【鎌倉】西御門サローネのレトロ建築にうっとり♪里見弴旧邸で洋館&お茶室の遊び心を堪能★ | 花をたずねて鎌倉歩き&HappyLife!人生が輝く鎌倉花さんぽ

花をたずねて鎌倉歩き&HappyLife!人生が輝く鎌倉花さんぽ

きれいなお花を見て、楽しくすてきなひとときを過ごす鎌倉歩き…
きらめく瞬間を積み重ね、人生を豊かに輝やかせてほしい。
そんな思いで、「花をたずねて鎌倉歩き」などの講座を開催しています。

●【鎌倉】西御門サローネのレトロ建築にうっとり♪里見弴旧邸で洋館&お茶室の遊び心を堪能★

 

こんにちは。

鎌倉フラワー&ネイチャーガイドの
村田江里子です。
プロフィールはこちら♪

鎌倉・西御門にある、

小説家の里見弴旧邸・

西御門サローネで、

建物をご案内いただきました。

 

 

講座「花をたずねて鎌倉歩き」2月

のときに立ち寄りました^^

 

木曜日から日曜日、

見学料300円で

拝見することができます。

 

2024年5月20日(金) の

営業をもって、

一時休館となるそうです。

 

 

鶴岡八幡宮東の

横浜国大付属小中学校の脇を

北へ向かい、

来迎寺のさらに奥へ…

大正15年、
作家・里見弴さんが

自ら設計した建物です。

 

現在は、この建物の

所有者さんから

一級建築士事務所 studio acca が

借りられて、

集い、学び、語らうことのできる

「大広間 = salone」となることを願って

「西御門サローネ」と称し

活用されています。

 

鎌倉市の重要景観建造物。

 

木曜日~日曜日の公開日にうかがい、

建物のご説明をいただきながら

見学することができました。

 

建築に造詣の深い方から

お話いただくので、

趣向を凝らされた

レトロクラシックな造形の数々、

めくるめく奥深い建築ワールドを

堪能できましたよ…!

 

 

ここからは、

貴重なお話の内容を

そのままお伝えしていきますね。

 

 

この建物は、

当初は里見さんとご家族が

住んでいましたが、
昭和27年までは、

米軍に接収されていたといいます。


その後はホテルとして使われ、
そのときの名残で、
赤いじゅうたんがしかれています。



この建物がつくられたのは、
関東大震災の復興期。
里見さんも東京で被災して、
地震に強いというのがテーマでした。

当時、帝国ホテルは、
竣工式の時に被災しましたが、
それでも崩れませんでした。

里見さんはこの家で、
その帝国ホテルの設計をした
フランク・ロイド・ライトの
建築を参考にしています。


大屋石のポーチや


六角形の窓のさん、


部屋の隅の壁をへこませる、
といった様式は、


ライトの特徴を取り入れています。


洋館でも、
平面のプランニングは
日本建築。

真ん中にある座敷の周りを
建具で仕切る、といったかたちです。

表にも裏にも、
両側に曲がる建具も
印象的です。

「わあー、面白い!」

間仕切りの戸を

ちょうつがいで折りたためて、

完全に開いた状態だと

入口が広々ととれるかたち。

 

 

その奥の、

今は木~日曜日の公開日に

カフェにもなっている

広いお部屋。

※喫茶室の営業は

2024年4月30日(火)前の

営業日までとなるそうです。

 


暖炉も昔は使っていましたが、
ハクビシンが入ってしまった後
使えなくなってしまったそう。

 

暖炉の上には里見弴をはじめ、

鎌倉ゆかりの本などが

置いてあります。

カフェタイムに読んで

文学にふれる豊かな時間を

味わうのも

いいですね^^


暖炉のレンガは、
規格化される前の端境期のものです。

受注生産のとき、

刻印をレンガに押していました。

小判型の刻印が

レンガに押してあるのが見えます。


詳しい人によると、
深谷産のレンガの刻印とのこと。


ドアなどは「つき板」といい、
ベニヤでできています。

ベニヤも、当時は最先端。
プレスする技術が
生まれてきたころでした。

部屋には換気用の穴が開いています。


当時、鎌倉は

結核の療養地だったのもあって、
換気がしっかりした建築が
つくられました。


サンルームは、

稲村ヶ崎に住むお兄さんの
有島生馬の家の
イタリア人の設計の建築に
そっくりになっています。

この稲村ヶ崎の家は、
映画ツィゴイネルワイゼンの
舞台にもなった家です。


窓からは、
白梅・ハクモクレン・

ドウダンツツジ…など
春に順々に咲く白い花が
見られるようにそろっています。

このときはツバキと白梅が

見えました。

 


廊下の左右に並んでいる
部屋の入口の高さが、
向かって右の列と向かって左の列で
変わっています。

低いほうは女中さんの部屋。
身分を超えた恋愛をした

里見弴でしたが、
それでも
こうした差別が表れた時代でした。


廊下には、ひもを引っ張って、
どの部屋の人が呼んでいるか、
女中さんなどが見てわかる
装置がありました。



階段はアールデコ調。


階段の窓のステンドグラスも
ライト風。


その中でも、

チューリップのモチーフは
ライトのデザインにはなかったので、
これは里見弴さんの

オリジナルデザインです。


2階にある長男のお部屋は
長男さんが大切にされていたのが

伝わってくる
いいお部屋でしたが、
やはり長男は戦争に出兵し

亡くなっているとのこと…
そのような時代だったのですね。



渡り廊下で、かやぶき屋根の
日本家屋のお茶室に

行くことができます。


京都の数寄屋大工さんと話しながら
つくったもの。

日本建築のいいところが

満載になっています。

開口部はパノラマで見えます。

谷戸の風景が見える窓。
大きな窓ガラスは、
当時工場から探したのでしょう。


座って一番よく庭のウメなどが見える、
おそらく脚立で位置を確かめて、
この位置に窓をつくりましょう、と
つくったのでしょうね。

窓からは、かやぶきの屋根と
山の稜線が
平行線になってよく見えます。

庭には
日時計置き場があります。


里見弴さんは

日時計がお好きだったそう。

当時は腕時計がなかったから、
日時計で時間を見ていたのでしょうね。

里見弴は、
「白樺」の創設メンバーで

白樺派だったのもあって、
天井には、シラカバの木が
配されています。

ほかでは、

こういう使い方はしないので、
このシラカバは

あえて意識して配されたもの。


窓の上に、下地窓があります。

塗り壁の一部を塗り残して
窓にしています。


細い木が縦横に並ぶ窓
いくつかこうした窓がある中で、
1つだけ、縦に並ぶ木ばかりのところも。

遊び心が感じられます。

数寄屋大工にみられる
「面皮つき」という柱の使い方。

角を落とした柱で
柱が細く見え、
空間が柔らかくなります。

宮大工だと
四角い角で、
固い雰囲気になるのと対照的。

床柱(とこばしら)はサクラで、
節のないまっすぐのものを
選んでいます。

 

天井板も、
板目の面白いものを
1つ1つこだわりをもって
選んでいます。


寸法は4畳半の
基本的なお茶室の寸法にぴったりで
それで落ち着く空間になっています。
 

その基本を大切にした中で、

一つ一つの造形に、

数々の遊び心が。


当時の大工さんは、カンナの前身の
ちょうな を使っており、
わざと 木の面に 
ちょうな の跡を残した
「なぐり」という仕上げをしています。




押し入れの上部も
こうした意匠がほどこされることで、
少しおしゃれに見えますね。

 

 

丸窓を開けると、

裏庭が見えます。



生活に使われていた裏庭には、
井戸があります。

当時はガスは通っていませんでしたが、
ここでは自宅でガスを

つくっていました。

台所の脇に
コンクリートで
槽をつくり、
雑排水と生ごみで
メタンガスをつくり発生させて、
煮炊きをしていたようです。


また、オリジナルの浄化槽があり、
昭和元年から

水洗トイレを使っていました。

鎌倉は谷戸の文化。
谷戸の真ん中には、川が流れます。
これを使いきれいにして川に流す発想。
谷戸地形からくる水を使った、
自然と調和したあり方で
暮らしていたんですね。


コンセントも、目立たないよう、
部屋の隅に、周りの木と同じ色で
蓋で囲んであります。

目立たないところに気を遣うあり方。
今でも使えるコンセントです。


夏は下の窓を開けると、
いい風が入ってきます。
床のそばの下の窓には網戸が無く、
ここからごみを外に掃き出すことができ
掃除も楽♪とのこと^^


「聞けば聞くほどすごい!」
と皆さん興味深々…!


「お話を聞くと、
1つ1つの意味が分かって
ほんとうに興味深いですね…!」

 

 

外から見たときは、

趣あるお茶室、としか

分からなかったけれど、

 

こんなに高密度に

こだわりの意匠がちりばめられた

遊び心満載の

贅沢な空間だったなんて…!

「一条恵観山荘みたいね!」

 

 

そのこだわりが

ちゃんと分かって

貴重な建築物を守り

その魅力を大切に

伝えてくださる方に出会えて、

建物も喜んでいるでしょうね^^

 


木曜日から日曜日の公開日は
カフェでケーキやコーヒーが
いただけるとのこと、

 

今回ご一緒に見学したご受講生で、
さっそくカフェへうかがった方も
いるようですよ^^



レトロクラシックな素敵な洋館と、
趣向を凝らした和のお茶室…

 

こうして

貴重なまちの宝物である建築物が、

活きた形で活用され

皆さんの今をつむぐ

くつろぎや交流、学びの場に

なっている…

とっても素敵なことですね☆

 

 

丁寧にご案内いただいて、

また、このかけがえのない建物を

守ってその良さを伝えておられる

深いお心も、

心に響きました。

 

ゆったり静かな、

鎌倉らしい文化の趣を味わえる
豊かで素敵な時間でした…!

 

どうもありがとうございました(*^^*)

 

 

 

+.。.♪. * . 。. +・ * ・+.。.☆. * .

 

 

1ランク上の贅沢な時間…

人生が200%輝く鎌倉花さんぽ!
鎌倉フラワー&ネイチャーガイド

村田江里子

矢印メルマガ「鎌倉Happy花歩きガイド入門」
矢印連続講座「花をたずねて鎌倉歩き」

矢印村田江里子 プロフィール

矢印取材・執筆・講演ご依頼

 

矢印村田江里子の活動や理念を伝える

 公式サイト★

 

矢印動画インタビューいただきました!

 鎌倉花さんぽ&

 ネイチャーセラピーウォーク

 

矢印動画インタビューいただきました!

 『人生や地域の自然をワクワク楽しむ

 人・まち・社会へ☆』

 

 

著書kindle本『人生が200%輝く!

ネイチャーセラピーウォーク

~お花や自然にリラックス 

幸せ回路が花開く 

免疫力・直観力・豊かさもアップ』

 

 

矢印自然の力で免疫力アップ・

ベストパフォーマンスで

進める自分へ…自然セラピー

 

 

楽しみながら、自然の力に…!

講座ご受講費の一部を、

鎌倉市緑地保全基金に

寄付させていただきます。

★寄附のご報告はこちら★

 

 

*好きを仕事にして

羽ばたきたい方は…

矢印ゆったり豊かに*

 好きなこと起業レッスン♪

 

 

 

+.。.♪. * . 。. +・ * ・+.。.☆. * .