$映★画太郎の MOVIE CRADLE


スティーヴン・ソダーバーグ監督、ジーナ・カラーノ主演、ユアン・マクレガー、ミヒャエル・ファスベンダー、チャニング・テイタム、ビル・パクストン、マイケル・ダグラス、アントニオ・バンデラス、マチュー・カソヴィッツ出演の『エージェント・マロリー』。





ケネス(ユアン・マクレガー)からの依頼で拉致監禁された記者を救出する任務についた元海兵隊のマロリー(ジーナ・カラーノ)は、何者かにハメられて命を狙われることに。自分にぬれぎぬを着せた者たちへマロリーの反撃がはじまる。

以下、ネタバレあり。



映画館で「エージェント・マロニーちゃん」もらいました。

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くっだらねぇ~(俺もちょっと思っちゃったけど)にひひ

まず、ユアン・マクレガーミヒャエル・ファスベンダーマイケル・ダグラスアントニオ・バンデラスと、それぞれが主役を張れる俳優たちがずらりとそろった出演陣がスゴい。

主演のジーナ・カラーノはプロの格闘家ということで僕はそっちの方面にうといんでよく知らないけど、アクション女優の期待の新星らしい。

ワイルド・スピード」シリーズの続篇や女版『エクスペンダブルズ』への出演の話もあるそうな。

ちょっとブリトニー・スピアーズ似で、たしかに評判のように美人(そして巨乳ドキドキ)ではある。

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でも、たとえばおなじ“アクション女優”といってもミラ・ジョヴォヴィッチケイト・ベッキンセイルのようなモデル体型ではなくて、太ももはガッチリ肉がついてるしウエストだってくびれていない。

全体的に骨太の完全アスリート体型。

パンチやキックがいかにも重そうで、あれを一発もらったら死ねる自信があるドクロ

この映画が面白いのは、ジーナ・カラーノの格闘シーンにBGMがほとんどついていないこと。

だから彼女のリアル・ファイトを生で観ている感覚になる。





音楽の使い方はちょっと70年代のアクション映画っぽくて、ここぞというところでゾクゾクするサウンドが流れるのですっごくよかった。




ほかにも、この映画ではワイヤーアクションやクンフーバトル、スローモーション、爆発、CG合成といったハリウッドのアクション映画に付きものの要素が使われていない。

日本刀で斬り合ったりもしない。

とにかく殴り合って関節技キメて蹴り飛ばす。

ジーナ・カラーノはムエタイをやってたそうだけど、でもトニー・ジャーの『マッハ!!!!!!!!』のようなムエタイを使ったスタント・アクションでもない。

“曲芸”的な見せ場はない。

アクションの見せ方としてはきわめて禁欲的で、しかもわりと短時間で終わる。

それにしても、けっして大作ではないこの映画でなんで脇の出演者がこんなに豪華なのかといえば、監督がソダーバーグだから。

ソダーバーグの映画って僕は観るのは『オーシャンズ13』以来だけど、有名俳優顔見世大会だったあのシリーズと違ってこの作品はもうシンプルこのうえなくて、ほぼジーナ・カラーノのプロモ映像だと思えばよろしいかと。

ストーリーはあってないようなもの。

だから物語についていちいちこまかくツッコんでもしかたがない。

とりあえず彼女にハリウッドスターが約2名フルボッコにされます(^_^;)

いかついおねえさんにぶちのめされたいドM男子という、非常に限定された人間にのみ楽しめる作品かもしれないにひひ

じつはこの映画のジーナ・カラーノの声は別の女優の吹き替えだという話なんで、じっくり観ていたんだけど違和感はなかった。

顔の表情の演技も、僕はとても自然で巧いと思いましたが。

この映画の見どころはいうまでもなく彼女のアクションなんだけど、かくれてたってぜったいに目立ってしまうアンジェリーナ・ジョリーやミラ・ジョヴォヴィッチと違って、ジーナ・カラーノはパーカー着てフードかぶって歩いてたらふつうにそのへんの通行人にまぎれてしまうし、この人の走る姿や顔は派手なアクションがなくてもそれだけで迫力がある。

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僕がひと頃のアンジーや最近のミラジョヴォ主演のアクション映画などに感じていた不満は、彼女たちに拮抗できる敵役の不在ということだったんだけど、この『エージェント・マロリー』にもジーナ・カラーノと対等の戦闘能力をもつ敵は登場しない。

彼女の強さを観客に見せつけるのが目的ともいえるのだからそれはしかたがないのだが、それよりもこれはそんな強いおねえさんにどつかれたい男たちのための映画でもあるので、ジーナがピンチになる必要はないのだ。

ひたすら俺たちを痛めつけてほしい!そんなドMどもの心の叫びが聞こえてきそうである。

冒頭のチャニング・テイタムへの関節技からはじまり、ミヒャエル・ファスベンダーはジーナの太ももで首を絞めつけられて顔がうっ血、マウントポジションでバカバカ殴られまくって最後は顔に枕押しつけられて射殺という、この人がやる役じゃないだろ的な役回り。

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そしてユアン・マクレガーにいたっては、たいして抵抗もできないまま殴られまくって逃走、最後は満潮の岩場に足がはさまって「マロリ~、助けてくれ~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。」と助けを請いながら置き去りにされるという、ユアン・マクレガーの出演作品史上もっともなさけないキャラ。

とても元ジェダイの騎士とは思えないヘタレぶりであった汗

そもそもこんなわかりやすい悪役を彼が演じること自体、かなりめずらしいんではないか。

浜辺で呑気に散歩してたら背後から全力疾走してきたジーナにいきなり殴りかかられるという、どっちが悪い奴なんだかわからなくなるような描写に笑った。

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殴る!絞める!なんかオビ=ワンが可哀想になってくるあせる

彼女の場合はまさに「どつき回す」「しばき倒す」という表現がピッタリ(;´▽`A``

ファスベンダーもマクレガーもいったいなんの間違いでこんな役のオファーをうけたのかといえば、先ほどいったように監督が巨匠スティーヴン・ソダーバーグだからだが、これはもうアクション映画の“珍品”としてこれからも語り継がれていくだろうことは間違いない。

こんな作品を残してくれたソダーバーグに率直に感謝したい。

物語についてはいちいちツッコまない、と書いたけど、それでも「?」な部分は無数にあるのですこしだけ。

かつてはジェームズ・キャメロン監督作品の常連でもあったビル・パクストン※ご冥福をお祈りいたします。17.2.25)がマロリーの父親役で出ているが、この人のキャラがまぁ、よくわからない。

なんで娘がこんな特殊な任務についているのか、知ってて知らないふりしてる。

そして、マクレガー演じるケネスはなぜ彼を人質にしてマロリーをおびき寄せないのか謎だ。

なんでこのオッサンは野放しになってるのか。

マイケル・ダグラス演じるコブレンツにしても、そして彼と裏で結託しているマチュー・カソヴィッツ演じるステューダーも最後まで退治されない。

映画はこれまたマロリーをハメた一人であるロドリゴ役のアントニオ・バンデラスが「Shit!(くそっ)」とつぶやいておしまいという、粋というよりも「テキトー」としかいいようのない幕切れ。

だから「この面子でアクション映画?すげぇ!!」と本格的なアクション大作を期待してしまうと「…なんじゃあこりゃあ!?」となってしまう危険があるので注意。

出演者のみなさんはあくまでも余興のような感覚で、巨匠から頼まれてほかの映画の撮影の合間に出ました、みたいなことだと思うんで。

だから僕も観終わってやはり物足りなさはおおいにあったんだけど、でもひとりのあたらしいアクション女優の誕生に立ち会えた喜びがありましたよ。

ジーナ・カラーノのこれからの活躍に期待してます(※その後、ヴィン・ディーゼル主演の『ワイルド・スピード EURO MISSION』に出演)ニコニコ


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