今野敏サスペンス 聖域 警視庁強行犯係・樋口顕(2019年) | 勝手に映画紹介!?

今野敏サスペンス 聖域 警視庁強行犯係・樋口顕(2019年)

今野敏サスペンス 聖域 警視庁強行犯係・樋口顕

今日は映画ではなく、テレビ放送の2時間ドラマの感想…昨晩、テレビ東京でエアチェックしておいた「今野敏サスペンス 聖域 警視庁強行犯係・樋口顕」を鑑賞。今野敏センセイ原作(今月末には劇場映画「任侠学園」も公開!)の人気警察小説をドラマ化したシリーズ第7作目…各局、レギュラーの2時間ドラマ枠がほぼ消滅してしまっているが、やっぱり人気がある作品は、こうして単発で放送してくれるんだな。内藤剛志、佐野史郎、榎木孝明というお馴染みの出演者に加え、今回は矢田亜希子、高橋和也、宅間孝行、高橋由美子らがゲスト出演。

少年院に送致中の原田達也を乗せた護送車が事故…原田はそれに乗じて逃走してしまう。少年課の氏家譲も現場に駆け付け、原田の捜索に加わるのだが…車での移動中に、突然、少年・井沢祐基が飛び出してきて、轢かれそうになる。実はその少年の母親・叔江が自宅で何者かに殺されていたのだ!一方、非番だった警視庁強行犯係の樋口顕も事件の報せを受け現場に向かう。当初は、逃走中の原田が殺人事件にも関与しているのではないかと考えられたが、樋口は被害者の夫・則之の言動に引っ掛かりを覚え、何かを隠しているのではと推理する。

えーと、今回気づいたんですけど、3作目から5作目まではタイトルが“警視庁強行犯・樋口顕”だったんですけど、前回の6作目から“警視庁強行犯係・樋口顕”に変更されていたらしく…知らないうちに“係”が付け加えられていた。調べたら6作目「回帰」の感想を書いた時の記事タイトルが…「今野敏サスペンス 回帰 警視庁強行犯・樋口顕」になっていたので、あわてて「今野敏サスペンス 回帰 警視庁強行犯係・樋口顕」に修正しました。誰もそんな細かいところ見やしねーよって感じだけど、オイラ自身がそういうの気になっちゃうのよね。

さて…本作は今野敏原作となっておりますが、敏センセイの書籍で「聖域」というタイトルの作品は見つからず、もしかしたら樋口シリーズの設定を拝借した、ドラマのオリジナルの可能性もある。6作目の「烈火」も確か、そんなような感じだった。ただ…「烈火」では、敏センセイの短編集「軌跡」に収録されている別の警察もの(樋口シリーズではない)の短編作品から設定を流用してたりもして、今回もそういう可能性はある。敏センセイの小説は色々と読んでる方だけど、まだまだ全部の作品をカバーしてないので…今後、似てる話を小説で発見できるかもな?

今回は少年犯罪が描かれているので冒頭から佐野史郎演じる氏家が大きく活躍…一方の樋口は非番で、外出している嫁さんの代わりに洗濯ものを畳んでたんだけど、一緒に娘のパンツも畳もうとして、居合わせた娘と大喧嘩になるという…なかなか楽しい家族のコミュニケーションを繰り広げていました。そんな最中に、殺人事件発生の報せが届き…表情も仕事モードに切り替え!やっぱ内藤さんかっこいい。っていうか、今まで樋口の自宅はマンション(警察官だから官舎?)だったのに…一軒家になってる。タイトル同様いつの間に変わったんじゃい?

未成年犯罪者の脱走事件を追いかけてるうちに、偶然…別の殺人事件と遭遇してしまう氏家、そこに樋口も呼ばれる。捜査本部では、脱走者が事件を起こしたのではないかという意見も出るが…樋口が被害者・夫の言動に不可解な点を見つけて、別件として捜査を進める。やがて被害者の主婦に不倫疑惑が浮上…当然、夫も容疑者に昇格!そうこうしてるうちに脱走事件はあっけなく解決するも…今度は未成年犯罪者を匿っていた祖父が殺されるという、また新たな事件が発生。マスコミの報道の仕方が、悲劇を招いてしまったのではないかと問題にもなる。

一見、関連がありそうで…みんなそれぞれの事件はバラバラだった的なオチ…樋口の当初の読み通り、被害者家族には複雑な秘密があった。ただし、ミステリー的に…犯人の意外性などはちょっぴり考えられている感じだったかな。あっちも、こっちも怪しいけど…なんや、お前だったかな。数年前に、“不倫疑惑報道”で干された高橋由美子を“あんな役”で使うという…そして本人もそれを平気で引き受けるという、なんかすごいものを見せてもらった感はあった。あと、見るからに挙動不審な吉岡睦雄がまんまだったのにも、笑わせてもらった。

なぜか、警察組織にも、事件を取材するマスコミにも…今風のチャライ若者が出てきて、非常識で、無神経な行動をとり、上司や先輩が頭を抱えるという場面が頻繁に描かれる。2時間ドラマのメインターゲットである年配者向けに、とりあえず“若者批判”を入れて見ましたって感じだよね。でも、確かに…チャラ男の新人刑事はイラつく。これで、榎木孝明演じる管理官の甥っ子というコネ設定まであるので、余計に腹立たしい。それ以上に…被害者の主婦がただのクソビッチにしか見えないのに、感動路線で締めくくろうとしてるのが、なんか嫌だった。


★オイラが過去に見た樋口シリーズの感想はこちら!★

朱夏~警視庁脅迫事件 警視庁・樋口警部補1(2003年)→クリック

樋口警部補2 リオ 水曜日の殺人者(2004年)→クリック

今野敏サスペンス 廉恥 警視庁強行犯 樋口顕(2015年)→クリック

今野敏サスペンス ビート 警視庁強行犯・樋口顕(2015年)→クリック

今野敏サスペンス 烈火 警視庁強行犯・樋口顕(2016年)→クリック

今野敏サスペンス 回帰 警視庁強行犯係・樋口顕(2018年)→クリック


監督:児玉宜久
出演:内藤剛志 佐野史郎 川上麻衣子 榎木孝明 矢田亜希子 高橋和也 宅間孝行 佐野岳 高橋由美子


【原作シリーズはこちらから】
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