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小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」

「ガード下学会」「横丁・小径学会」活動の報告および、予定などをお知らせします。

先日のテレビ出演(一回の出演が月~金曜日各30分ずつ、週末にBSで総集編)という話、正式になくなりました。
お話としては、大変いい話で、一変、専門家の先生のメンバーに入れば(いわば準レギュラー?)機会があれば、その分野の専門家として呼ばれることになる筈(他には「地理」「歴史」「経済」などの著名な専門家がメンバーになっていました)。しかも、「先生のご発言の部分はカットしません」とのこと。魅力的なお話ではありましたが、泥臭い小生に、都市ブランドと化した街の建物を紹介するというのは、ご期待に添えません。ということで、今回はなし。
まあ、ボクはいわゆる下町というのも嫌いで、「♪下町の いやらしさは 蜘蛛の巣のようで~」なんて友だちと歌いながら「なにがなんでも、こんなところから抜け出すぞ~!」と過ごしていたので、なかなか扱いが難しいのではありますが……。
といいながら、現在住んでいるのは、生家からJRの駅で二駅都心側に近づいただけ。「都心に移ったって言っても、たった二駅変わっただけじゃない!」と娘に笑われています。ところが、今度その娘が結婚してわが家を出ることに。そこで、物色していたのが曳舟とか押上。ボクの祖母は「こんな田舎じゃ死ねない、あたしゃ、本所に帰るんだ」っていいながら柴又で死んでいったくらいなので、そんな意味ではやっとわが家の一員が向島まで帰れるのかも知れませんが、ボクはそんな下町のごちゃごちゃした世界から抜け出すことばかり夢見てきたので、わが娘がそんな世界に戻るなんて! 二駅でも国電で抜け出したんだゾ、と真から思いながらも黙って聞いていると、今度は「押上は(家賃が)高くて住めない! 曳舟なら安いんだけど、新富町はもっと安かったから、新富町、契約してきた~!」とのこと。まあ、やっと葛飾→足立、そして娘の代に隅田川の西側に住むことになるようです。戦時中、強制疎開から葛飾に移って70年。少~し、都心に近づく?!

5月の連休に読もうと思った本(ほとんど読み返し。ただし、わが家には一冊も書籍がないので、もう一度買い求めたり、図書館で借りたりしました)がやっと読み終わりました。

都市の中枢性と異化の排除、そしてまち歩き(の視点)を中心に読みました。

コミュニティ論

B.ウェルマン「コミュニティ問題――イースト・ヨーク住民の親密なネットワーク」『リーディングス ネットワーク論』(勁草書房 1979――ネットワーク展開によるコミュニティ解放論

哲学

荒俣 宏『江戸の幽明』(朝日新書 2014――周縁へのまなざし。一昨年の暮れに出されたそうですが、周縁への視点がなんとも嬉しい! あえて、哲学に入れています。

R.バルト『表徴の帝国』(新潮社 1974――中心をもたない、意味から解放された自由。

ベルクソン――読書会同様、ドゥルーズ経由。

G.ドゥルーズ『ベルクソンの哲学』(法政大学出版局 1974

『シネマⅠ――運動イメージ』(法政大学出版局 2008)『シネマⅡ――時間イメージ』(法政大学出版局 2006――読書会で読んだんですが、もう一度。

A.フリードバーグ『ウィンドウ・ショッピング――映画とポストモダン』(松伯社 2008――移動性+仮想性をもつ視線。W.ベンヤミン――A.フリードバーグという流れ。惜しい人を亡くしました! ボクにとって、同時代の星だったのに!

H.ルフェーブル『都市への権利』(筑摩叢書 1969――もいちど、ルフェーブル。これは、D.ハーヴェイを読み直すため。

D.ハーヴェイ『反乱する都市』(作品社 2013――都市の権利、さらに〝都市コモンズ〟を取り戻そう! 気持ちがいい! いまだ、室内で〝物化〟とか〝物象化〟なんて哲学しているより、歩こう!

テクノロジー

C.アレグザンダー『パタン・ランゲージ――環境設計の手引き』(鹿島出版会 1984――都市はツリー構造ではない! というのはケビン・リンチだけど、『都市のイメージ』が手に入らず、もいちどアレグザンダー! 神田駿河台を自動車が入らない大学解放区に! 火炎瓶ではなく、都市コモンズとして神田カルチェラタンを! なんて、パタン・ランゲージを読んでいると次から次へと都市開発への提案が生まれてくる!

高階秀爾「都心文化の構築」『日仏都市会議2003 文化資源とガバナンス』(鹿島出版会 2004――ルーブルと上野の山は同じボリューム。ルーブルに倣い、上野の山に地下都市を!

カルスタ

吉見俊哉『都市のドラマトゥルギー』(弘文堂 1987――上野、浅草、新宿、渋谷を考察したカルスタ(カルチュラル・スタディーズ)。読書会のため。街の純化、異化の排除に陥らないための必読の書(そこまで、読み込めれば)

吉見俊哉『博覧会の政治学』(中公新書 1992――モノを陳列する博覧会と人をテーマにしたオリンピック。

今村仁司『群衆――モンスターの誕生』(ちくま新書 1996――組織内の考えを純化させていくと、他を排除するファシズム・スターリニズムになる。最近、この本の感想をお聞きしたため。

まあ、テレビやラジオで呼ばれたり、新聞、雑誌から取材を受ける際、いきなり「過去を保存する能力が衰退しているんだよ」とか「時間を空間化する必要があるんだよ」なんていったら拒否反応を受けるだけなので、いかに微塵にもださないか、なんですが……。

某テレビ局のアシスタントプロデューサー、ディレクター、それにアシスタントディレクターの三名、小生の事務所での打ち合わせを終えて、ただいまお帰りになりました。
まち歩きの番組で、ボクに現代のステキな建築について解説願えれば、ということで、おこしになられたんですが、その前での打ち合わせの通り、小生は現代のステキな街、ステキな建築というものにまったく興味がありませんし、なぜボクに声を掛けてくれたのか判りません(といったら著書で書いていらっしゃる、とのことで、まぁ、書いたこともあったかも知れないけど……)、ボクは猥雑でごちゃごちゃしている街、ガード下や横丁、路地が好きで、まったくあわないボクでもいいのなら、とおこたえしておきました。人相風体を見れば判る、というか「ちょいと話を聞いただけで、上品な世界とはまったく別世界の人間、って判るよね~」というのが同僚の弁です。

電子書籍の印税が入ってくる季節になり、ワクワクしながら郵便物を見ると(ボクの場合、紙媒体だけですと、刷り部数印税なので、印刷した分だけ先に印税をいただいてしまうので、単なる売り上げでしかありませんが、電子書籍化された書籍の場合、ダウンロードされた分だけ印税が入ってくるので、余ろく感覚で結構楽しみです。ということで、まずは寿司屋に繰り出して……、というのが通常のパターンですが、この数日、喉が痛くて飲みに行けな~い! これが楽しみで暮らしているのに!

昨日は、TBS「Nスタ」でガード下の耐震補強(再開発)が取り上げられ、ボクのコメントが紹介されました(ボク自身は番組を見ていませんが、見ていた方の話をまとめると紹介されたそうです)。
実はこの問題、さまざまな事柄が絡み合って、表現上、微妙なところがありTVで放映する際には結構気を使いますが、夕方、ディレクターから「ただいま無事、放送が終了しました。ありがとうございました!」と弾んだ声。無事放送できて一安心、といったところ。「振り込みは今まで通りの口座で……」と事務処理のあとは内輪の話や今後のネタの話に移りましたが、とにかくよかった。

第24回「横丁・小径学会」荷風からはじめる横丁と路地 〝堀切〟遊歩
開 催 日:2016年9月10日(土)[予定
時  間:午後2時
集合場所:東武線「堀切駅」改札前
内容:
〝金八先生〟の堀切と、綾瀬川が入り込む隅田川(鐘ヶ淵)、そして昭和が残る牛田。

決まり次第、お知らせいたします。


*参加費無料、ご一緒に歩きましょう!

今週月曜日、日本一長い神戸のガード下「モトコー」の耐震補強工事について放送した、毎日放送のワードショー。ボクのコメントだけじゃなくて、何年か前、他の放送局のスタジオ収録でご一緒させていただいた芸人さんも出演していました。東京と大阪の放送局の間を2ヵ月にわたって行ったり来たり。毎回渡される構成台本を覚えられず、あの頃のキツかった記憶が蘇ってきてしまいました。

夕べ、テレビを見ていると、速報で、「国立西洋美術館、世界遺産へ」というテロップが流れました。上野の西洋美術館を含めて、世界に残るコルビュジエの建築物がICOMOSから世界遺産に勧告されることになったためです。世界遺産への挑戦はこれが三度目。以前、フランスに残るサヴォア邸などだけならすぐにでも世界遺産に推薦されるのに、他のあまり価値が認められないものや、逆にこれはという建築物が入っていなかったり、ということで、却下されてきましたが、今回はそれらもクリア(?)され、めでたく、世界遺産になるようです。

そこで、不安なのが、某テレビ局から電話。年末には出演依頼を「よその番組でもお断りしているんです。その話だけは勘弁して。他の件ならいつでも、いくらでも協力するから」って新国立競技場のプランにつて出演拒否したので、今回は逃げられないよ~、と同僚。関西のテレビ局の電話インタビューくらいならまだしも、時間を拘束される、収録なんてそんな情況じゃありません。昼前後からの時間帯が危険なので、事務所からいなくなるべきか……。

昨日の夕方、「毎日……の○○です」と電話がありました。まぁ、うちの事務所に掛かってくる電話なので、毎日新聞の記者ないし、編集委員と勝手に思って話していると、うん? ちょっと違う。というか大いに違う。それは、先方も気付いたようで、「毎日放送の……」と改めて名乗りなおし、あっ、そうか先週自宅まで追ってきた毎日放送のディレクター、じゃないけど、そのスタッフが追加取材? と思って話していると、さらに「いや~、あの~、先日取材させていただいたのは、「ちちんぷいぷい」という番組の者で、私の方は報道局で「VOICE」という番組なんです、と、やっとここでどういう事情なのか納得。
最後に、「よろしかったら携帯番号をお教え願えますか」といわれ、「ジイサンだから、自分から掛けることはできても、電話を受けることなんかできないよ」といいながら、自分の番号を探し出そうとしていると、懇切丁寧に、どこを開いて、どうのこうの、そうすると判ります、な~んちゃって、そんな言われたとおり、できないのがジイサンなんだよ、といいながら、自分の名刺を出して、そこから確認。
まあ、関西からの電話は、番組名も担当者の名前も覚えられないんですが、声だけは「この声聴いたことある」という感覚だけはもっていますので、邪険にはしませんから関西の皆さん、ご安心くださ~い。
 ちなみに、神戸では、モトコ―(日本一長いガード下商店街)の店舗の締め出しを巡って大きな話題になっているようです。東京とは大違い!



また、事故ってしまいました!


○昨日の朝、整形外科に立ち寄る途中、自転車で転倒してしまい、昨日は一日中、お休みをいただき、安静にしていました。

整形では脳神経外科に行けといわれましたが、症状としては、締め付けられるような頭痛と、ちょっとした足の痛み(日医大では吐き気がなければ大丈夫。多少、脳内の血管が切れても吸収しますよ、と過去に言われていましたので、軽傷と自己判断)のみ。それが夕方になると、ほとんど歩けない状態になり、そこで問題になったのが、土曜日と来週水曜日の講座。一方は大学の公開講座で、もう一方はカルチャー。それと、来週土曜日の横丁・小径学会遊歩。講座は休講にさせていただくことにして、あとは遊びの遊歩。そこで、遊歩開催延期のメールを書こうとしたら、同僚から「来週でしょ、その頃には治ってるでしょ!」と却下(学校関係には早めに事務局に連絡しておかなきゃダメでしょなんて言っていたんですが)。ということで、現状、予定通り遊歩を開催することになりました。(まだ、頭痛は続いていますが~)

○昨日、仕事を休んで安静にしていたら、毎日放送(TBSの関西版)から、自宅まで追って電話取材がきました(後からスマホをみるとスマホにも電話があったみたい)。カラダを動かすわけではないので、ボクのコメントを伝え、ディレクターがそれをまとめて、これこれこういうことで、ということで紹介させていただいてよろしいですね。それで、肩書きは……。というパターン。

来週、「ちちんぷいぷいぷい」で日本一長いモトコーの店舗退去について一言も二言も述べさせていただいています。放送日は何曜日か教えてくれましたが、「ハイ、ハイ」とこたえるだけで、相変わらずよく理解していませんでしたが……。