン/マーシャル・ベル/ケイシー・シーマツコ/ジョン・キューザック

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

爽やかな驚き

 

モダンホラーの帝王スティーブン・キングの非ホラー短編小説「死体」を基にロブ・ライナー監督が少年時代の想い出を爽やかに描き上げたノスタルジックな青春ドラマ

 

田舎町のそれぞれに家庭に問題を抱える4人の少年たちが、列車の轢死体が放置されていると噂を聞き、死体探しの旅に出る少年の姿を描く

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

初めて死んだ人間を見たのは12歳の時だった、それは1959年の暑い夏、歳月だけを思えば遠い昔のことだ…

 

 

アメリカ・オレゴン州の小さな町キャッスルロック、12歳のゴーディには親しい友人が3人いた、木の上に作られた秘密基地に集まりいつも一緒に遊んでいる

 

 

クリスはゴーディの親友でリーダー格、家庭が悪く、皆将来は悪者になると信じていた、それは彼自身も、テディはとてもムチャな男、彼の父親はすぐにカッとなる人でテディは耳を焼かれかけた事があるが彼は父親を慕っていた

 

そこに遅れてやってきたバーンがすごい情報があると興奮気味に話した、その時自宅の床下にいたバーンは兄のビリーとチャンプの死体を見たという話を盗み聞きしたのだ

 

 

場所はキャッスルロックから30キロ離れたハーロウ・ロード、三日前にブルーベリーを摘みに行ったまま行方不明になっているブラワーという少年の死体で汽車にはねられたようだ

 

話を聞いたゴーディたちは発見者になれば新聞に出る、テレビにも出て英雄だと盛り上がる、バーンの家の裏にキャンプをするとアリバイを作って集合する事にした

 

 

ゴーディの家では兄のデニーが4月に事故で亡くなった、両親のショックはいまだに続いている、デニーは優秀でアメフトの選手として期待されていた、父親にお前ならよかったと言われる夢を見る

 

4人は昼頃に集合して線路を歩いて進んで行く、死体探しの旅に4人で出発、途中でケンカもするがすぐに仲直り、線路を歩いて冒険のような旅

 

 

夜には交代で見張りをし、そこでゴーディとクリスが2人きりになり、クリスはゴーディに作家になる夢を諦めるなと、しかしクリスは家庭環境の悪さから将来に希望が持てないと嘆く、ゴーディはクリスに進学を勧める

 

 

一方、ビリーら不良グループのリーダーのエースが死体の話しを聞き、仲間とハーロウ・ロードに車で向かい始めた

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

この作品を初めて観た時は高校生の時だったと思います、観た後にはやっぱり小学校の頃を思い出しましたよ、多分おいらは特別何か変わった事を経験や体験はしていないごく普通の小学生でした、それでも誰にでも思い出はあるものです

 

本作で一番印象に残ったシーンは鉄橋で機関車に追いかけられるシーンでしょうか、クリスとテディは前を歩いていてバーンは四つん這いでその後ろをゴーディが歩いているんです

 

 

最初にゴーディが線路を触って機関車が来てない事を確認しているんですけど、鉄橋の真ん中ぐらいで線路に触ると異変が、後ろを見ると煙が見える!そこからのスリルったら凄いですよ(笑)

 

 

日本は線路を歩くなんてほぼ無理だと思われます、このアメリカっていう広大な土地は線路を普通に歩けるものなんだとちょっと羨ましかったりしました

 

 

明け方にゴーディが線路に座って雑誌を読んでいると野生の鹿が現れます、これは偶然に現れた鹿でスタッフが鹿を見付け、監督がすぐにウィル・ウィートンを呼んで撮影したそうです、とても良いシーンだと思います

 

 

このウィル・ウィートンが演じるゴーディが子供の頃のスティーブン・キングと言われています、本作はキングの自伝的な小説でホラーしか知らなかったキング作品でしたが本作で見方が変わりました

 

 

後に若くして亡くなったリバー・フェニックスが凄いオーラと存在感を示しています、この作品でリバー・フェニックスを知ったと思いますがスターになる人はこんなに輝いて見えるものなのかと

 

 

バーンは小学生のクラスに1人くらいはいる少しぽっちゃりの少年なんです、演じているジェリー・オコンネルは本当に良い味を出しています、本作の緊張を解す役割でした

 

 

コリー・フェルドマンは、「13日の金曜日 完結篇」でジェイソンを倒した少年を演じていた事で知っていました、それとは打って変わってなかなかやんちゃな役割でした

 

 

この少年たちが恐れる不良グループのリーダーのエースを演じるのがキーファー・サザーランド、役割だけかと思ったら少年たちは本当にキーファー・サザーランドが怖かったそうです

 

 

ゴーディは物語を考えて話します、ブルーベリーパイの早食い競争のシーンはみんなでゲロを吐く強烈な展開です、ブルーベリーの色のゲロをみんなで吐くとはね

 

 

作家になる夢があるのですが兄のデニーは優秀でアメフトの選手で父親もまずはデニーが第一なんです、なのでゴーディの作家の夢を応援するのはデニーだけでしたが亡くなってしまい、父親には「お前ならよかった」と言われる夢を見るんです、ゴーディは父親に嫌われていると思ってるんです

 

 

クリスは家庭に問題がありクラスの給食費を盗んだと言われてます、でも先生に返したんです、それを先生が盗んで新しいスカートに変わったんです、家庭に問題のあるクリスから盗んでも誰もクリスの言う事なんか信用しない、金持ちの子だったら先生も盗んでなかっただろうとクリスは嘆きます

 

死体探しの旅が終わって町に帰るとそこからいつもと違う人生が始まるんです、クリスはゴーディと一緒に進学コースに、テディとバーンとは疎遠になって学校ですれ違う程度になるんです

 

 

友達は常に出会って去って変わっていくものなんです、大人になったゴーディもクリスとはもう10年以上も会ってなかったんです、大人のゴーディを演じるのは、「未知との遭遇」のリチャード・ドレイファス

 

「炎の少女チャーリー」のスティーブン・キング原作の非ホラー作品で、本当に色褪せない作品とはこういう作品だと思います、それぐらいおいらの心の中に沁み込んだ傑作です

 

 

 

 

 

あの12歳の時のような友達はもうできない、もう二度と… それが『スタンド・バイ・ミー』です。

 

 

 

 

 

もちろん主題歌もこのノスタルジックな作風によく合ってます、全編に流れるオールディーズもね