【NEDO実用化ドキュメント070】3Dナノメートル評価用標準物質創成技術 | エコノミライ研究所のブログ

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70、電子・情報_3Dナノメートル評価用標準物質創成技術_原子1個分の誤差を保証_世界最小の「ものさし」を実現_独立行政法人産業技術総合研究所_株式会社日立製作所_株式会社日立ハイテクノロジーズ_取材:December2013February2014http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201313aist/index.html

 

 

 

測定の誤差は±0.04ナノメートル

パソコンからスマートフォン、家電製品、自動車、ロボットに至るまで、今やありとあらゆるものに搭載されているコンピューター。その頭脳であるLSI(半導体集積回路)は、微細化技術により、小型化、高性能化を実現してきました。

その一方で、超微細な回路の品質を保証するためには、LSIに刻まれているパターン幅を極めて厳密に計測する必要があり、その基準となる「ものさし(標準器)」が不可欠です。

LSIの微細化に伴い、その「ものさし」も微細化が進められてきました。そして、2000年代に入ると、遂に100ナノメートル(nm)間隔の目盛を持つ「ものさし」が必要になりました。しかも、その「ものさし」の目盛が本当に100nmであることを国際的に保証しなければなりませんが、その方法論や装置は当時存在しませんでした。

そこで、2002年、国の計量標準を担っている独立行政法人産業技術総合研究所・計量標準総合センター(以下、NMIJ)は、100nm間隔の「ものさし」を開発した、株式会社日立製作所と株式会社日立ハイテクノロジーズの協力のもと、NEDOプロジェクトを通じて、100nm間隔を、国際単位系の長さの定義に基づき、厳密に計測できる装置の開発に挑みました。

その結果、2006年に実用性に優れ、非常に高い分解能を持つ装置の開発に成功。世界で初めて、0.04nm以下の測定の『不確かさ※1』で100nm間隔を厳密に計測できるようになり、そして、100nm間隔の目盛をもつ「ものさし」が、長さの国家標準にトレーサブルである(校正の連鎖によって辿り着ける)ことを保証する「校正証明書」を発行することが可能となりました。

これらの成果を受け、2007年12月からは、校正証明書が付与された100nm間隔の目盛を持つ「標準マイクロスケール」が、日立ハイテクノロジーズ製の「測長SEM」(測長用走査電子顕微鏡)に搭載され、販売が開始されました。2012年には、年間200台以上の測長SEMに搭載され、日立ハイテクノロジーズの測長SEMの世界シェアは90%※2を占めるまでに至っています。

注1:これまでの「真の値からの差」という意味の「誤差」から、現在は「不確かさ」という概念が広まりつつあります。不確かさは種々の要因による測定量のばらつきを特徴づけるパラメータとされ、1993年にISOから国際文書「Guide to the expression of Uncertainty in Measurement」(GUMと略称)が発行されています。 注2:米国Gartner社発表

 

 

 

 

 

※詳しくは下記資料をご覧下さい。

 

 

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「実用化ドキュメント」を基にエコノミライ研究所作成

 

※NEDOさんはH15年4月より国立研究開発法人となっております。

 

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