勝手に映画紹介!? -2ページ目

シュリ(1999年)

 

ブームの先駆け、火付け役になったといっても過言じゃない韓国のアクション大作「シュリ」が…「シュリ デジタルリマスター」と銘打たれて、本日よりリバイバル劇場公開、およびアマプラの見放題で配信初解禁となった。今までは諸事情があって配信はされていなかったらしい…円盤もDVDまでしか出ていないので、若い世代の映画ファンの中には、ちゃんと見たことがない人も多かったと聞く…そうか、公開からもう25年くらい経ってるのか?時の流れは早いですな…ああ、無常。オイラも本当は劇場に見に行きたかったんだ…お隣の茅ケ崎市でやってるし。

 

でも、アマプラで見れるんだったら…自宅の安物中華プロジェクターで見れば、それなりの雰囲気も味わえるし、いかなと。リバイバル上映を見に行くなら、来週から同じ茅ケ崎のイオンシネマで上映になる「機動警察パトレイバーTHE MOVIE」を見に行った方がいいしな…時間と予算で天秤にかけて、アマプラでの鑑賞をチョイスした。オイラが「シュリ」を初鑑賞したのは日本公開(2000年1月)の前年、1999年10月末から開催された第12回東京国際映画祭の特別招待作品での上映だった…ネットで調べると1999年11月6日に渋谷公会堂で上映されたヤツだ。
 

確か、監督とハン・ソッキュが来日して、舞台挨拶をしたような記憶が…当時は、韓国映画なんてほとんど見たことがなくて、それこそこの作品がオイラの初韓国映画だったんじゃないかな?だからハン・ソッキュがそんなに人気のある俳優だとかぜんぜん知らなくて、後から知った…ただ、アクションが凄いという前評判は耳にしてて、映画祭のチケットを入手したような感じじゃないかな?当時の上映スケジュールをネットで見つけて、眺めてたら…同じ会場で上映になった中田秀夫監督の「ガラスの脳」とハシゴ鑑賞したのを思い出したが、内容は全く記憶にない。

 

ちなみに、本作を見て、当時はすっかりヒロインを演じたキム・ユンジンのファンになり、翌年2000年に開催された、第13回東京国際映画祭の特別招待作品「燃ゆる月」を見に行って…かなりの至近距離で生キム・ユンジンを拝んでうっとり、めんこいねーちゃんだな、映画のスクリーンで見るより綺麗だなって、そのオーラに圧倒された思い出なんかもある。ただ「燃ゆる月」は…あまり自分の好みの作品ではなく、なんだか見てる最中に眠くなったことしか覚えていない(たぶん、色々な作品をハシゴ鑑賞して疲れてたんだと思う)…以降、再鑑賞の機会もないな。

 

「シュリ」に話を戻すけど…当時は劇場パンフレットを買いたくて、2000年1月の劇場公開時に、友人を誘って再鑑賞…それから、日本盤のDVDを買った後に、日本語字幕入り、dts音声仕様の韓国盤DVD(2枚組 SPECIAL EDITION)を購入…画質なんかも日本盤より若干、良かったような気がするんだけど、日本盤の方をヤフオクで売っぱらっちゃって、既に手元になく…今は比較できない。あとは、WOWOW放送のエアチェックデイスクがあったんだけど…この間、久しぶりにプレーヤーに入れたら、経年劣化で“読み込み不可”になってて、ショックだった。

 

だから今回のリマスター、アマプラ見放題は大変に喜ばしいのよ。てっきり、このブログで1回くらいは感想を書いた気がしてたんだ…それこそWOWOWの放送が確かステレオ放送だったので、映像だけ録画ディスクのハイビジョン画質(といっても、今回のリマスターのように高画質じゃなかった)で出力、先述の韓国盤DVDを同時再生して…dts5.1chでWOWOWの録画を視聴するみたいな、けっこうややこしいことをやって…そういう話をブログで書いたと思ってたんだけど、そんな過去記事は一切なかった。なんか違うところで感想を書いたのかな…?

 

 

まだあった、当時物パンフレットと…韓国盤DVD(日本語入り、dts仕様)

 

 

 

 

 

 

 

 

1992年9月…北朝鮮では第8特務舞台の工作員候補が実戦さながらの訓練を行い、中でもイ・バンヒという女性が突出した才能を見せていた。1998年9月、韓国のソウルでは2002年サッカーW杯に向けて、南北朝鮮統一チームが結成され、交流試合が行われることになった。韓国情報機関“OP”の情報室長ユ・ジュンウォンは、恋人イ・ミョンホンとの結婚を1か月後に控えていたが…宿敵でもあるイ・バンヒの行方を追いかけていた。そんな中、情報提供者が何者かに狙撃され、その後、バンヒとその仲間が液体爆弾CTXを狙っていることを突き止めるが…。

 

初見時は冒頭の北朝鮮工作員の訓練シーンから度肝を抜かれた…なんせ、訓練で同胞を首ちょんぱにするのよ!当時も既に、けっこうデリケートな扱われ方をしていた北朝鮮を、敵対している韓国が容赦なく野蛮に描写してて…これじゃ日本のエンタメは勝てないなって思ったもん。その後の、エログロ描写がドぎつい韓国映画と比べると…今になって見ると、そこまでびっくりするほどじゃないかなとは思うけど、25年前のまだまだ無知で、無垢だったオイラには、かなり斬新な作品に見えましたね。あと、ハングルがまったく読めなかった(今もだけどね)。

 

ちょっと前だったら、もう25年も前の映画だし…ネタバレの一つや二つ書いても、たぶん、そんなに大きな問題はなかったと思うけど…今、リバイバル公開、配信初解禁で、これから初めて見る人も少なくないから、やっぱりある程度は自嘲しなきゃいかんよな。当然、イ・バンヒの正体が誰なのかなんてことも書いちゃいけないんだろうな(笑)まぁ、今のオイラはもう何度も見直してるからアレだけど…当時は確かに“見抜けなくて”、まんまと驚かされた、いいお客さんだったよ。韓国映画慣れしてなかったのも大きいかもね…ホント、うまく騙されちゃったよなぁ(笑)

 

今回、こうして再鑑賞してると…ちゃんとヒントを出しつつ、わかるような、わからないような、いい塩梅で編集している、丁寧に撮ってるなっていうのもあらためて感じた。“あの人”が動揺したりするじゃない…ああいうの、初見じゃ見逃すよね。いや、今のオイラだったら、ある程度…見抜けるかもだけど、だから25年前はまだ若かった青かったのよ、オイラも。あと…ガンホ兄貴がけっこう痩せてたな、シュっとしてて、今と違ったカッコよさ。本当は“ハン・ソッキュよりも優秀だし”、なんか直感的に…この頃から既にガンホ兄貴の推しになっていた記憶はある。

 

何度見ても気になるのが…最後の爆弾のタイムリミットだよね。あそこだけは時間経過がおかしくないか?あと10分のカウントダウンが始まり、途中、帳尻が合ってるような、でも合ってないような…敵のチェ・ミンシクとか、いつまで長々と喋ってんねんって思うもん。そして最後の30秒も妙に長く感じるのよね。この間ね、「コンフィデンシャル:国際共助捜査」をWOWOWで見た時も、同じようなこと思ったな…。劇場でリバイバル上映を見れればなお良かったんだけど…アマプラでも、高画質化を実感できたし、色々当時の思い出も蘇ったし、有意義な再鑑賞だった。

 

 

監督:カン・ジェギュ

出演:ハン・ソッキュ キム・ユンジン チェ・ミンシク ソン・ガンホ パク・ヨンウ パク・ウンスク

 

 

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シュリ デジタルリマスター(字幕/吹替)

シュリ デジタルリマスター(字幕/吹替)






 

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愛と疑惑の果て(2024年)

 

日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するWOWOWのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「愛と疑惑の果て(原題:Haunted Heart)」を鑑賞。ギリシャの孤島でレストランを営むミステリアスなオーナーシェフの男性と、新しくやって来た従業員の女性が恋に落ちるも…幸せは長く続かず、って感じのサスペンス。ヒロインと恋に落ちるシェフ役に「アウトサイダー」のマット・ディロン…ディロンも老けたなと思ったが、それもそのはず、もう60歳(現在の年齢)。なんや、おじーちゃんが年甲斐もなく若い女に惚れる話でもあったのか(笑)

 

ギリシャのとある町に到着したアレックスは、町のレストランで案内係として働くことになっていたが…そのレストランは、船で渡らなければいけない孤島にあった。しかもトラブル続きで、到着が遅れてしまったアレックス…既に別の案内係が採用されていたが、オーナーのマックスのはからいで、接客係として働けることに。やがて、どこか翳があるマックスに、アレックスは惹かれ、2人は付き合うように。アレックスは恋愛で苦い経験をしていたこと告白するも、マックスは決して自分の過去を語らず。一方で、アレックスと別の雇人チコの関係を疑うようになり…。

 

WOWOWの説明には“「ワイルドシングス」のM・ディロンが主演したラブサスペンス”とあったので、なんとなく「ワイルドシングス」的なものを期待してしまったのだが、ぶっちゃけエロもどんでん返しも「ワイルドシングス」に及ばない…ってか、マット・ディロンの代表作が「ワイルドシングス」でいいのか?って話でもある(笑)タイトル(邦題)の感じだと…リチャード・ギアとキム・ベイシンガーが共演した「愛という名の疑惑」をちょっと思い出したが、それともだいぶ違ったかな?近いといえばWOWOWで見たばかりの「ソフィーの選択」の恋愛ドラマ部分かななんて。

 

ギリシャの田舎町にやって来たヒロイン女性…水が苦手らしいのだが、なんとか渡し船に乗り、目的の孤島へたどり着く。そこには小さいながら、シャレオツなレストランがあって…その店の案内係として採用され、働くことになっていたのだ。しかし、トラブル続きで…指定された日時に到着が間に合わなかったらしい。対応に出てきたオーナーシェフのマット・ディロンは、予定をすっぽかした方が悪い、もう別の人を雇ったと非情な塩対応。ヒロインの女性はどうやらラテン系で気が強いみたいで…遅れた自分が悪いのを棚に上げ、スペイン語で激しい悪態をつく…。

 

そんなヒロインに涼しい顔をしながら、“案内係の仕事はないけど、接客係なら雇うよ”と…ディロン。一見ツンケンしてそうに見えて、実は…優しい系?興味ないそぶりをして、ちゃんと住む場所の世話してくれる。ヒロインの方は、どうやらそういうタイプに弱いみたい…自分の方からあからさまにアプローチしていく。他の店の従業員の中では“ゲイ疑惑”もあるほど…プライベートな部分ではミステリアスな部分が多いディロン。ヒロインの方も、実は“過去に痛い失恋”を経験し、今に至っており…今度こそちゃんとした男をGETしたいという気持ちも働いていた。

 

序盤はそんな2人の駆け引き、そして人目をはばからずイチャつくようになる中盤…そこから、ヒロインがディロンの秘密の過去に執着するようになり、ディロンはディロンで…ヒロインが他の男とイチャついてるのが許せないくらい嫉妬深くなる。ヒロインはディロンの店と契約し、店に客を運んでくる渡し船の船員のプレイボーイのにーちゃんと親しくなるんだけど、ディロンがいるので、一線は保ってる…ただのお友達、まぁ、相手は口説く気満々だけど。くっつく前は…クールだったのに、女と付き合うようになり、情緒不安定さが浮き彫りになるディロンとの三角関係。

 

後半はサスペンス度も高まるし…ディロンに隠されていた秘密なんかもちょっとずつ判明していくんだけど、会話の中で“ディロンが何をやったか”がわかるくらいで、思ったほどの深掘りはなかった。ヒロインが、情緒不安定で、何やらやべぇ過去を持ったディロンに対して…どういう答えを突き付けるのか?ヒロインは情熱的である反面、気性の粗さが隠しきれていなかったので…それこそオイラが引き合いに出した「ソフィーの選択」のメリル・ストリープほどの包容力はなく、自分の方が大事なんだろう。最後は緊張感もあるが、2時間越えの尺はちょっとダレる。

 

特に時代設定が出てこなかったので、“現代”の話なのかなと思ったら…途中で“ある歴史的な事件”の報道がテレビで流れて、その時代の話だったのかと…初めて理解した。そういえば、誰もスマホを持っていなかったな(だかた過去も隠せる?)。後半は、やたらとガラケーが小道具として使われるようになる。意図的に前半はわざと時代背景をボカす意味もあったのかな、あまり電話の描写ってなかったような気がするな。あくまで、そう感じただけで…ただの偶然の可能性もあるけど。ホント、尺が長いわりに…伏線とか投げっぱなしのところも多かったなぁ。
 

 

監督:フェルナンド・トルエバ

出演:マット・ディロン アイーダ・フォルチ フアン・パブロ・ウレゴ キカ・ジョージウー 

 

 

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大統領の陰謀(1976年)


大統領の陰謀 [DVD]

 

WOWOWのメリル・ストリープ特集で放送された「ソフィーの選択」を鑑賞した影響で、アラン・J・パクラ監督作品を見たくなり…続けて「パララックス・ビュー」を鑑賞、その流れでもう1本、パクラ監督の代表作の1つ「大統領の陰謀」を久しぶりに再鑑賞する。時の大統領ニクソンを失脚に追い込んだ“ウォーターゲート事件”を扱った社会派サスペンス。手元にあったエアチェックディスクはやはり13年前にWOWOWで録ったものだった…。たまにNHKのBSでもやってるよね…大昔、学生の頃に見た時も、確かNHKの放送を録画したビデオだった気がするなぁ。

 

1972年6月17日の深夜…ワシントンのウォーターゲートビルにある米民主党本部で不法侵入事件が発生、現場で5人の不審者が逮捕された。この5人は元CIA職員や大統領再選本部の関係者であり…後に控える大統領選をかく乱する目的があった!この事件の裁判を傍聴することになったワシントン・ポストの記者ボブ・ウッドワードは…弁護士が官選ではないことに注目し、事件にはまだ隠された部分があるのではないかと考える。そこで同僚のカール・バーンスタインと共に調査を開始…やがて謎の情報提供者“ディープ・スロート”が接触してきて…。

 

WOWOWで録画をしてあったけど…今まで見返す機会がなかったので、ウォーターゲート事件を扱った作品、ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが出ているというくらいの印象しか残っていなかった。あと、地味なうえに、人の名前を覚えるのが大変だったのはなんとなく覚えていた。ウォーターゲート事件自体は自分の生まれる前の話、映画だってまだ物心かつく前の作品なのでリアルタイムでは見ていない。しかし、本作以外にも…度々映画の題材として扱われることもあるので、ある程度の、それこそ基本的な事柄は知識として持ち合わせてはいる。

 

久しぶりの再鑑賞…感想はそこまでかわらないな。今見ても、覚えなきゃいけない名前が膨大であり…自分でも内容の半分くらいしか理解できていない気がする。陰謀ものではあるんだけど、それこそ昨日見た「パララックス・ビュー」のようなサスペンスフルで、緊張感ある展開が全編に渡って続くような作品とはだいぶ毛色が違うもんな。基本は…新聞社の若手記者であるレッドフォードとホフマンが地道に取材をしていく姿を淡々と追いかけており、なかなか口の堅い取材対象者や、取材に懐疑的な態度を見せる新聞社の上司・幹部相手の駆け引きが中心だ。

 

話は地味なんだけど、若い頃よりは見る場所は増えたかな?妨害やら圧力やらで…思うように取材が進まなくても、決して諦めないジャーナリスト魂。確かに、今の時代では通用しない取材方法も多いんだろうけど…どんなスクープにも慎重な裏取りが必要で、文章の一つ一つに執筆者としての責任感を忘れない…ジャーナリストの矜持、姿勢はしっかりと伝わってくる。現代のネット社会にあふれるコタツ記事とは違うなにか…あんなもんでジャーナリスト風を吹かしている連中に本作を見て、本来のジャーナリストの気概を思い出し、学んで欲しいものだな。

 

今の日本じゃこういう作品ってなかなか作れないよね…せいぜいモデルにした実事件に似た内容のフィクションとかになっちゃうじゃん。ネトフリとかで「総理大臣の陰謀」とか言って…裏金問題とか過去のあれやこれやに切り込むような作品を、実名入りでやってほしいよな。そういえば…虚実が入り乱れたなんかのコメディで、ひょんなことから“ウォーターゲート事件”の目撃者になっちゃう映画ってなんだっけ?って、ずっと考えてたんだけど、それらのキーワドを入れてググったら一発で判明、そうかトム・ハンクスの「フォレスト・ガンプ 一期一会」の一幕だった。

 

ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが…同世代の若手記者として、切磋琢磨しながら取材に向き合う姿が描かれている。ダスティ・ホフマンって…自分が今まで見てきた映画のイメージで、もっと線が細い感じ、なよっちい、弱っちい、どちらかというと三枚目のイメージの方が強かったんだけど、この映画では最初からイケメンポジだとわかっているロバート・レッドフォードと並んでも遜色がない…いや、役柄的にもレッドフォードよりも優秀そうに見えるんだよな。あれ、ダスティン・ホフマンって意外とカッコいいなって、今さらながらに思ったりもした…(笑)

 

 

監督:アラン・J・パクラ

出演:ダスティン・ホフマン ロバート・レッドフォード ジェイソン・ロバーズ マーティン・バルサム ネッド・ビーティ

 

 

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パララックス・ビュー(1974年)

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ひとつ前に、WOWOWで録った「ソフィーの選択」を鑑賞した影響で…なんとなくアラン・J・パクラ監督を攻めたくなった気分…エアチェックディスクを物色していたら、今から11年前、2013年9月に、やっぱりWOWOWで録画してあったものの、ぜんぜん見なかった「パララックス・ビュー」が出てきたので、この機会に鑑賞しておく。当時はWOWOWとTSUTAYA“発掘良品”のコラボ企画での放送だった…映画本編の前と後ろに、斎藤工と大槻ケンヂの対談形式の作品解説が入ってたよ…斎藤工はそんな変わってないけど、11年前のオーケン、若かったな。

 

シアトルにあるタワーの展望ルームで、次期大統領候補と目されるキャロル上院銀が銃で撃たれて死亡…犯人も逃亡の際にタワーから転落して死亡。その後、調査委員会は…犯人の単独犯という結論を出し、そのまま事件は忘れ去られてしまう。3年後…新聞記者のジョー・フレディは、知り合いの女性ジャーナリスト、リーから相談を受けた。実はキャロル上院議員の事件で現場に居合わせた関係者が次々に不慮の事故でなくなっており、次は自分の命が狙われていると…。最初は相手にしなかったジョーだが、実際にリーが殺され、事件を調べ始めると…。

 

パクラ監督作品でいうと、後の「ペリカン文書」にも近いような…いわゆる巻き込まれ型サスペンスってヤツですかね?冒頭、大統領候補の議員が銃撃によって暗殺されてしまう…現場はシアトルにあるタワーの展望ルームで、関係者と一部のマスコミしか入れなかった。ウォーレン・ベイティ扮する主人公の新聞記者も、その場所にもぐりこもうとしていたんだけど失敗…残念ながら、事件の目撃者にはなれなかった。それから3年、事件はすっかり風化してしまっていたんだけど…事件当時、現場に居合わせた同業の女性記者から…陰謀論めいた話を聞かされる。

 

それは…暗殺時に周りにいた20人の関係者、目撃者が次々に謎の死を遂げていて、その数は6人にものぼる。そして、女記者は次は自分の命が危ないと、怯えていた。ベイティは一笑に付し、相手にしなかったんだけど…その直後、本当に女性記者は死んでしまった。これは、マジでヤバいんじゃないか?そこで関係者の1人が死んだとされる田舎町を訪ね、事件を嗅ぎまわるんだけど…今度はベイティまで殺されかけ、その犯人を返り討ちにしたことで地元警察にも追われる。しかし、それらの事件も隠蔽され、とりあえず逮捕されることはなかったベイティ。

 

危ない橋を渡ったおかげで…手掛かりをつかみ、そこからさらに一連の事件の真相へと迫っていき、どうやら背後に謎の暗殺集団が暗躍しているのではないかという答えに行きあたる。再び危ない目にも遭い…世間的には死んだことになってしまったので、これ幸いと…身分を偽って、暗殺集団に接触、内部から真実を暴き出そうとするんだけど…。試験をパスして、暗殺集団の仲間入りをするんですよ…しかも、途中で、変な映像を見せられ、洗脳されそうになったり。一瞬、このままベイティも悪の手先になっちゃうのかと心配になったが、正気は保っているようだ。

 

ある一つの大きな陰謀を阻止したベイティ。さらに、次の陰謀も自分の手で食い止めようと奔走するが…。幾度となくベイティの身に、命の危険が迫るシーンが出てきて…“ここでくるな?”ってわかっちゃっても、ちゃんとスリルが伝わってくるよね。やっぱり印象に残るのは…先述もした、洗脳のシーンだろうか?うまく組織の一員として潜り込んだベイティが、変なコラージュ映像を延々と見させられるんだけど…そのシーンがあまりにも長い、同じメッセージや写真が何度も繰り返されるので、観客・視聴者であるこっちまで、なんだか頭が変になってくるのよね。

 

 

監督:アラン・J・パクラ

出演:ウォーレン・ベイティ ポーラ・プレンティス ウィリアム・ダニエルズ ヒューム・クローニン

 

 

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ソフィーの選択(1982年)

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WOWOWのメリル・ストリープ特集でエアチェックした「ソフィーの選択」を鑑賞…特に初放送でもない旧作、過去にも放送されていると思うけど、今までは見る機会がなかった。あらすじ程度は見聞きしたことがあって、どんな映画かは知ってるつもりだったけど…監督がアラン・J・パクラだったというのは見逃してた。サスペンス色強めのパクラ作品はけっこう好きで、印象に残ってるものもあるんだけど…それらとは若干、毛色も違いそうだ。共演は「ワンダとダイヤと優しい奴ら」のケヴィン・クライン、近年は海外ドラマで目にすることが多いピーター・マクニコル。

 

1947年、作家志望の青年スティンゴは…南部からニューヨークへやって来た。到着早々、同じ下宿先の階上に住むカップル、ネイサンとソフィーが言い争いをしている場面を目撃。その後、1人で詫びと挨拶にやって来たソフィーと会話、話の流れで彼女が強制収容所に入れられていたポーランド人であること悟る。ソフィーの魅力に惹かれるスティンゴだったが、その後、ネイサンとソフィーは仲直りしたようだ。翌日、今度はネイサンが部屋にやって来てピクニックへ誘う…。終日2人と一緒に過ごし、人柄に惹かれスティンゴは…どんどん親しくなっていくが…。

 

田舎から都会にやって来た作家志望の若者ピーター・マクニコルが…同じ下宿先に住んでいるカップル、メリル・ストリープとケヴィン・クラインと出会う。ケヴィン・クラインがどことなく情緒不安定なところがあり、人目もはばからずカノジョのメリル・ストリープとイチャイチャしてると思ったら、ちょっとした拍子に態度を急変させ、DVスレスレでやたら詰ったりもする。しょっちゅう喧嘩をしてるんだけど…周囲、特にピーター・マクニコルが心配して、親身になってメリル・ストリープをかばう、慰めていると、いつの間にかお互いに仲直りしてくっついている、その繰り返し。

 

ピーター・マクニコルは明らかにメリル・ストリープに好意を抱いてるんだけど…2人の間を強引に引き裂いて、奪うような度胸なんてない。だから、カレシもひっくるめて、自分は2人の大親友なんだって無理やり納得し、そのポジションに甘んじてるのよ。それだけで適度に幸せな気分に浸れて、楽しいから、まぁ、いいかと…でも、カレシのケヴィン・クラインが情緒不安定になると、そんなピーター・マクニコルとメリル・ストリープの仲を勘繰り始める。実際に、けっこう際どいところまでいくんだけど…メリル・ストリープがそこはしっかりカレシLOVEで踏みとどまる。

 

そんなモヤモヤする三角関係を縦軸に…実は、かなり数奇な運命をたどって、今に至っていたメリル・ストリープの過去なんかも紐解かれていく。本命カレシのケヴィン・クラインや、お友達ポジのピーター・マクニコルを受け止める包容力、その懐のデカさはいったいどこからきてるのか?特に何も秘密とかじゃなくて(映画の物語的にはある程度は秘密なんだけど)公式的な作品解説やあらすじでも触れられてることなので書いちゃうけど…メリル・ストリープの過去が所謂“ホロコーストもの”になってまして、「シンドラーのリスト」みたいな収容所の話が絡んでくる。

 

一方…カレシのケヴィン・クラインの情緒不安定、挙動のおかしさにも秘密、理由がありましたよ…という感じですね。あの両方を受け止めなきゃいけないピーター・マクニコルも、とにかく大変だよ…“ただのお友達”なのにな。ある時、ケヴィン・クラインが親友のよしみで…ピーター・マクニコルに“ヤリマンビッチな女”を紹介、これでヤリまくりのセフレGETじゃんと大喜びするんだけど…それがまさかのぬか喜びに終わるという、顛末に大爆笑。しかし、やり場のなさに戸惑うピーター・マクニコルの気持ちにも共感…まるで自分のことのように、男として切なくなったな。

 

だから、そんな気分の時に、大事なお友達よって接してくれるメリル・ストリープが余計に魅力的、女神に見えちゃうんだよな。でも、ちょっと待って…映画のタイトルが「ソフィーの選択」ってことはですよ、ワンチャン、ピーター・マクニクルにも可能性がなくおないんじゃないか?と、メタ的考察もしたくなる。セフレGET失敗の惨めさに共感してしまったように…実はオイラも、長い人生のほとんどで…“このお友達ポジ”ばかりだったんだよなと。なんだかんだで“思い出作りできてだけよかったじゃねーか”と劇中人物に嫉妬してたら、あの結末、さすがに相当へこむな。

 

今ではすっかり、貫禄オバサンの代名詞みたいになっているメリル・ストリープだったが…この頃はまだ若くて、可愛らしさもあった。ただ、好意を寄せているピーター・マクニコルよりは年上で、“私は年増のオバサンよ”的な自虐をとばすことも…一応、お互いに親友って言ってたけど、内心じゃ弟みたいな扱いだったかもしれんな(笑)アラン・J・パクラ監督の他のサスペンス的な作品とは、やはり毛色が少し違ったが…登場人物たちに隠された秘密が明かされていく展開や、3人の関係がどこに向かうのかは、なかなかサスペンスフルで2時間30の長尺も飽きない。
 

 

監督:アラン・J・パクラ

出演:メリル・ストリープ ケヴィン・クライン ピーター・マクニコル リタ・カリン スティーヴン・D・ニューマン

 

 

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相続人(1973年)

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整理をしていたら…2年くらい前に、没後1年の追悼企画でやったWOWOWのジャン=ポール・ベルモンド特集の未見エアチェックディスクが発掘されたので…昨日から見ている。いつもは25GBのBD-REに放送画質の映画を1作品焼いてるんだけど…特集放送だったからか、ダイソーで買った税込み220円の50GBのBD-R DLに2作品まとめて焼いてあった…そんなわけで鑑賞済みの「警部」と一緒に焼いてあった「相続人」を鑑賞…大富豪の父親が急死し、莫大な財産を受け継ぐことになった御曹司ベルモンドが、巨大な陰謀に巻き込まれるサスペンス!

 

プレイボーイとして名を馳せるバート・コルデルが、母国フランスに呼び戻され…飛行機で向かっていた。父親である巨大企業コーデルグループの社長が飛行機事故で急死したのだ。バートは機内で声をかけてきた美女と、関係を持つのだが…その後、空港へ到着の際に、麻薬所持の疑いをかけられてしまう。なんとか疑いを晴らし…グループの重役たちと合流。直ぐにミーティングを開き、今後の対策を検討するなど精力的に活動していたのだが…周囲で不可解な事件も続発。やがて父親に他殺説も浮上…バートは真相を究明すべく、奔走するのだが…。

 

父親が急死して、母国へ帰国することになったベルモンド…冒頭から、明らかに“ハニートラップやろ?”って感じの女と、飛行機内でイッパツお楽しみ。案の定、到着後の税関で…麻薬運搬の濡れ衣を着させられ(ヤってる最中に女がポケットに証拠品をしのばせた)、あやうく捕まりそうになる。でも大丈夫…御曹司はコネもしっかり持っており、おつきの人間が“偉い大臣”に電話をかけたら、直ぐに疑いは晴れるのだった。グループ会社の人間たちと合流…精力的にミーティングを行ったりするが、ちゃっかりキャリアウーマン風のできそうな美女を口説こうとする。

 

まったく懲りてないぜ…人払いをした後に、“1回だけ急いでセックスしよ”っていうのがテクニックで、自信満々だったんだけど、意外にも相手はオチない。ちゃんと部下に命じて事前にリサーチ…相手の女がそういうシュチエーションを好むと確信してたんだけど、どうもうまくいかなかったようだ。もちろん…失敗しても涼しい顔の御曹司、その後も事あるごとにモーションをかける。その一方で、自分をハニートラップにハメた女の正体、行方も探っており…ちゃんと居場所を突き止め、罠にハメた理由を問いただす。そして金に物を言わせて…セフレのように扱う!

 

精力絶倫のベルモンドだが…既婚者で子供までいる。しかも、この結婚が…生前の父親との確執のきっかけにもなっており、金も権力も持つ父親の反対を押し切ってまでの大恋愛だったはずなんだけどね…。もちろん、ベルモンドはただ女とヤってるだけではなく…しっかり父親のビジネスを継ごうと精力的だし、それどころか父親の死が、ビジネスにからんだ他殺だったのではないかと疑っている。実際に、父親やベルモンドの周りで不審死が起き、ベルモンド自身も命を狙われる!後半は親子関係、夫婦関係なども話に絡み、驚愕の真相、展開が待っている。

 

先に見た「警部」同様、かなりクセのある主人公ではあるものの…どこか憎めない飄々とした態度、そして女にモテモテで、なんでもこなしちゃうダンディーなベルモンドのキャラクター性で、なんか許せちゃう、魅力的なキャラクターになってたよね。“相続人”を題材にしたサスペンスというので、日本の2時間ドラマ的なもの、または横溝や乱歩みたいな話を想像していたんだけど、もっとスケールがでかくて、派手だった。協力者と共に、廃墟みたいなビル(協力者の住処)で命を狙われるところのアクションがいいよね…絶対にあの手榴弾で反撃すると思ったよ。

 

サラっと出てきたわりに、わりとヘビーな話をしているなと思った、叔父さんの回想とかも、ちゃんと伏線だったのね…。あれだけ先読み、深読みに長け…なんでもこなしちゃってたのに、策に溺れて、わきが甘かったのか?いや、あそこまでの出来事を予想しての、全ての行動だったのかな?タイトルの“相続人”がただ単に、ベルモンド1人を指し示すだけではなかったのね…という感じ。最後にもう一つくらいどんでん返しがあるんじゃないか、あってほしいななんて思いながら、角度を変えて意味深に何度も繰り返される“同じシーン”をエンディングで見続ける。

 

 

監督:フィリップ・ラブロ

出演:ジャン=ポール・ベルモンド カルラ・グラヴィーナ ジャン・ロシュフォール シャルル・デネ

 

 

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警部(1979年)

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エアチェックディスクの整理をしていたら…2年くらい前に、WOWOWで録ったジャン=ポール・ベルモンド特集の作品がまとめて出てきた、ああ、これぜんぜん見ないで、そのまま放置しちゃってたヤツだ。確か、その前年にベルモンドがなくなって、没後1周年みたいな追悼企画だったと記憶。ちょうど未見の旧作映画を見たい気分だったので、この辺を消化してみるかと思い…こちらをチョイス、ニースを舞台に、特命を受けたベルモンドが破天荒な捜査を繰り広げ、犯罪組織と戦うアクション映画「警部」を鑑賞…WOWOWでもオイラの録画時が初放送だった。

 

南仏のニース…この街では、警察が腐敗し、犯罪組織との癒着も見られる…買春、麻薬、恐喝など、ありとあらゆる犯罪が横行していた。そんな中、1人の警部が売春婦と一緒に殺されるという事件が発生…しかし、悪徳刑事たちの関与で、崖からの転落死に偽装されてしまう!そん中、1人の男がニースにやって来た…男は殺された売春婦の兄を名乗り、犯罪者や悪徳警官の周りに出没を繰り返す!その男の正体は…パリから派遣されてきた敏腕のスタン・ボロウィッツ警部だった!スタンは破天荒な捜査で組織をかく乱、次々に成果を挙げていくのだが…。

 

ポリスアクションということだったので、漠然とフランス版、ベルモンド版の「ダーティハリー」、もしくは「あぶない刑事」みたいなものを想像していたんだけれども…どちらかというと007、ジェームズ・ボンドに近いだろうか?やたらオシャレなスポーツカー(オープンカー)に乗って目的の街にやって来たベルモンド…不審死した地元警察の警部の家に、車で乗りつけ、あろうことかその車ごと家の中に突っ込む!そして自分は、警部と一緒に死んだ娼婦の兄だと名乗り、未亡人やら関係者を脅す。事前にあらすじ読んでなかったら、コイツ何者だよって思っただろうな。

 

他にも…表向きはカジノオーナー(?)の犯罪組織のボスを拉致って、身ぐるみをはぎ(全裸にして街中に放り出す)、車も盗んでカジノに向かって…オーナーの部屋に忍び込んで時限爆弾を設置。爆発するまでの時間に、カジノで小銭を稼ぐ!それだけじゃなくて、地元に住んでいる金持ちの女(カジノでニアミスしている)を口説いて、そのまま彼女の家に転がり込んで、そこを拠点にして…破天荒を通り越した、めちゃくちゃな捜査を続けていく。なんだけど、偽名まで使ってるのに…なぜかイギリス留学している娘が訪ねてきちゃって、一緒に住んだりするのよ。

 

娘のいる前で、現地調達した愛人と平気でイチャイチャしたりもするし…逆に娘の機嫌をとって、スイーツとかも食べに行っちゃって、真面目に犯罪組織と戦ってるのかよ?ってツッコミたくもなるんだけど、案の定…娘が犯罪組織に誘拐されてしまったりもするのよね。凄腕のわりに、わきが甘い…娘が狙われることを考えていなかったのだろうか?もちろんそんな主人公だって、娘が危険になればけっこう本気モードで救出方法を考える…とはいっても、かなり非合法な手段だけど。とんでもねー主人公だけど、ベルモンドの飄々とした演技で、なぜか憎めない。

 

 

監督:ジョルジュ・ロートネル

出演:ジャン=ポール・ベルモンド マリー・ラフォレ ジョルジュ・ジェレ ジャン=フランソワ・バルメ

 

 

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アンブッシュ(2021年)

 

WOWOWでエアチェックしておいた「アンブッシュ」を鑑賞…内戦下のイエメンで、UAE軍(アラブ首長国連邦軍)の兵士たちが実際に巻き込まれた、ゲリラとの激しい戦闘を描いた戦争アクション…タイトルからも推察できる通り、待ち伏せの奇襲攻撃をかけられてしまう!アラブ首長国連邦とフランスの合作だそうで…役者さんは正直、知らない人ばかり(みんな同じ格好してるので、時々見わけもつかなくなるし)なんだけれども、監督を務めているのが「96時間」「パリより愛をこめて」のピエール・モレルと…アクション映画ファンには馴染み深い人選になってる。

 

2015年以降、反政府派と政府支持派が激しい戦闘を繰り返しているイエメン…多くの民間人も戦闘に巻き込まれ、犠牲になっていた。やがて大統領の要請によりUAE軍を含む連合軍が介入…2018年時点でのUAE兵の日課は戦闘地区の住民に物資を運ぶことだった。ある日、UAE軍の兵士アリたちが装甲車でパトロールをしながら、物資を配っていたところ…渓谷部で突然、敵ゲリラの奇襲攻撃を受けて身動きができなくなる。救出のため、直ぐに基地から緊急対応部隊が出撃するも…ゲリラは地雷や迫撃砲、RPG、狙撃兵まで配置して待ち構えていた!

 

戦時下で緊張が続いているものの…冒頭は、基地内での兵士たちの日常が描かれる。訓練をしながら、目前に迫るサッカーの試合についての話題で盛り上がったり。一方、兵士同士でちょっとしたいざこざが勃発する…訓練中に不真面目な態度をとった兵士を、堅物な兵士が諫めたりして、やたら空気が悪くなるんだけど、あわてて仲間が仲裁に入って…みたいな感じだ。で、これまた日課であるパトロールに出ることになったんだけど、よりによっていがみ合ってた2人が…狭い装甲車の中で一緒に過ごすことになった。再び車内でもいざこざが再燃か…?

 

そこに敵のゲリラが待ち構えていて…RPGと地雷の餌食になってしまい、装甲車は走行不能になってしまう!パトロール隊のピンチは直ぐに基地へと伝わり、出来そうな上官が指揮を執る緊急対応部隊が駆けつけてくるんだけど…敵はそれを見越してまして、なんだったら最初に走行不能に陥った装甲車を餌にして、本隊をおびき出そうとしていたのだ。緊急対応部隊も…力業でねじ込んだり、頭を使って作戦を練ったり、色々な方法で救出を試みるんだけど、敵の兵力が侮れない。っていうか、RPGと地雷の合わせ技は最強すぎて…手も足も出ない状況だ!

 

まるでゴキブリホイホイに捕まるゴキブリのように…軍の装甲車が地雷の餌食になっていく!距離的にはそこまで離れていない、目と鼻の先に…救助を求めてる仲間がいるのに、なかなか助けに行けない、そして自分たちもピンチに陥る。このあたりのもどかしさは「ブラックホーク・ダウン」にも通じる…いや、あれはアメ公がソマリアの民兵をなめてたっていうのもあって、こっちはもう少しちゃんとしてたけどな。でも…仲間の救出を急ぐあまりって感じかな?最初に襲われた装甲車…例のギスギスした関係の2人が乗っていて、案の定、フラグやドラマがあるのよ。

 

不真面目に見えたヤツなんかにも、ちゃんと理由があり…戦闘を通じて、そんな2人のわだかまりも解消されていくのだが…。救出にきた仲間も含め…兵士たちは無事に帰還ができるのか?わりとサバイバル感はあったな。航空支援でやって来る味方アパッチヘリの大活躍などもけっこう見ごたえあり…アパッチにも容赦なくRPGがぶっ放されるが…はたして?敵スナイパーの排除に乗り出す時の緊張感、クライマックスの大反撃では映画らしい爽快感も味わえるのだが、最後の最後は実話ものらしく“しっとり”もさせて…。個人的にはかなり満足度が高かった。

 

 

監督:ピエール・モレル

出演:マルワーン・アブドゥッラ・サーリフ ハリーファ・アル・ジャースィム アブドゥラ・ビン・ハイダー

 

 

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ボーはおそれてる(2023年)

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WOWOWでエアチェックしておいた「ボーはおそれている」を鑑賞…「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」のアリ・アスター監督が、三度スタジオ“A24”と組んで送り出す衝撃映画とのこと。ただし、今回はホラーじゃないらしい。主演は「ジョーカー」のホアキン・フェニックス…こちらも相変わらずの“カメレオン”ぶりで、挙動のおかしい中年オヤジの主人公を熱演している。なんせ本編尺が約3時間(超えてないけど、あとちょっとで3時間)…録画してから1週間くらい経つけど、なかなか手が伸びず、しばらく放置してたけど、時間がある時に見ておくかと…。

 

ささいなことでも直ぐに不安になる、極端に怖がりな中年男ボー…父親の命日に、母親が住む実家に帰省する約束になっていたのだが、トラブルが重なり、家を出るのが遅くなってしまう。その矢先に、電話で話したばかりの母親が、怪死したという報せが届き驚くボー。葬儀のために、直ぐに実家へ向かわなければならないのだが…ありえないほど不思議なトラブルが続発、刃物で刺されたり、車に轢かれたり!その後、見知らぬ部屋で目覚めたボーは手厚い看護を受けていたが…いくら母親の葬儀に向かいたいと申し出ても、なかなか解放してもらえず…。

 

カウンセリングを受けるくらい超ビビリ症の中年オヤジ、ホアキン・フェニックス…なぜかビクビクしながら、治安がヤバ目の街に住んでいる。ある日、離れて暮らす母親の元へ帰省する予定になっていたけど…“信じられないようなトラブル”が続出して、飛行機に乗り遅れる。母親に釈明の電話を入れても、なんとなく信用されず、グズグズしてたんだけど…その直後、さっきまで話していた母親が不慮の事故で死んだという報せが届いて動揺。とりあえず風呂にでも入って落ち着こうとしていたら、そこでも“ありえないような出来事”が起き、全裸で部屋を飛び出る。

 

たまたま外にいた警官に助けを求めるも…警官だって挙動不審な全裸の中年男が迫ってくればビビって、拳銃で威嚇しようとする。そして治安が悪いので、他にもヤバイ奴が現れ…逃げる際に、車に轢かれて、意識を失う。で、気がつくと…ここはいったいどこなのか?な状態。死んだ母親の元へ急がなければいけないんだけど…怪我をしていて動けない。実は、主人公を車で弾いた張本人の夫婦が、善意で看病をしていたんだけど…これまたどこか胡散臭くて、本当に親切でやってるのかどうか疑わしい。っていうか、人を轢いたんだったら…まず警察やろ!

 

とりあえず本作も想像の斜め上を行く展開がてんこもり…これで、まだ序盤も序盤だ。主人公も“おかしい”と思いながらも、なかなか不可解な状況から抜け出せない…時に主人公は幼少期に思いを馳せ、とある状況で観劇を行えば、自らを演劇の内容に同化させていく。アニメーションも駆使したその演劇のシーンは、なかなか凝ったビジュアルなのだが、とにかくその一連のシーンだけでも長い。その後の展開も含めて、なんじゃこれ?って感想を抱くし、なかなかのカオスっぷり。前半ではこれ見よがしに薬の服用や、交通事故なんて出来事が起きている。

 

もしかしてヤクってラリっているのか?それともなければ…死の間際に見ている走馬灯のような夢なんじゃないか?そんな想像を巡らせてみるも…凡人でも考えつくような安易な展開にならないのは、やはりアリ・アスター映画。徐々に明かされていく主人公の生い立ち、母親との関係性。実はけっこうなボンボンだったりもして…出生の話などにも迫っていく。一見、ファンシーでコミカルに見えるんだけれども…「ミッドサマー」の冒頭から漂っていたような不穏感や薄気味の悪さが本作にもある。ぶっちゃけ、わけわからなすぎて何度も寝落ちしそうになった(汗)

 

そして本当に寝落ちすると余計にわけがわからなくなる…一瞬、セリフを読み飛ばしただけでも脳みそがバグる、その後の話が頭に入ってこなくて、慌てて少し場面を戻す。眠い時に見るのは気をつけよう、マジで…。あくまでオイラの勝手に抱いたイメージだけど…相当にラリって酩酊状態の「フォレスト・ガンプ」みたいな映画だったな。幼少期の回想が伏線になり…とってもハッピーな物語になるのかなと思いきや、そこからの急転直下、天国から地獄へ突き落とす感覚は…やっぱり「ミッドサマー」に通じるものがあるのよね。色々な意味で疲れる映画だった。

 

 

監督:アリ・アスター

出演:ホアキン・フェニックス ネイサン・レイン エイミー・ライアン スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン

 

 

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トワイライトゾーン/超次元の体験(1983年)

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映画専門チャンネル“ムービープラス”にて…名だたる巨匠が若手時代に監督を務めた短編オムニバス、TVシリーズ(往年の海外ドラマ)「トワイライトゾーン」の映画版、「トワイライトゾーン/超次元の体験」を放送していたので、ケーブルテレビのSTB経由でエアチェック。同チャンネルで過去にも放送はされてるとは思うけど、ようやくタイミングが合って録画することができた。我が家のケーブルテレビの契約者は、同居の兄貴殿でして、最近は機嫌が悪いことも多く…前ほど頻繁に拝借できなくなっちゃったのよね。兄貴殿の予約録画で埋まってる時もあるし。

 

えーと作品自体は…中学生くらいの時に、TBSの映画放送枠“月曜ロードショー”で見てるんだけど、以降は再鑑賞の機会がいままでなかったので、ほぼほぼ内容を忘れていた。ただ、飛行機が舞台の“偉い怖い作品があった”という記憶は残ってたんだけど、今回の鑑賞で…それがジョージ・ミラー監督の第4話「2万フィートの戦慄」だったと判明した。ちなみに、残り3つのエピソードの監督は、第1話「偏見の恐怖」がジョン・ランディス、第2話「真夜中の遊戯」がスティーブン・スピルバーグ、第3話「こどもの世界」がジョーン・ダンテ…邦題はWikipedia参照。

 

このほか、冒頭と最後に短めのプロローグとエピローグがついており…これまたWikipediaの情報によると、プロローグの監督がジョン・ランディス、エピローグの監督がジョー・ダンテとのこと。本来は直前、直後のエピソードの監督が担当するはずだったが、ジョージ・ミラーが自国に帰っちゃったので、ジョー・ダンテが担当したと、Wikipediaに書いてあった。両方には共通して、ダン・エイクロイドが出演…物語へ誘う、締めくくる重要な役を任されている。今見ると、プロローグのオタク心を刺激する会話がおもろいな…HAWAII FIVE-0のテーマ曲を口ずさんだりする。

 

 

第1話「恐怖の偏見」 監督:ジョン・ランディス 出演:ヴィック・モロー チャールズ・ハラハン

 

バーで、友人相手にグチをこぼす白人セールスマンのビル…彼はだいぶ偏った意見の持ち主であり、その場でも、近くに黒人の客がいるにもかかわらず、人種差別的な発言を平気で繰り返し、トラブルになりかける。そんなビルが、友人たちより先にバーから出ていくと…目の前には見知らぬ風景が広がっていた。そこはどうやらドイツ占領下のフランスのようで、瞬く間にドイツ兵に詰め寄られ不審者扱いされてしまう!銃も撃たれて、命からがら逃げだすが…今度は目の前にKKKが。ビルを黒人だと決めつけて…。

 

偏見の塊のような白人主人公をヴィック・モローが演じており、モローは本作の撮影中の事故で命を落とすという、いわくつきの作品でもある(もちろん遺作)。ああ、そうかこれがそうだったか…これもWikipediaに書いてあって思い出した話だよ。映画本編ではカットになった事故シーンを、当時は普通にテレビの特番(今でいう決定的瞬間的な番組じゃなかったかな?)とかで放送してて、子供心にそれが一番怖くて、トラウマになったんだよな。今じゃ絶対に大問題になっちゃうよな…やっぱオイラたちが子供だった“昭和”ってとんでもない時代だったんだよな(笑)

 

簡単にまとめると人種差別している男が、なぜか色々な時代の色々な場所に飛ばされ、そこで自分自身が迫害されるといった感じの内容。本人も友人との会話の中で、日本人と朝鮮人を混同しているようなところもあって(この引っ掛りが巧い)…今度は白人アメリカ人の自分が、イギリス人、ユダヤ人、黒人に間違えられ…戦場では同胞のアメリカ人に襲われてしまうというのが、なかなか皮肉が効いてて面白い。人種差別なんて言っても、実際は細かいところまで見ていない…表面的な見た目で、自分と同じか、そうじゃないかだけで判断しているってことよね。

 

 

第2話「真夜中の遊戯」 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:スキャットマン・クローザース

 

老人ホームで暮らすコンロイは、息子家族と過ごす一時外出を楽しみに待っているのだが、いつも何かと理由をつけられ、外出が叶うことがなかった。そんな時、新しくやって来たブルームが、コンロイを含む他の老人たちに“子供の頃に戻って缶蹴りをしないか”と提案…みんな快く賛成するが、コンロイだけは拒否する。やがて約束通り…真夜中に缶蹴りを始めた老人たちは、しばらくすると容姿まで子供時代に戻ってしまう!ブルームはこのまま子供の姿でいるのと、老人に戻るのとどちらがいいかと訊ねる…。

 

不思議な物語ではあるが、4つのエピソードの中では、一番ハートフルで、怖い話ではないかな?ある意味スピルバーグらしい作品でもあり、逆にもうちょっと毒っ気があってもいいのにななんても思ってしまう。老人たちが子供に戻って無邪気に遊びまわる姿などは…後の監督作品「フック」あたりの雰囲気にも近いなと思った。子供心を忘れちゃいけないって点では、やっぱり「フック」との共通点も多い作品なんだな。でも忘れちゃいけないのはあくまで子供心であり…大人としての常識はちゃんと持ち合わせてなきゃいけないちう現実も思い出させてくれる作品だ。

 

 

第3話「こどもの世界」 監督:ジョー・ダンテ 出演:キャスリーン・クインラン ジェレミー・ライト

 

教師のヘレンは仕事を辞めて旅に出ることに…たまたま立ち寄った食堂で、アンソニーという少年と出会う。その後、車を駐車場から出そうとして自転車に乗ったアンソニーと接触。幸い怪我はなかったものの、自転車が壊れてしまったので家まで送ることに。アンソニーは両親や姉、おじさんと一見、幸せな生活をしているように見え、そんな一家から“食事をしていってほしい”と誘を受けるヘレン…アンソニーに家の中を案内されているうちに、家族たちの態度を含め、何かがおかしいことに気づき始めるが…。

 

これまた「グレムリン」シリーズのジョー・ダンテらしいというか、一見ポップでファンシーな部分もあるんだけど、根っこの部分はちゃんと怖いっていう。子供の無邪気さというのは、やっぱりヤバイ、恐怖でしかないって話よね。子供の夢でもある“ずっと甘いお菓子だけを食べていた”っていうのが万が一、実現でもしたら…常識ある大人にとって、それは地獄以外の何物でもないってことだよな。少年の持つ不思議な力によって、劇中の登場人物がカートゥンアニメの中に閉じ込められてしまったりするんだけど…当時の作品としては、映像的にもかなり頑張っている。

 

 

第4話「2万フィートの戦慄」 監督:ジョージ・ミラー 出演:ジョン・リスゴー アビー・レーン

 

嵐の中を飛ぶ飛行機…客のヴァレンタインがトイレに閉じこもったままなかなか出てこない。心配する2人のスチュワーデス…ようやく出てきたヴァレンタインは、どうやら飛行機恐怖症のようだ。周りの乗客にも迷惑がかかるので、スチュワーデスが薬の服用をすすめるも…当初はそれも拒否。しかし、ヴァレンタイン本人も、翼の上に妙な人影をみたあたりから自分の精神状態を疑うようになる。薬を服用し、ようやく落ち着いたかのように見えたが…再び窓の外で異変が!ヴァレンタインはとんでもない行動に出る!

 

飛行機恐怖症の客が騒いで、他の客やスッチーに迷惑をかけるんだけど…言動はさらにおかしくなり、飛行機の翼の上に人がいる、怪物がいると言い出す!機長までやって来て、“心配ない”と諭すんだけど…実際にエンジントラブルが起きており、着陸直前、乱気流にも見舞われる!無事に飛行機は着陸できるのか?恐怖症の客が言う通り“何者か”の仕業なのか?一番記憶に残っていたエピソードなんだけど、今見るとそこまで怖くない…かえって1話や3話の方が怖い。戦時中の爆撃機が舞台、クロエちゃんの「シャドウ・イン・クラウド」にちょっと似てたな。

 

 

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