『マシニスト』
2004年 スペイン・アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ブラッド・アンダーソン
脚本 スコット・コーサー
撮影 シャビ・ヒメネス
音楽 ロケ・バニョス
出演 クリスチャン・ベール/ジェニファー・ジェイソン・リー/アイタナ・サンチェス・ギヨン/ジョン・シャリアン/マイケル・アイアンサイド/ラリー・ギリアード・jr/レグ・E・キャシー/アンナ・マッセイ
《解説》
すでに1年間365日眠っていない
1年間不眠状態にある機械工の男が巻き込まれていく不可解な事件を描いたスリラー、主演は「バットマン ビギンズ」に抜擢された実力派クリスチャン・ベール
2004年のサンダンス映画祭やベルリン国際映画祭など多方面で絶賛された、暗号めいた数字や記号を随所に散りばめ、衝撃的な物語を作り上げたのは「セッション9」の鬼才ブラッド・アンダーソン
《物語》
毎日単調な作業が必要とされる工場の機械工のトレバー、彼は原因不明の不眠症で食欲も失い、極度にやせ細っていた、そんな彼の楽しみは娼婦のスティーヴィーの元に行きセックス
深夜に空港に出掛け、ウェイトレスのマリアとの雑談、マリアもスティーヴィーもトレバーを心配し、「これ以上痩せたら死んじゃう」と
眠れないトレバーはテレビの深夜放送を見て、ふと思い立ったように浴室の床を掃除、漂白剤が切れている事に気付き、メモをして冷蔵庫に貼り付けた
ある日、会社で瘦せすぎを理由に薬物検査を強制された、トレバーはアイバンという男に声を掛けられ、彼は同じ工場で働いていると言うが見掛けた事がなかった
作業中に溶接をしているアイバンに気を取られ事故を起こしてしまい、同僚のミラーが機械に巻き込まれて指3本を切断する大ケガを負わせてしまう
工場長にはアイバンに気を取られてと釈明するが、工場にはそんな人物はいない、他の作業員からもまともじゃないと囁かれ、居場所がなくなってしまう
そんな時にアイバンを見掛けて彼を追って一緒に酒場へ、そこでアイバンを問い詰めるが工場長にからかわれているんだと埒が明かない
時を同じくして自宅の冷蔵庫に不気味な貼り紙を見付けた、それ以後、不可解なメッセージを残すようになる、誰かが自分を陥れようとしている、そう思ったトレバーはスティーヴィーの部屋に行き話しをする
スティーヴィーに慰められたトレバーだったが、工場で機械に腕を挟まれ、あわや切断するところを危機一髪で助かった、誰かがスイッチを入れたと疑い、工場長に掴みかかりクビを言い渡される
トレバーは自らの精神的問題を解決する為、手掛かりを集めるが、崩壊寸前になった時、彼の秘密が明らかになる
《感想》
とにかく「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベールが凄すぎます、不眠症に悩まされてもう1年間も寝ていないトレバーを演じています、その影響でやせ細ってます
クリスチャン・ベールは不眠症は見た目ではわからない事から、不眠症の過酷さをやせ細るという事で体現、人間ここまで痩せると円柱なのね
オープニングすぐで上半身裸のトレバーがその骨が浮き出た体をおどけて見せるシーンがあるんですけど、もう衝撃的ですもん、息を飲む感じです
クリスチャン・ベールは身長183センチで85キロだそうですが、30キロ減らして55キロになってます、これは監督のブラッド・アンダーソンの指示ではなく、完璧に演じる為に独断で激やせしてみせたそうです
毎日りんご1個とツナ缶だけで過ごし、目標は45キロだったそうですが周りに止められたそうです、次作「バットマン ビギンズ」のオーディションの為に45キロ増やしてます
トレバーの常連の娼婦のスティーヴィーを演じるのはジェニファー・ジェイソン・リーで、もう2人は娼婦と客の関係以上のものとなっているようです
真夜中にいきなり他の客はいてもスティーヴィーはトレバーを優先してくれます、ある夜にはいきなりトレバーが訪ねると殴られた痕のあるスティーヴィーが、彼が仕事を変えろと言うと頷いた
トレバーが通う空港のカフェで働くウェイトレスのマリアを演じるのがアイタナ・サンチェス・ギヨンで、この女性もトレバーの安らぎで、彼の体を心配しています
そんなある日にアイバンという男に声を掛けられます、同じ工場で働いていると、後日に彼に気を取られて同僚のミラーが左腕を失う大ケガを負わせてしまうのです
その頃からトレバーの部屋の冷蔵庫に意味不明なメモが貼られているんです、周りの目も冷たくなって更には自分が事故に遭いそうになって作業員らを疑うんです
挙句にミラーに会いに行くとミラーは莫大な保証金を貰って高級車を購入、妻と庭いじりをして過ごしているんです、しかしトレバーは復讐はさせないとミラーに食って掛かるんです、演じるのは「スターシップ・トゥルーパーズ」のマイケル・アイアンサイド
どうしてもアイバンの尻尾を掴めないトレバーはわざと事故に遭って轢き逃げされたと警察でナンバー照会してもらうと、それは以前に自分が乗っていた車
スティーヴィーに会いに行くと彼女の部屋にアイバンの写真があって、トレバーはスティーヴィーを問い詰め、彼女に写真に写ってるのはあなただと、トレバーはスティーヴィーの元夫に嫌がらせされていると汚く罵り追い出されてしまう
マリアに会いに行くと毎回トレバーの相手をしているのは違う女性でマリアなどと言うウェイトレスはいないと言われて、全員がグルで俺を陥れようとしていると、そして遂にはアイバンを殺してしまうのですが、アイバンは再び現れます
全てを思い出したトレバーは引っ越しをする事にします、そしてとある場所に行ってそこで無性に眠たくなり、やっと眠れるようになるのです
人間の想像と限界を超えた未体験ショック・ムービー! それが『マシニスト』です。
クリスチャン・ベールが凄すぎて物語より気になってしまいました。