72、環境問題対策_即効的・革新的エネルギー環境技術研究開発/可燃ごみ再資源燃料化技術開発_CO2排出量が少なく、しかも低価格、新燃料「RPF」を開発_株式会社アーステクニカ(元・川崎重工業株式会社破砕事業部)/株式会社関商店_取材:January2014:http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201311earthtechnica/index.html
毎年、東京ドーム10個分の廃棄物を抑制
製紙や製鉄、セメントなどの生産活動には大型の燃焼施設が欠かせません。そこでは日々大量の化石燃料が消費されています。しかし、1970年代の石油ショックによる資源不足、現在では地球温暖化防止や市場価格の不安定化により、化石燃料に代わる新しい燃料の登場が、長らく期待されてきました。そうした中、注目を集めいている新エネルギーに、「RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)※1」と呼ばれる燃料があります。
RPFは、古紙のうちマテリアルリサイクルが困難なプラスチック類がコートされたラミネート紙や、自然界に放置しても分解しない廃プラスチックなどを原料にした固形燃料です。同じ発熱量で換算した場合、石炭と比べてCO2の排出量が2/3、価格も割安など、多くの長所があります。そのため現在、RPFを製造、販売する企業は200社を超え、工業生産用の化石代替燃料として定着しつつあります。2010年1月には工業製品としてJIS規格化も行われました。
このRPFを考案したのが現在、「一般社団法人日本RPF工業会」会長を務める、株式会社関商店代表取締役社長の関勝四郎さんです。関さんは、家業であった資源回収業を継承、経営しながら、廃棄物の最終処分量の大幅削減と化石代替燃料の必要性を痛感し、それらを一度に解決する、リサイクル燃料の開発と普及に打ち込んできました。
そうした考えに共鳴し、川崎重工業株式会社の破砕機事業部※2では、関さんとともにRPFの実用化に二人三脚で取り組んできました。
1998~2002年度には、同事業部が、NEDO「即効的・革新的エネルギー環境技術研究開発/可燃ごみ再資源燃料化技術開発」に参画し、実証プラントを川崎重工業八千代工場内に設置して知見を集め、装置の改良を図り、RPF普及の礎をつくりました。2012年時にRPFは、年間生産量110万t、年間売上高230億円のエネルギー市場を形成するまで成長、拡大しています。
※1 2010年1月制定の「JIS」英語表記では、「Refuse derived paper and plastics densified fuel」
※2 プロジェクト後、川崎重工業から分社化、神戸製鋼所破砕機部門と統合した株式会社アーステクニカが事業を継承中(2014年3月現在)
※詳しくは下記資料をご覧下さい。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「
※NEDOさんはH15年4月より国立研究開発法人となっております。
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