今野敏サスペンス 烈火 警視庁強行犯・樋口顕(2016年) | 勝手に映画紹介!?

今野敏サスペンス 烈火 警視庁強行犯・樋口顕(2016年)

今野敏サスペンス 烈火 警視庁強行犯・樋口顕

昨晩、テレビ東京、水曜ミステリー9でエアチェックした「今野敏サスペンス 烈火 警視庁強行犯・樋口顕」を鑑賞…2015年の2月放送「廉恥」、同年8月放送「ビート」に続き、同枠で3作目となる樋口顕シリーズ。10年以上前、女と愛とミステリー時代にも同じ内藤剛志主演、「警視庁・樋口警部補」のタイトルで2作品放送されており、通算5作目となる(他局で、他の役者が樋口を演じた作品はカウントしてません)。しかし、原作・今野敏とクレジットされているものの、同じタイトルの小説は見つからず、もしかしたらキャラ設定だけ借りたドラマのオリジナルなのかも?

空きビルで男性が焼死体となって発見されるという事件が発生…被害者は人材派遣会社の営業部長・永沢明と判明。警視庁強行犯係の係長・樋口顕も捜査に参加…所轄の刑事・藤井麻奈とコンビを組むことに。麻奈は被害者が務めていた会社に精通しており、貧困にあえぐ若者に融資を行う代わりに、過酷な労働を強いることで、トラブルが起きていたという情報を持ち合わせていた。その情報から樋口は怨恨の線を疑う。一方、樋口の親友、生活安全部の氏家譲が監察から調査を受けていることが判明。監察官が樋口にも事情を聞きにやって来た…。

拉致監禁されてる男が焼き殺される場面からスタート…よーく見たら被害者を演じてるのは「クローズ」など三池作品で大活躍した、やべきょうすけじゃないか?やべきょう、出てきたと思ったらすぐに殺されるし。一応、その後に回想シーンが何度かあり、ちゃんと顔が映ったり、芝居したりしてました。被害者のやべきょうが勤める会社は、いわゆるブラック企業的な悪徳会社でして、生前の被害者はチンピラまがいの行動をとっていたと後に判明…ああ、やべきょうっていうキャスティングに納得です。ほか、同じ会社の副社長役で本宮泰風アニキも出ておりました。

なんとなく、Vシネ好きにはたまらない出演者たち。そういえば、今のシリーズじゃなくて、旧シリーズの方の「朱夏~警視庁脅迫事件 警視庁・樋口警部補1」でも、エンケンさん(遠藤憲一)や白竜さんが容疑者として登場するなど妙にVシネチックだったことを思い出す。そして、本宮アニキ…なんとなく言動が怪しく(社長に尽くす、真面目な副社長と見せかけ、実はけっこうガラが悪かったというのが判明する)、もしかして犯人か?なんて疑いたくなるんだけど、まさかの二番目の被害者だった!大好きなVシネ俳優が2人とも殺される役だったのねん(笑)

殺人の他に、悪徳企業に対する恐喝事件、さらには社長の娘も誘拐され大混乱。犯人は身代金などを要求し、警察は犯人が指定したタイムリミット内に事件を解決し、人質を救出できるのか?また、主人公・樋口の親友、氏家(佐野史郎)がハニートラップにひっかかって監察に目をつけられてしまうのだが、このハニートラップも実は本筋に絡んでいたりして…。全体的に起伏に富んだ展開が用意されていて、2時間ドラマとしては飽きずに楽しめるのだが、今まで自分が見てきた樋口シリーズのドラマに比べると、なんとなく散漫な印象も受けてしまったかなと。

一番、気になったのはアレだよね…内山理名演じる女刑事に、家族から電話があって、急に涙目になったりするから、いったい何が起きたのかと思ったら(劇中の樋口も何があったんだと怪訝になる)…飼い猫が事故に遭って死にかかってるから、家に帰りたいとか言い出すんだもん。さすがに、樋口も…猫と事件、どっちが大事なんだ!と叱り飛ばすという。ただし…ちょっと言い過ぎたかなと、後で後悔して(いつも喧嘩してる娘とダブらせたようで)、優しい言葉を投げかけるという展開なのだが…事件よりも飼い猫が大事だという設定の刑事が斬新すぎる。

★2020年4月26日追記★本日、本作の再放送があり…アクセス解析を見たら、この投稿へのアクセス数が急増してたので追記させていただきます。本作鑑賞後に読んだ今野敏センセイの「軌跡」という短編集に収録されている、「老婆心」という樋口シリーズとは関係ない警察小説があったんですけど、その中に“女性のキャリアが、飼っていた猫が死にそうで捜査に集中できないというエピソード”があるのを発見…きっと、このネタをドラマに流用したと思われます。ファンで未読の方…元ネタが気になる方は、ぜひ短編集「軌跡」を読んでくださいね!


監督:松原信吾
出演:内藤剛志 内山理名 梶原善 泉谷しげる 本宮泰風 榎木孝明 川上麻衣子 小野武彦 佐野史郎


【原作シリーズはこちらから】
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